トナカイである。 「ワンピース」のチョッパーとはだいぶ違うだろう。実物はあまり見たことがなかったので「鹿みたいな生き物だったかな」なんて思っていた。だいたい当たり。でも思ったよりトナカイはかわいらしい生き物だったのだ。 |
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2月15日 曇り時々小雪 オプショナルツアーの会社の事務所へ集合。つなぎの防寒服と靴、グローブを貸してもらって装着。スキーウェアの上から着るので着ダルマである。今日はマイナス3℃くらいでかなり暖かいのでちとあつい。昨晩雪が降ったから放射冷却が起きなかったのですね。 クルマでそりの場所まで連れて行ってもらう。5分くらいで到着。トナカイは臆病なので驚かせないようにとの注意を受ける。 そこにはトナカイたちとサーメのおじさんが待っていた。 ぅおおおおぅ。真っ白いトナカイがいる!なんと愛らしいのだ。白トナカイは先頭のサーメのおじさん、パウリさんが操作するそりを引く。 |
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一人1台のそりが用意されている。トナカイの毛皮が敷かれたそりにのって、上からさらにトナカイの毛皮をかけて出発。写真は私のそりを牽いてくれたトナカイ。そりを牽くのは力のある雄である。雄は冬に角が抜け落ちるときいていたが、彼は若いのか立派な角をしている。しかし目が血走っているように見えるのは気のせいか?
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先頭のそりから、ゆっくり動き出す。そりはひもで結ばれていて前のそりが動くと次のそりも(しかたなく?)動く。静かな大雪原に、トナカイの首についた鈴がしゃんしゃん鳴って、のどか〜。 だが、どうもうちのトナカイは頭が傾く癖があるらしい。ずっとこの角度で首が曲がっていた(^_^;)。 |
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ラップランドで暮らすサーメ人とトナカイは切っても切れない関係にある。トナカイはそりも牽くし食用になるし毛皮も使うしでとっても役に立つ動物なのだ。どのトナカイが誰の持ち物かは耳の切れ込みで判断するそう。
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コースまんなかへん(たぶん)でそりがとまる。記念撮影タイムである。パウリさんはめちゃめちゃシャイそうなおじさんだ。我々にどう接したらいいのか、途方に暮れている感じである。ともあれ、トナカイたちを驚かせないように写真を撮ったり、パウリさんの許可を得てトナカイをぐりぐりさわってみたりする。このときの手触りはおみやげ物屋でさわったトナカイの毛皮そっくりで、のちのちこの手触りを、お店で毛皮を発見するたびに懐かしむようになる。
むこうの空からだんだん晴れてきた♪ | ![]() |
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復路はトナカイの首につながっているロープを持たせてもらう。少しはトナカイとの一体感が味わえた・・・かも・・・。強く引っ張るとおびえたようにトナカイが振り返る(^_^;)。悪かったよ。しかしたるませていても足に絡ませてしまったりするので油断できない。 出発した場所にそりが戻ってきた。サーメのテント、コタで休憩させてもらう。写真だとわかりづらいけど、トナカイの毛皮ではってあるのだ。 小さな入り口をくぐってはいると意外にも中は広い。真ん中にたき火、周囲にトナカイの毛皮を敷いたベンチがある。パウリさんがホットベリージュースをククサという白樺のコップについでくれる。お茶うけはマリービスケットである。森永のあのビスケットにそっくりなのだが、ちがうのだろうか。まあいいや。お客は我々の他、40代くらいのご夫婦が一組。コミュニュケーションタイムといわれても、なにをはなしてよいのやらわからない。しかしせっかくだからなにか話さなくては。 自然に聞きたかった質問がでる。 × 「パウリさんは何頭トナカイをもっているの?」 大変いけない例です。あとで知りましたがサーメの人々に持っているトナカイの数をきくのは大変失礼なことなのです。トナカイ=財産ですから。でも知らなかったんだもん。(T_T) パウリさんはややとまどいをみせながらも教えてくれましたが、いやいや、ごめんなさい。ただでさえサーメの人は外部の人を快く思わない(というのはラップランドには外国人にいろいろやられた歴史があるからですが)というのに、とどめを刺してしまったでしょうか。 でも「うわーすごーい、たくさんですねえ」と驚いたら少し照れ笑いしてたかな? |
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さて、私の心の傷はおいておいて(苦笑)。 次はトナカイとのコミュニュケーションタイムである。どんなコミュニュケーションかというと、投げ縄であった。うわぉ。臆病ないきものにそんなことして大丈夫か?心配な我々をよそにパウリさんは洗濯ロープのようなロープをトナカイのつのにひっかけてお手本を見せてくれる。意外と平然としているトナカイ。ご夫婦と我々が順々にやってみる。じっとしているトナカイにロープはうまく引っかかってくれない。しぃん。もたもたとロープを引っ張ってやっと角に引っかける。こんなことでは一生かかっても放牧されたトナカイはとらえられないであろう。自分はトナカイの放牧をしない日本人にうまれて正解だったかもしれない。 動物とのコミュニュケーションはアメとムチ(意味不明)。次はトナカイの大好物、コケをあげていいのだ。これが一番楽しかったかも。 いままで近寄ると目におびえの色が走って、じりじり後退していたトナカイたちが、コケを見せたとたんに、奈良公園の鹿みたいにぞろぞろよってくる。鹿みたいにお辞儀こそしないが、もしゃもしゃとコケを食べるその姿は愛らしい。 しかし手の中にコケがもうないと知るや、もとの臆病な動物に戻ってじりじり後退していくのだった。 |
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というわけで、ほのぼのと楽しめました。 白トナカイ、またみたいなあ。 |