2月16日 曇り 時々吹雪 犬ぞり。 昼のイベントとしては一番楽しみにしていたものである。 ここでは、自分で犬ぞりの操作ができるのだ。 昨日と同じ所に集合。また防寒服を貸してもらって着ダルマに。 今回は客の数が圧倒的に多い。事務所が人でぎゅうぎゅう。 さすがに一番人気。 |
全員準備ができたところで、フィンツアーのひとが引率して犬ぞりのあるところまで歩いていく。
ああ、犬 犬 犬 。ハスキー犬や秋田犬のような白い犬、耳のたれた雑種ぽいいぬまで犬種は様々。興奮して、綱がはずれたら北極まで走って行っちゃいそうな(いや、ここも北極圏か)元気の犬たちが騒いでいた。大はしゃぎである。かーわいー!! まず犬ぞりの操作の説明を日本語でしてもらう。 ちゃんときかないと怪我するよとくぎを差されているのでみんな犬に気を取られながらもまじめに聞く。自分がけがするのは自業自得だが他の人や犬たちに被害が及んでは笑い事でない。人はともかく、 犬は動けなくなったら失業なのだから。 とはいえ、ここの犬たちはすごくよくしつけられているので、決められたコースをちゃんと走ってくれる。操作する人がやることは前のそりにぶつからないようにブレーキをちゃんとかけることと、犬ぞりからおちないようにすることだけだ。 しかし、ブレーキを確実にかけること、これが結構難儀なことだったのだ・・・・。 |
一つのそりをひく犬たちは7頭。
そりは2人一組で、1人がそりの重り、1人が操作者となる。
とりあえず運動神経に自信のないわたしのほうが重りになる。 雪に埋め込まれたアンカーがはずされるなり、まってましたとばかりに犬たちが走り出す。 ・・・・・。なんであんな切ない声を上げて走りたがってたか、少しわかった。 走り出したとたんに犬たちはうんちをしだしたのである。みなさんちのわんちゃんもおさんぽのときにしてます?でもたちどまってしてるよね?走りながらは難しいと思うのですが、でもしてるの。みんな。 風に乗ってとんでこないかちょっと怖かった。においの湯気はきました。うひ〜(@_@;)!! ちなみにおしっこもしてましたが、さすがに走りながらは無理みたいで、スピードダウンしたときにすかさずシャーっと。(^_^;) 操縦者の夫は、はやる後ろのそりの犬に追いつかれて「うらあっ!」と背中をジャンプキックされていた。 |
しばらく走ったところで運転手交替タイム。 あー、運転手のほうが遙かに楽しいことを発見。 時々そりをふって軌道修正をしたり、ブレーキをかけて前のそりを追い越さないようにするとか、登り坂で一緒にそりをこいでやるとかする。 登り坂になるとちらちら犬が後ろをむくのは「こいでこいで〜」というサインらしいのだが、一頭だけ、坂道でもなんでもないときでもちらちらこっちをみている犬がいる。な、なんだよなんだよ。(汗) うちの犬たちは優秀で、暴走もせず、坂道でもそんなに力を入れてこがなくてもなんなくあがれた。 でも一回だけ。 坂道でね、前のそりが急にスピードダウンしてね、追いつきそうになっちゃったわけ。 それでブレーキかけたわけ。上り坂だけど。だってしょうがないじゃん。 すっかりとまってしまった犬たちに、「さあいきましょー」と声をかけた私は、犬たちの 「上り坂で停めておいて、そりゃないんじゃないですか?」 といわんばかりの非難がましい視線にさらされることになる。 だってだって〜(泣)。悪かったよ〜。 インストラクターにうながされてしぶしぶ(そうみえた)動き出していただきました。 インストラクターの兄さんたちはスノーモービルにのって犬たちを叱咤激励する。犬たちはめったやたらに明るくて人なつこいのはいいが、客のいうことには 馬耳東風。 だが、ひとたびインストラクターの兄さんたちがくるやいなや、 「気をつけ」である。 もう絶対服従。 犬のしつけとはかくあるべきか。うちには無理。しょんぼり。 と楽しんでいるうちに休憩タイム。 一同、そりを降りて小屋にはいる。 犬たちは外で待機。みんなはしって暑くなったらしく、雪のなかを転げ回って体を冷やしている。 かわいいよー。 あそびたいよー。 でも人が一緒にいるともう出発かと思って勘違いして騒ぎ出すのでおとなしく小屋に入らないといけないらしい。 うう。ここでは人間もインストラクターに絶対服従。 小屋の中で、ピタパンみたいなうすいパンにトナカイのハムをはさんだサンドイッチと紅茶をいただく。おいしー。 |
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うちのそりのリーダー犬。 頭良さそうな、冷静で落ち着いた犬で、よく群れの統制もとれていたと思います。 |
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そりの最後尾の犬2頭。 全身真っ黒犬はもう走りたがりでぴょんぴょんとびまくってました。 なでようと思って近寄っても 「そんなことより、おいら走りたいんだよう!!」 って顔して飛びはねる。 逆に白足袋の黒犬はちょっと太めの(ほかに比べればね)おっとり犬で、彼女につながっているひもだけなぜかいつもゆるんでいた。 みんなで重たいものを運んでいるときも、一人だけ力を入れないタイプであろう。でもなでられるの大好きで、とてもかわいかったです。 |
さて休憩終わり。 操縦者交替で、こんどは重し役になる。 いつの間にか外は 吹 雪 いている。 きーーーー。 雪が顔に当たって痛い。目が開けていられない。痛い痛い痛い。 ゴーグルをおいてきたのは間違いであった。操縦者はさすがにもってきたサングラスをかける。 犬たちはかえって調子が出ている様子でぶいぶい走っている。 最後尾の黒吉がときどき振り返ると、黒い顔にびっしり白い雪が張り付いているのに、顔が笑っている。なんてタフさ。恐るべし。そり犬。尊敬。 痛い〜冷たい〜前が見えない〜犬〜などといっているうちに操縦者交替。 サングラスで目を保護したためか、割と快調に進む。しかし視界はどんどん悪くなっていく。 そんなとき、最悪の事態が。 なんでしょうね、吹雪いてくると、犬ってスピードあげたくなるんですかね? 後ろのそりの犬たちがどんどん我々のそりを追い越していくのだ。 操縦者の方「きゃー♪」なんて笑ってないでちゃんと渾身のちからでブレーキかけてくれお願い。 一つ二つ、までは辛抱していたうちの犬たちが、三つ目のそりに追い越されたところでキレてしまったのだ。 暴走開始。 急いで全力ブレーキ。もうしゃがみ込み。だがそりはむなしく前方へ進む。 そこで悲劇。 夫が「犬がいない」と叫んでいるのであわてて姿勢を戻してうちの犬を数える。 なんだ。ちゃんと全員いるじゃん。と思っていたら、 何 故 か ブ レ ー キ を 踏 ん で い る 私 の 足 下 に 犬がーーーーーーー!! というわけで、うちのそりが熱くなって追い越しをする際に よそのそりの犬を一頭、そりの下に吸い込んでしまったわけで。 あわててインストラクターを呼んで、そりを倒して犬を救出。 犬は 「あー、びっくりした」 てな案外平気そうな顔でひょこひょこでてきて戻っていったが、 我々は血圧急上昇。 動揺しまくっていたので、そりから足をはなしてしまって引きずられる。 大丈夫〜?とインストラクターがきてくれる。 そんなことより犬、大丈夫?と聞きたかった私であった。 動揺している間に終了。 犬たちとインストラクターにお礼を言って解散。 どの犬を巻き込んだのかはわからずじまいであった。 着替えてもなお動揺収まらない私に、フィンツアーの方が大丈夫でしたか?と声をかけてくれる。 「それより、犬の方、大丈夫でしたでしょうか?」ときいてみたら、あっさり手をぴらぴら振って 「あ、だいじょぶだいじょぶ」 と答えてくれた。 だ が しばらく こ れ は 心 の 傷 になり 夫に 「犬、ひいたくせに」 などといわれてうなされる日々を送ることとなる。 あのときの犬、ごめんなさい。元気かしら? |
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でもほんと、楽しかったです。 |
またいくことがあったら是非もう一回やりたいですね。 犬はひかせるものでひくものではない(痛)。 | ![]() |