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2002年5月29日Young, Jeffrey R. "Journal Boycott Over Online Access Is a Bust" Chronicle of Higher Education (May 16, 2002)[抄訳] Public Library of Scienceとして知られる科学者集団がボイコットを宣言してから、1年が経過した。このボイコット運動を通じて、世界中の約30,000の科学者が、刊行後6ヶ月以内に論文の自由配布権を譲渡しない雑誌については、それに投稿しない、それを購読しない、その編集委員を引き受けない、という誓約書にサインした。しかしながら署名者のほとんどは、その誓約を守っていないようである。その結果、出版界は今のところこれまでの慣習を踏襲している。元々このグループは商業出版社には多くを期待していなかった。が、学会系出版社の反応も商業出版社のそれと大差ないことに失望感を抱いている。しかし、Public Library of Scienceは、このボイコット運動が失敗であると宣言しているわけではない。少なくとも、この運動を通じて科学者はこれまで以上に雑誌のポリシーに敏感になった。さらに、Public Library of Scienceは、既にいくつかの代替誌を自ら創刊する計画を進めている。代替誌のなかには、将来的にScienceやNatureと競合できるような高品質の雑誌も含まれるという。
2002年5月20日5月17日付けプレスリリースによれば、BioMed Centralは、Nature、Science及びCellに対抗する新オープンアクセス誌を創刊するという。Journal of Biologyは、Nature、Science及びCellと同様に、最高水準の研究論文のみを刊行する。これらの雑誌は購読者のみにアクセスを限定しているが、Journal of Biologyに掲載された研究論文は、すべて永久に無料で利用できる。
2002年5月19日2002年5月1日、北米研究図書館協会(Association of Research Libraries: ARL)は、フレットウェル・ダウニング社と提携して、研究者ポータル・プロジェクト(Scholars Portal Project)に着手する、と発表した。当初の参加図書館は、南カリフォルニア大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、ダートマス大学、アリゾナ大学、アリゾナ州立大学、アイオワ州立大学、ユタ大学の7館である。3年計画のプロジェクトの進行に伴ってさらに参加館を募っていく方針である。研究者ポータル・プロジェクトの目標は、ウェブ上の高品質情報資源を発見するための単一のアクセスポイント構築し、さらには可能な限り広範囲にわたって、情報や関連サービスを研究者のデスクトップ上に配信するためのソフトウェア・ツールを大学コミュニティに提供することにある。
2002年5月15日SPARCとBioMed Centralの提携2002年5月14日付けプレスリリースによれば、SPARCとBioMed Centalが提携関係を結んだとのこと。現在、BioMed Centralは、生物医学分野の研究成果を永続的に無料で提供するための持続可能なビジネスモデルの策定に取り組んでいるが、SPARCは、今後この取り組みを支援していくことになる。一方、BioMed Centralは、生物医学分野の査読済み研究成果への無料アクセスを提供し、さらには、将来的に会社の所有者が変更した場合にも、オープン・アクセスの原則を守り続けることを確約している。 JISCは、Focus on Access to Institutional Resources (FAIR)プログラムの落札プロジェクトを公表した。14プロジェクトが8月から活動を開始する。各プロジェクトの詳細については下記のURLを参照されたい。 http://www.jisc.ac.uk/dner/development/programmes/fair.html FAIRプログラムは、高等教育/継続教育機関が生産したコンテンツの提出と共有を可能とするためのメカニズムと支援サービスの開発に貢献することを目的とする。 プロジェクトは、博物館とイメージ、Eプリント、E学位論文、知的所有権、大学(機関)ポータルというコア領域毎にグループ分けされている。JISC開発チームと新たに設置されるFAIR諮問委員会がこれら5つのクラスターの管理運営を担うことになっている。
2002年5月14日Library Journalの2002年4月15日号に、"Doing the Digital Flip"と題された、2002年雑誌価格調査が掲載されている。この報告によれば、図書館コンソーシアは「従来のプリント・プラス・オンライン型の価格モデルではなく、オンライン・プラス・プリント型のモデルを求めている」という。オープン・アーカイブズ・イニシャティブのメタデータ・ハーベスティング・プロトコル(OAI-PMH)のバージョン2.0のベータ版が公開された。正式版のリリースは、6月に予定されている。
2002年5月13日IOPのバックナンバー電子化計画2002年4月26日付けのニュースによれば、英国物理学会(IOP: Institute of Physics)は、学会刊行雑誌の全アーカイブの電子化作業を開始した。当学会の雑誌は、1874年に創刊されたProceedings of the Physical Society of London (1874-1967)にまで遡る。この大規模プロジェクトを通じて、500ボリューム以上の電子化が達成されることになる。なお、1991年以前のフルテキスト・アーカイブについては、2002年に限り、IOPの電子ジャーナル・プラットフォームを通じて、誰もが無料でアクセスできる。
2002年5月9日Flipperはディープウェブ専用の新サーチエンジンである。ディープウェブは、伝統的なサーチエンジンが潜り込むことのできない種々のデータベースから成り立っている。大方の推定によれば、通常の表層インターネットの500倍の規模を有すると考えられている。オンライン学術コンテンツの大部分は、ディープウェブ層に存在する。2002年4月15日から17日にかけて、ウォーリックにて開催された英国雑誌グループ会議(United Kingdom Serials Group conference)における発表ペーパーの抄録がオンラインで公開されている。 http://www.uksg.org/conferences/Abstracts_2002.pdf Open Society Institute (OSI)は、オープン・アクセス雑誌が開発途上67カ国の著者による研究成果を出版するのを支援するための助成プログラムを発表した。受理された論文を無料でオンライン配信するために加工する経費がこの助成金によってまかなわれることとなる。あらゆる分野の査読つきオープン・アクセス雑誌が応募の資格を有している。これは、「Budapest Open Access Initiativeの精神に端を発する」パイロット・プログラムのひとつである。助成金は2期に分割して交付される。第1期の申し込み期限は、7月14日。第2期の期限は9月9日となっている。詳細は下記のページを参照のこと。 http://www.soros.org/openaccess/grants-journals.shtml オーストラリア国立図書館は、「リソース探索のためのめたデータ作成ガイドライン(Guidelines for the Creation of Content for Resource Discovery Metadata)」をオンライン公開した。
2002年5月7日PerseusプロジェクトがOpen Archives Initiativeのサービスプロバイダーをリリースした。OAI準拠の複数のリポジトリからハーベストを行い、そのメタデータに基づき、横断検索システムを構築している。
2002年5月6日Open Archives InitiativeとDublin Core Metadata Initiativeは、限定詞なしのダブリン・コア・メタデータのためのXMLスキーマを発表した。この新スキーマは、ダブリン・コアをOAIプロトコルと共に使用するために策定された。また、このスキーマを使うことによって、モジュラー・メタデータ・コンポーネントの宣言を容易に行うことができる。グラスゴー大学が、"Create Change: Challenging the Crisis in Scholarly Communication"というサイトを立ち上げた。サイトには、グラスゴー大学のeprintアーカイブ、雑誌の危機の解説、営利出版に替わる代替出版、個々の大学関係者へのアドバイス、FAQ、ディスカッション・フォーラムなどが含まれている。 ノッティンガム大学が、eprintアーカイブを立ち上げた。大学の研究ペーパーの他に、このサイトには、eprint、著作権、オープン・アクセスについての情報と教官へのアドバイスも含まれている。アーカイブ構築に関するノッティンガム大学での経験については、Ariadneの論文を参照されたい。
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