久島だな。
俺にはある確信があった。
あいつの行動って,読めないんだわ。なんかこうあいつの場合常人には計り知れない思考の働きがあるらしく,常人には理解できないシチュエーションで,常人には理解できない行動をしばしば起こすのである。アレを描写するのは,本当に難しい。管理人も第3部GMもチャレンジはしてたけどな。やっぱり「まだまだ甘い!」って感じだしな。
俺は,純粋にすげえなアイツ,と思うときがある。
大抵の場合は単に迷惑だがな。
すでに12時をまわっていた。少し迷った末にベルを鳴らす。久島はもう眠っているようだったが,水上さんがすぐに起き出してきてくれた。
「何かあいつから預かっているものはないですか。もしくは,最近見慣れないものを持ち込んでいたとか,差出人不明の手紙がきていたとか……」
「そう言えば……真二さんが神棚に妙なものを飾っていたような……」
「妙なものなら飾らせんでください。どこですか」
神棚は奥の小さな和室にあった。覗き込むと,某北○神拳伝承者の白黒写真の前にメモリースティックが置いてある。
水上さんに頼んでノートパソコンを借りる。Read Meと「ss-ending.」とあるHTMLファイル,あといくつかの画像ファイル,テキストファイルがある。
とりあえずRead Meから開いてみると,
正解です! 数々の試練を乗り越え,よくぞ辿りついてくれました。
ここからが真の決闘広場!
「いや決闘してどうする。それと広場ってなんだ広場って」
思わずテキストファイルに突っ込んでしまう俺。背後では水上さんが「あらあら」とか言いつつ笑っている。
「千葉さんたら,本当にお茶目さんですねえ」
「お茶目って言うんですかこういうの」
というわけで,今までおつきあいいただき,誠にご苦労
さまでした。管理人さんから「グリコのおまけ」を預かっています。人気投票のお礼だそうです。皆様への感謝を示す大事なものなので,責任をもって預かってくださいね。
さあ,そのHTMLファイルをクリックしてみてください。こうぽちっと。
――ちょっとお茶目なK.Cより。
「あらあら。困った方ですねえ」
と,たいして困ってない口調で水上さんが言った。
「大谷さん,早く開いてみてくださいな。私も見てみたいわ」
「――――」
見たいんかい。
なんかもぉツッコミどころは山のようにあるが,開けないわけにはいかないだろう。
俺はカーソルを「ss-ending.htm」に合わせ,ダブルクリックした。(⇒次へ)
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