Act.1 始まらないでんせつ。

GM:では、いつもの通りムッツーゴロウ王国なんだけど、今回は途中で2人加わったね。
ジーク:何で加わったの?
GM:ん? 街中で何となく気があったんだよ。
一同:(疑わしげに)気があったぁ?
カワタワ:私は道の脇を飛んでいただけなんだけどなー。
フェス:そこをハーフエルフがナンパしたとか。
ジーク:せんでしょ。
GM:どうして?
ジーク:サイズが合わないから。
一同:…………。

 このセリフは深いイミにとって結構です……っておい。

ゴン:……おーい。
GM:……ま、そこは酔っ払ったか何かということで。
ジーク:酔っ払っててコレが大きく見えたと?
カワタワ:私はひらひらと飛んでいたら、丁度座りやすそうだったのでゴンちゃんの頭に止まったんです。
ゴン:おお。いつの間に。
GM:気づかなかったの?
ゴン:角の間にいた。オレ、気づけない(笑)。
ジーク:……副座式?
GM:そう(笑)。
カワタワ:で、結局私はジークにナンパされたの?
GM:そうなんじゃない? ほら、あそこに妖精のような美少女が。
カワタワ:妖精です。
一同:(笑)
カワタワ:美「少女」かどうかは知りませんが。
サファイア:ひょっとしたらン千歳のおばーちゃんかも。
カワタワ:性別も女かどうかはわかりません。
一同:……そうなの?
GM:(ジークに)……どうよ?
ジーク:ん? だから犬はともかく、フェアリーはダメだって。
サファイア:犬はともかくって何じゃそりゃあ!
ジーク:だからサイズが合わないんだって。
サファイア:サイズが合えばなんでもいいんかい!
ゴン:うわ最悪……。
カワタワ:身長30センチ。……ってどれくらい? こんくらい?
フェス:それ大きいよ。
ジーク:(のプレイヤー、定規を取り出し)これが15センチだから、これの2倍くらい。
カワタワ:あー、つまりアクションフィギュア的な。
GM:イヤな例えだが、まあそうです。
カワタワ:……男のサイズしだいだな。
一同:(爆笑)
サファイア:いいかげんその話題から離れてください(泣)。で、始まりはやはり私が宰相様に呼ばれるんですか。

 
GM:このシリーズでは、サファイアが宰相に呼び出される所から始まるのが恒例となってます。

GM:サファイアがお城の訓練所で同期の皆さんと訓練してるとだね。またもやサノ閣下からのお呼びということで。
サファイア:えーと……今回は普通に行っていいんでしょうか?
ジーク:は?
GM:いつもはね、15分かかるところを絶対5分で来いとか、四つんばいになってトロットで来いとか色々条件がつくんだよ(笑)。でも今日は何も条件ないけど。
サファイア:……へ?
ゴン:つまりアレだ。キミの忠誠心が今試されている!(笑)
サファイア:……で、ではドキドキしながら行きます。なるべく急いで。
GM:では閣下の執務室の前に来ました。特に仕掛けがしてある気配とかはありません。
サファイア:か、閣下、サファイアです。
GM/シロー・サノ:「入っていいよぉ〜」
一同:(いっせいに)椅子ひっくり返せ、椅子!
GM:あ、やっぱり?(笑)

 
えーと、ここいらへんは文章では表現しにくいのですが、シロー・サノ閣下のモデル(笑)は言うまでもなくあの人です、ということで納得してください。
 と、いうわけで背もたれを前にして座るGMである。


サファイア:では大きく深呼吸して。右見て! 左見て! 上見て下見て後ろ見て前見て! 注意できるだけ注意して入ります。
GM:扉を開けると、中に閣下がいない。
サファイア:え? 扉の後ろももちろん見ますよ。
GM:ちっ。
一同:そこにいたんかい!
GM/シロー・サノ:「(扉の裏にへばりついている)やあ〜、待ってたよ〜」
サファイア:……そこにおいででしたか、閣下。
GM:さて、閣下は執務机にお戻りあそばすわけだが、そういえばいつもの筆頭秘書官のおねーちゃんがいないね。
フェス:ああ、あの良心的な人?
ゴン:外ヅケ人間社会発言装置がいない。サブ、ピンチだ。
サファイア:サブって言うなぁ!(←「サファイア=ブランカ」だから「サブ」なんだそーです)
GM/シロー・サノ:「え〜と、いいかなぁ〜」
サファイア:(直立不動)は、はいっ!
GM/シロー・サノ:「え〜とね〜……あった、これだぁ。はい、これあげる〜」と1枚の書類を。
サファイア:はっ、拝領します!
GM:「サファイア=ブランカ・パピヨン。上記の者、これより2週間の休暇をつかわす」と書いてある。
一同:(笑)
サファイア:……(しばしの沈黙ののち)こ……これはどういうことなんでしょう……。
カワタワ:クビだ。
フェス:リストラ。
ゴン:まあ気を落とすな(笑)。
サファイア:…………あ、あの、閣下。
GM/シロー・サノ:「ん〜、ボクちゃんの口から言うのもなんなんだけどね〜」
サファイア:…………。
GM/シロー・サノ:「ん〜……ほら、キミには今まで色々頑張ってもらったしね〜? ここいらでお休みあげちゃおうかな〜、な〜んて」
サファイア:…………。
GM/シロー・サノ:「どうだい、嬉しくないかい?」
サファイア:う、嬉しいような、怖いような……。
GM/シロー・サノ:「そっか〜。そんなに喜んでくれるなんて、ボクちゃんも嬉しいよぉ〜」
サファイア:…………(いや喜んでない)。
GM/シロー・サノ:「でねでね〜、今回は保養地なんて用意してあげちゃったりするんだ〜」
サファイア:(さらに一筋の汗)ほ、ほようち、ですか?
GM:大丈夫。……別に保健所だったりしないし。
一同:(爆笑)
サファイア:…………。
GM:いや、ホントに場所はフツーの避暑地だって(笑)。「ボクちゃんからのプレゼントだから、ゆっっくり休んできてよ」
サファイア:(ひきつった声で)あ、ありがとうございます……。
GM/シロー・サノ:「あ、それとね。そこで休んでる間に何があっても、ボクちゃんなんっにも関知しないから」
サファイア:わ、わかりました。
GM/シロー・サノ:「じゃあねェ〜、楽しんできてね〜」と、いうわけで退出して結構です(←と、サノモードを解除するGM)。
サファイア:では退出してから書類を丁寧に調べます! 2枚重ねになってないかどうかとか、あぶり出しとか、裏側の隅っこに小さい文字がないかどうかとか。水にもつけてみるけど。
GM:うん、これが何の仕掛けもないんだよねー、どういうわけか。
サファイア:ものすごっっっっく丁寧に調べますよ? できるかぎりのことをやりますよ?

 
前回はあぶり出しの指令書が出てきました。
 
そいつぁ気の毒に。

GM:(だから何もないんだって)ちなみに2週間の休暇っていうのはさ、当地についてから、滞在期間が2週間って意味だから。
一同:おお?!
サファイア:え? それは、行き帰りは2週間のうちにいれないってことですか?
GM:そうでーす。
ゴン:……それは、永久に到着しなければ永久に休みということでは?
GM:そうだよ(笑)。
サファイア:そ、そこって場所とかわかります?
GM:わりと有名な、いわゆる避暑地。こっから徒歩で1週間くらい離れています。名前は……カルーザワにしよう(笑)。そこにシロー閣下の別荘があるので、そこを使っていいそうです。三食つき。ちなみに10名まで可。
一同:おおっ?!
サファイア:……そ、それは、あの連中を誘えと言っている……?
フェス:ほら、何があるかわかんないしね(笑)。人手はあったほうが。しっかしこれ、条件いいよね。
GM:いいね。
フェス:あの人が出してきたんでなければ、すっごくいい条件だよね。
GM:そだね(笑)。
サファイア:……も、何でもいい……保健所送りでさえなければ……(涙)。
ゴン:もしかして、ここの王国の死刑場って保健所とか屠○場ですか(笑)。
サファイア:私、サノ閣下のご機嫌を損ねたら、スガノオージ(←サファイアの愛馬)と一緒に……?(泣)
ジーク:ダメだよ。犬はともかく馬は色々使い道があるんだから。
カワタワ:そうそう。コンビーフにも混ぜられるしね。
サファイア:…………。
GM:ま、それはともかく。廊下でばったり秘書さんに会うぞ。
サファイア:あ、秘書さん。ちょっと変なことうかがいますけど、最近カルーザワで何か事件とかありませんでしたか?
GM/秘書:「いえ、特には。……ああ、休暇いただいたってあなたですか。よかったですね、申請受理されて」
サファイア:えっ? わ、私、申請なんてしていないんですが……。
GM/秘書:「あら、そうなんですか? でもいいんじゃないですか、あなたいつも閣下にいじめられているようですし、ここらで羽を伸ばされては?」
サファイア:ふっ……秘書さん……これもまたきっとイジメなんですよ……。
GM/秘書:「……重症ですわね」

 
さて、そんなこんなで、お約束通りのパーティー結成へ。
 謎の慰安旅行(笑)に一行を誘うため、酒場にやってきたサファイアだが。


GM:では、『富と権力』亭だ。
カワタワ:イヤな名前だなおい。
サファイア:今ってどれくらい? お昼くらい?
GM:お昼ちょっと前。11時くらい。
サファイア:じゃあ空いてるよね?
GM:まだ空いてます。君が入っていくと、他のみんながダベってるね。
ジーク:え? 僕はそこにはいないよ。
GM:はいぃ?
ジーク:何が悲しゅうて、昼間っから野郎やフェアリーとくっちゃべってなきゃなんないのさ? ンな不健康な。
GM:じゃどこにいるの?
ジーク:さあ。
ゴン:酒場の2階でしょ?(一同笑)
ジーク:じゃあ、サファイアが入ってきたのと同時くらいに、眠そーな顔して2階から下りてきます。
カワタワ:一仕事終えて(笑)。
フェス:君はいったい何をやってたんです、ジーク君。
ジーク:んー? いや、昨日寝てねーんだよ……。
フェス:ほぉ。朝までチャットか(笑)。
GM:朝まで生討論(笑)。
ジーク:んな朝までPSO(←『ファンタシースターオンライン』のこと)みたいな言い方せんでください。アンタらじゃあるまいし。
GM:どう違うのさ。
ジーク:違わないかもしんない(笑)。
GM:そうすると、ジークの後からちょっとふらついた足取りの女の子が、「ジークさん、これ忘れ物ー」と君の下着を。
一同:(爆笑)
ジーク:(気だるげに)お、悪ぃ。さんきゅ。
サファイア:……この馬鹿者! 何をやっとるかぁ!
カワタワ:(サファイアを無視して)ちなみにどんな下着?
GM:えーとね、ピンクのパンダ柄。
一同:(再度爆笑)
ジーク:俺は京一かっつーの。
サファイア:おまえ……。
ジーク:ああ、これは昨日のだから(笑)。
ゴン:フェス、おまえ何か言ってやれ。
フェス:(静かに)相手の体調のことを考えてあげねばなりませんね。
サファイア:そういう問題じゃない!
ジーク:んー? いや、向こうには別に無理させてないよ。
フェス:なるほど。複数ですか。
一同:…………(←不思議な沈黙)。
ジーク:…………。
フェス:…………。
サファイア:(虚空をみつめて)あ、何か今フェアリーが飛んでいった。
カワタワ:(←飛んでいる)……ひらひら〜……。
フェス:……そうですか。ならばいいのですが。
一同:よくねーよ!(爆笑)
サファイア:とにかく! おまえたち皆こんなとこでダベってて、おまえは昼間っからそんなことばっかりして、ヒマなんだな?!
ジーク:昼間からじゃないよ。昨日の夕方から。
GM:正確に言うと3連チャンだ(笑)。
サファイア:ああそうかい! ヒマなんだな要するに!
フェス:(静かに)サファイアさん、ところで何かご用なんですか。またサノ閣下からのお呼びですか。
ゴン:おお。サブ、仕事か。また何かあったか。
サファイア:え? うーん……。
GM:何もないから困ってんだよね(笑)。
ジーク:とうとう保健所?
サファイア:そういう話題は耳をぱたっと倒して無視! それでだな!
ゴン:おう。保健所。人生の墓場。ジークの結婚式場。
ジーク:あー、まあ確かに墓場だな、俺にとっちゃ。
サファイア:……それでだなー。
ジーク:ほら、私って博愛主義者だからぁ?
GM:博愛主義者ぁ?
サファイア:……だから、それでだなー。
ジーク:ボクの愛を1人でも多くの人に広めようと、伝道の旅を続けておるのだよ。
フェス:それ博愛主義者?
カワタワ:博愛主義者。でも女性限定。
サファイア:(忍耐強く)それでだなー……。
GM:男女の別なく愛を振りまかれても困りますがね。どっちでもイケますとか(笑)。
ゴン:それはイヤだ。
フェス:でも女なら何でもいいんだよね。
ジーク:いや、一応好みは……。
サファイア:それでだなー……。
カワタワ:あら、私には手出さないくせにぃ。
ジーク:だってサイズ違うんだもん。
サファイア:それでだなー……。
カワタワ:自分で削るくらいの根性見せなさいよ。
ジーク:やだよ!
サファイア:それでだなー……って聞けよおまえらぁっ!!

 
サファイア絶叫。
 しかし脱線の多いパーティーだ。
 しかも……おいカワ、「削る」って何だよ「削る」って……。

 
……やばいこと連発してるよねー。

サファイア:それでだな。私は今回休暇をいただいたのだ。
カワタワ:ふーん。それはよかったね。
フェス:で、それが?
サファイア:皆、カルーザワという街は知っているだろう。
カワタワ:ああ。あそこのケーキ屋がおいしいんだよね。
サファイア:それはどうでもいいのだ。
ゴン:そうだ。そんなことより、カルーザワ、バニーいるか。
GM:います(笑)。
カワタワ:温泉にいくと湯女ならぬ湯バニーがお背中流してくれるんだよ。有名なサービスだよ。
ジーク:そう。で、そういうとこのバニーって、大抵布が少ないんだよね。布が。
ゴン:おう! オレ、とても感激! オレそこに行く! サブ、オレ連れて行け!
サファイア:だからサブと呼ぶな。……ホントなんですか?
GM:あながち間違ってない(笑)。
サファイア:おまえらはなー。そう好き勝手言ってるがなー。のんびり楽しめるかどうかは保証しないぞ。なんせサノ閣下からいただいたお話だからな。
ゴン:おまえ、仕事。オレ、バニー。
ジーク:ノープロブレム(笑)。
サファイア:それではおまえたちを誘う意味がないだろ。
ゴン:サブ、オレたちトモダチ。苦楽を分かち合う。オマエ、苦。オレら、楽。
一同:(笑)
サファイア:そゆこと言ってるやつは連れていかん!
カワタワ:だいじょぶだいじょぶ。ちゃんと私が見守っていてあげるから。
サファイア:ありがとよ。どうせ見守っていてくれるだけなんでしょ?
一同:見〜て〜る〜だ〜け〜(笑)。
サファイア:……やっぱり1人で行こうかなぁ。
フェス:(冷静に)ま、話を戻しましょうよ。つまり、あのサノ閣下から休暇をいただいたのはいいけど、裏に何かありそうで怖いから、一緒についてきてほしいということなんですよね?
サファイア:まあね。
ゴン:サブ、人の善意を信じられない、それ、よくない。
サファイア:いや、私が信じられないのはサノ閣下だけだ。(慌てて)……いや、今のはオフレコ。私は何も言ってません。言ってないからねっ!
フェス:……人の口に戸はたてられないと言いますよね。
ジーク:壁に耳あり障子に目あり。
GM:ちなみにここの看板娘の名前はメアリー。お姉さんがミミアリー(笑)。
サファイア:ぎゃあああ! 嘘です閣下、何も言ってません!

 
ホントに脱線の多いパーティーである。
 もちろん、この依頼を受けなければシナリオが始まらないのは皆わかっている。
 でも脱線する。重症である。


ジーク:いいよぉ、行っても。もうこの街にも飽きたし、また新しい場所に布教しに行こうと思ってたんだ。 
サファイア:何の神だよ。
ジーク:任せろ。信仰は40だ(一同爆笑)。
フェス:彼は愛の伝道師ですから。
GM:え? 愛の種まきじゃなくて?
カワタワ:旅の種はまき捨て。
ゴン:……おまえら、全体的に下品。
サファイア:いかん! 私は立派な騎士なのだ! とにかく、おまえらついてくるんだろ! 来ないとは言わさん! もう来ることで話を進めるからな!
一同:はーい(笑)。

 
……と、いうわけで(あー長かった)、果てしない脱線ののち、乗合馬車に乗って(ただし約1名が巨大だったため、結局馬車ごと借りきったが)一路カルーザワに向かう一行。
 さてさて……。