GM:いやぁ,ジーノ死んだままだね。ゴメンね。
ジーノ:うん,ま,自分的に悔いはないかな。
GM:ないの?
ジーノ:アレだよ,きっと2周目でしか攻略できないキャラなんだよジーノ。
一同:(爆笑)
かおる:? 2周目ったって,死んでたら攻略できないんじゃないか?
ティーグル:甘いな。また最初から始まるから「2周目」なんだ(笑)。
フレイ:何事もなかったように,また新しい人と恋に落ちるの♪
ジーノ:恋愛ゲーの鉄則だよね。
かおる:???
ジーノ:きっと2周目では白いジーノが出てくるんだよ。
GM:そうそう。2周目になると,1周目にはなかった選択肢が出てくるんだよ。ジーノを説得するチャンスがあるんだ。
ジョエル:で,選択を間違えると,やっぱり黒いジーノになっちゃう。
ジーノ:しかも,ジーノエンドを迎えるためにはナカジーマを倒さなければならないというオマケつき。ヤダなー(笑)。
ティーグル:だったらいっそ,黒いジーノと黒エンドってのは?
GM:萌えだね。
かおる:……ますますわけわかんなくなってきたぞ。
GM:冗談なのであんまり悩まないように。
かおる:つか何が2周目だ! こんな世界,もう二度と来てやるもんかー!(怒)
ごもっとも。
GM:ま,ま,時間もないので話を戻しましょうか。かおるちゃんは血のついたナイフを持っていますね。どうします?
かおる:どうしますって……ジーノの側にひざまずいて,泣いてますよ。こんな,こんなやり方しかなかったのかよ……ッ!?
GM:ほほう。するとですね,「自分の望みは戦って勝ち取るしかあるまい。そうじゃないか? 彼らも,君もな」と嫌みったらしい声が。
フレイ:声がした方にロングボウを構える。……撃ってやりたいけどな。ホントに。
ティーグル:まあ,ここはかおるに殴らせてやるべきだろう。
かおる:もうそんなの聞いてないよ。アルジェントの声が聞こえたのと同時に,飛びかかって一発ぶん殴る。
GM:うむ,一発くらいは殴らせてやろう。アルジェントは頬を押さえもせず,無表情に君を見ている。「さて,君はそうして望みを勝ち取ったわけだが。……どうするね」
かおる:その前に,おまえに言ってやりたいことがあるぞ……!
GM/アルジェント:「何を?」
かおる:おまえがそんなんだから! この世界はこんな風になっちまったんだよ!
GM/アルジェント:「……かもしれないな。だから言っただろう。私のような男のエゴに形作られた時点で,この『王国』は前提からして間違っている」
かおる:そういう問題じゃないだろ! じゃあソレを守ろうとして死んだジーノたちは何なんだよ! あいつらが死ぬまで必死にがんばったのに,おまえはあっさり自分の作ったもん捨てるのかよ!
GM/アルジェント:「自分で作ったからこそ,だな。私は他に責任のとり方を知らない」
かおる:そんなの,責任とってるって言うかよ!?
GM/アルジェント:「考え方の違いだな。……では訊くが,他に私にどうしろと?」
かおる:!? そ,それは……。
GM:あ,そんなことは言わないと思うけど,念のため。死んで詫びろ!はダメね。この人ほとんど霊体だから。もともと死んでる。
ジョエル:あ,そうなの? それ訊きたかったんだけど。この人が「王国」作ったのに,「王国」無くなったらどうやって元に戻るのかなー,とか。
GM:戻らない。この人は「この王国を壊す」って想いだけで存在してきてるわけよ。だから,このまま「門」が開いたら満願成就御礼はいさよならー,って感じで。
かおる:……それはそれですっごくムカツクな。
GM:だから,ではどうしろと(笑)。
かおる:だから! おまえの言い方は何かムカツクんだよっ!
GM/アルジェント:「……あー。つまり何かね? 君は単に私が気に入らないだけと?」
かおる:…………。つまりそういうことだな!
ティーグル:認めてるし(笑)。
ジーノ:でも,何となく言いたいことはわかる。
GM:ほほう?
ジーノ:つまりことの発端はこいつなのに,気がつくと結局こいつのいいように話が進んでるぞおい,みたいな。それが気に入らないってことでしょ。それ俺も(笑)。
ジョエル:どう足掻こうと,全てお釈迦様の手の平の上じゃー,みたいな。確かにねえ。
GM:しょうがないよ。この人もう失うものがないから。これ以上ペナルティの負わせようがない。
フレイ:で? それであんたに何が残った?
GM/アルジェント:「…………」(←言葉につまった)
フレイ:何も残らんかったやろ。あんた,自分のしたことが全部ムダやったって,自分でそう言うてる。それでええんか?
GM/アルジェント:「…………」
一同:すげえ。正論。(拍手)
GM:……くそう。負けた。愛情ポイントをあげよう。
ティーグル:つか,勝ち負けの問題か?
GM:いや負けましたね(笑)。ええ,そういうことなんですよ。「自分負け組でしたー」言うてる人間に何言ってもムダということで。
ジョエル:急に哀れっぽくなってきましたが(笑)。
ジーノ:いや,ある意味かわいそうな人ではあると思うよ。俺の立場からは同情できないけどね。
かおる:そりゃそうだ。
ジーノ:そういうわけでGM,フレイに天から友情ポイントあげていい? 代弁ありがとう,グッジョブ!な感じで(笑)。
GM:(苦笑)許可しよう。というわけで今回最大の「痛い所突かれましたー!」な発言によりアルジェント敗退。寂しげに笑います。「……仕方がないな。自分のせいだ」
かおる:む。ではそこでさすがに手を離そう。
GM/アルジェント:「私のことなぞ,君にはもはや問題ではないはずだ,異世界の少女よ。
先に進めるとしよう。……『門』を開けるにせよ閉めるにせよ,まずは道を開こう。そのナイフを」
かおる:……いい。自分でやる。
GM/アルジェント:「心がけは立派だがね。……届くかい?」ちなみに初代女王様の像,高さ3メートル(笑)。
かおる:くー!? あとさ,このナイフについてる血って,いいかげん乾いてないのか!?
GM:よいところに気づいたね。でも大丈夫。だって,
一同:これは魔法のナイフだから(爆笑)。
かおる:だーもー! ええい,こうなりゃよじ登ってやるー!
GM:はいはい,それは可能です。では,杯に血を落とすと,女王様の像が内部から輝き始めます。で,部屋の中央に巨大な魔方陣。さらにその中央に,……やたら巨大な両開きの扉が立っている。その扉は,少しだけ開いていて,「向こう側」からはものすごい風が吹いてきています。その風圧のためなのか,扉は少しずつ,少しずつ開いているような気がします。さて!
かおる:さて?
GM:さて,だからどうする?
かおる:…………(ため息)。
GM:ん? 何?
かおる:いや,なんつーか……えらい泥沼だったなぁと思って。つかボロボロ。ジーノも死んじゃったしさぁ。
GM/アルジェント:「いや,今さらそれを言われてもねえ」
かおる:愚痴りたくもなるだろ。誰のせいだと思ってんだよ。
GM/アルジェント:「それを言われると痛いが。だからと言ってここでこうしているわけにもいくまい?」
かおる:わかってるよ。では,扉の直前まで歩いて行って……後ろの皆を振り返ってみる,けど。
ジョエル:大丈夫。俺はかおるを信じてるよ。
フレイ:わいは黙って頷くだけや。微笑んで。
かおる:ううっ。ジョエルもフレイ兄ちゃんも優しいなぁ。
フレイ:兄ちゃんねえ……もはや「兄ちゃん」じゃなくて「父ちゃん」やからなー,わいは(一同苦笑)。
ジーノ:ジョエルは弟キャラだし?
ティーグル:だんだん属性が変わってきているんだな(笑)。
GM:そういう虎さんはどうなのさ? 現在アンタがぶっちぎりトップだが。
ティーグル:……おまえが選んだ道ならば,俺はそれに最後まで従おう。
かおる:えっ……。
ティーグル:だからどちらの道を進むにしろ,安心していい。
かおる:…………。
一同:(しばし沈黙ののち)……おお〜!?
GM:こいつ,いつの間にか「主人公スイッチ」が入ってやがる……。
ジーノ:やっぱり本命キャラは違います! かっこいい〜♪
戦線離脱男,ひとりノンキである(笑)。
GM:で,ではそんなところでアルジェントが君を手招きします。
かおる:え,なんだよ。
GM/アルジェント:「いいから来たまえ。……いや,もう何もしないから」(笑)
かおる:でもなんとなーく警戒しつつ近づきます。
GM:えー,すると彼はですね,すっと手を差し出すわけですが……うーん,やっぱり指輪がいいかな。
かおる:指輪?
GM:そう。彼の手には指輪が2つ乗っています。男物と女物の,
ジーノ:よりによってペアリングですかい?
GM:ははは(笑)。
かおる:……よく考えると怪しいなぁおまえ。よく考えなくても怪しいけどさ。
GM/アルジェント:「これはおまじないのようなもので,他意はない。ないよ。……だから手を隠して後ずさりするのはやめたまえ」(笑)
かおる:(ジト目)ホントにいったい何なのさ。
GM:だからおまじないだって。ちなみに元はこの人と初代女王様のものだった。
かおる:(なおさらうさんくさそうな目つき)へー?
GM/アルジェント:「(咳払い)話を元に戻すと,だ。このまま扉を開けると,この世界での記憶は全て失われる。それは承知しているね?」
かおる:え?
ジョエル:というか,この王国そのものがなかったことになるんだよ。だから当然記憶も残らない。
かおる:そ,そっか……じゃあ私は,これでおまえたちのことをみんな忘れちゃうんだ……。
ジーノ:もちろん,俺を殺した事実もなかったことになるよ?
一同:おい!(爆笑)
かおる:そ,そういうこと言うかおまえ……。
ジーノ:(にぱっ)よかったじゃん☆
戦線離脱男,微妙に黒くノンキである……。
GM/アルジェント:「(咳払い)えー,そこでだ。この指輪だが」と彼はさらに顔を近づけ,耳打ちします。「これは,おまじない。女物の指輪は君がはめる。男物の指輪は,君が一番大切に思う人に渡しなさい」あ,ちなみに指輪は左手の薬指にはめてね☆
かおる:(ジト目)なんか,その笑いが気になるんだが……。
GM/アルジェント:「(にやり)そうすれば……その男のことを覚えていられるよ?」
かおる:は? ……そ,それって,もしかして。
フレイ:ひょっとして,その指輪を渡した相手,だけ?
一同:うわぁ〜〜っ!?(爆笑)
ジョエル:そうきたかーっ(笑)。
ジーノ:すげえGM! あざとい! かっくええ!
かおる:(眉間にシワ)あの,もうひとつ聞きたいんだけど。この扉を開けると,この王国は私の世界とうまく融合するんだよな?
GM/アルジェント:「融合というか,元に戻るわけだけどね。するよ」
かおる:……じゃあ和兄ちゃんもジョエルも……この世界の人々はみんな,向こうの世界に出現するってことなんだな。
GM/アルジェント:「そうだよ。何度もそう言ってるじゃないか」
かおる:……ジーノは?
GM/アルジェント:「ふむ,この世界で死んだ人間のことは確約できんが,火村和希の例もあるからね。因果律が変わればあるいは,というところかな」
ジーノ:あれ? そうなんだ?
GM:うん。でないと2周目とか起こらなくなっちゃうし……。
ジーノ:身もフタもないよGM!(笑)
GM:(咳払い)ちなみに和兄ちゃんとかもう死んでるんで,フレイも別の人間に生まれ変わるだろうな。
かおる:へー。
ジョエル:でさ。……何故ティーグルの名が出ないの?
かおる:それはあえて出さない。
一同:…………。へー。
かおる:(無視)で,しばらくじっと指輪を見つめたあと,左手の薬指にはめる。で,頭を上げてアルジェントにありがとう,と言う。
GM:するとアルジェントは珍しく,皮肉っぽくない笑みを浮かべます。「どういたしまして。こちらこそありがとう,だな」
かおる:んー。おまえに礼を言われるのはちょっと複雑なんだけど。どういたしまして,かな。
GM/アルジェント:「異世界の少女よ。忘れ去ったからと言って消え去るわけではない。ならば,何も心配はいらない。世界は続いていて,君たちも生きている。……そうだろう?」
かおる:うん。
GM/アルジェント:「残念だが,そこが私とは違うところだな」と,彼の姿は先ほどからだんだんに薄れかけていたのですが,ここで宙に溶けるように消えます。
ジョエル:望みがかなったから,消えちゃうわけですか。
GM:そうなります。で,残るは「門」だけですが,その前に。
かおる:あう。指輪だな。
GM:(にやり)はい,考えたーいむ。実時間で1分あげよう。時間がないのではりあっぷはりあっぷ!
かおる:うー!?
ジョエル:とは言え,この時点ですでに勝者は決まってるようなもんですが……(笑)。
フレイ:ねえ。
ジーノ:(ぼそっと)ここで俺だったらある意味すごいよねえ?
一同:(爆笑)
フレイ:あれか。ジーノを殺してしまった罪の意識で?
GM:ははぁ。それはちょっと萌えかもしれんが。
かおる:ひーっ!? てゆーかそれはアリなのかーっ!?
GM:ナシに決まってるだろ(笑)。ネタとしてはおいしいけどね。で,そろそろいい? どうする?
かおる:ち,ちなみに今の話って他の人は!?
GM:聞いてない。だから近づかせて耳打ちしたんでしょーが。
かおる:これから話すのダメ?
GM:時間がない。ダメ。
かおる:か,かくかくしかじか発動は!?
GM:ダメ! そんな美味しくない展開は私が認めん!(笑)
かおる:私から告白しなきゃダメなの!?
GM:当たり前だ。乙女ゲーでは,女から告白するもんだ。
かおる:うー。……うーん。いや,まぁここまで来たらもう決まってるようなもんですが。
一同:ねえ。
かおる:ち,ちなみに他キャラに声かけるのもダメ!?
GM:往生際の悪いヤツめ。一言くらいなら許可するが,そのかわり手短に! はりあっぷはりあっぷ!
かおる:そーやって急かすからセリフが出なくなるんだろ!(笑) え,えーっと,じゃあまずフレイのとこにてててっと駆け寄って行って,
ジョエル:……「ごめんなさい」。
一同:(爆笑)
ジーノ:あなた「パパ」ですからーっ! 残念ーっ!(笑)
かおる:ち,ちっがーう!
ジョエル:え? 違うの?(笑)
かおる:ちがうー! ちーがーうーのー!
GM:(笑いをこらえつつ)この場合,あんまり変わらないんじゃないの?
フレイ:(妙に爽やかな笑顔で)せやなぁ。
かおる:……ひょ,ひょっとして和兄ちゃん怒ってる?
フレイ:(笑顔)いやいや。ええんよ,別に。
ジーノ:(頷きつつ)実際にかませ犬みたいなもんだしねえ?
かおる:がーっ! 戦線離脱男は黙ってろーっ!(笑)
ジョエル:(爽やかに)俺は気にしてないよ,かおる。
かおる:え?
ジョエル:だって乙女ゲーって,そーゆーシステムだもんね。
一同:(爆笑)
かおる:…………。あのー。
GM:それはともかく,早くしてくれないかな。門が消えちゃうよ? 消えちゃうよーん?
かおる:あ? え,えっと?
ジョエル:(手を挙げて)あ,じゃ先にアクション起こそうかな。
かおる:はい?
ジョエル:そっとかおるに近寄って,うつむいて……袖を掴もうとしてやめる。
かおる:……ぐうっ!?
ジョエル:で,顔を上げ,泣きそうになりながらも必死に笑う。……今までありがとう,かおる。楽しかったよ。
一同:「弟爆弾」キターーーーーーっ!?(爆笑)
ジーノ:いっやーっ!? やっぱジョエルかわいいーっ!?
かおる:……う,ううっ……お,お姉さんには君の顔が正視できないよ……。
ジーノ:はい,お義母さん! あなたがいらないならジョエル俺にください!
GM:だからおまえは黙ってろ!(爆笑)
かおる:え,えっと。萌えたので。う,うん,おまえも元気でな,とかいいながら頭撫で撫でしてあげよう。
ジョエル:嬉しいけど,ちょっと悔しい。で,さらに泣きそうになりながら,ぐっと目をこすってフレイを前に押し出します。ほら,おまえも何か言えよなっ。
フレイ:……じゃあ黙って軽く抱きしめて,ぽんぽんと背中を叩きます。
かおる:か,和兄ちゃん。あのね……。
フレイ:ええんよ。何も言わんで。今までようがんばったな。……とか言いつつ身を離し,逆にかおるの頭を撫でます。
一同:今度は「お兄ちゃん」キターーーーーーーっ!?(ひたすら爆笑)
いやしかし。……ノリのいいパーティでお姉さん嬉しいよ(笑)。
かおる:……う,ううっ。
フレイ:(にこっと笑い)また,向こうで会えたらええな。……わい,そう祈っとるわ。
かおる:うううっ。フレイ兄ちゃんやっぱ優しい……。
フレイ:そうですか。こことそこがそーなってるってのは,さすがにわかりますからね。
一同:(またもや爆笑)
かおる:あううううううっ!?
フレイ:だから微笑んで言うんですよ。……幸せにな,って。
かおる:みーーーーーーーーっ!?
GM:顔で笑って心で泣いて(笑)。
ジーノ:男だね。
フレイ:(サワヤカ〜に頷いて)フラレ男は潔くいかなきゃです。
かおる:……あ,あのさ,和兄ちゃん。
フレイ:なんや?
かおる:あ,あのね……私,和兄ちゃんが元気でいてくれて,ホントに嬉しかった。
GM:でもフるけどね。
一同:(大爆笑)
かおる:があああああああああっ!? どうしろっていうんだよーーーーーーっ!?(絶叫)
ジョエル:いやいや。仕方ない仕方ない。乙女ゲーだから(笑)。
ジーノ:(頷きつつ)そっかー。乙女ゲーって,男の目から見るとこーだったんだなー。
GM:ギャルゲーを女の視点から見てもこーだから,いいんでないの?(笑)
かおる:ともかくっ! ここで2人を一緒にがしっと抱きしめまして! ……向こうの世界でも,また会おうなっ。
フレイ:ああ。
ジョエル:俺も,待ってるよ。
かおる:うん。きっと,また……。
GM:…………。
かおる:…………。
一同:…………。
ジーノ:はい,じゃあ本番どうぞ?
一同爆笑。しばし転げ回って笑う。
かおる:…………。
ジーノ:あれ,どしたのかおるちゃん? ほら本番だよ?
フレイ:わいら別にかまへんでー。
ジョエル:ちゃんと見て見ぬふりしてやるから。な?(笑)
かおる:……お・ま・え・ら。さっきから私で遊んでないか?
一同:いやいや。そんなことは。
かおる:あるだろ!? そんなことあるだろ!?
GM:はいはい,そんなわかりきったことはどうでもいいから。続き続き。
かおる:……なんかもうすでに,すっごく疲れたんですけど。
GM:何言ってんの,ここからが本番でしょ? それとも省いていいわけ?
かおる:いや,それはやだ。……じゃあ最後に,きっと端に立っているであろうティーグルの元に駆け寄ります。(上ずった声で)てぃ,ティーグルっ。
ティーグル:……なんだ。
かおる:あっ,あのさ。これ,持っててくれないかな。
ティーグル:…………。と,指輪を渡すわけか。
かおる:あ,あの,よかったらでいいんだけどさ。
ティーグル:…………。いきなり指輪を渡されても,な。これは何だ?
かおる:あ? あ,そっか。(しばし考え)あ,あのさ。これ,さっきメルクリオにもらったんだけどさ。この指輪をつけていれば,お互いのこと忘れずに済むんだって。
ティーグル:……そうか。
かおる:わ,私は……その,おまえのこと,忘れたくないんだ。
ティーグル:…………。
かおる:……いや。その,嫌,だったら,いいんだけどさ。その,私は……向こうの世界に戻っても,おまえに会いたい!
ティーグル:…………。
かおる:……あの。迷惑だったら,一度だけでいいんだけどさ。その……私が勝手に覚えているだけでも,いいんだけど……。
ティーグル:…………。
かおる:…………。あ,あの……。
ティーグル:…………。
GM:? 虎さん?
ティーグル:(マイクで拾いきれないほど小声で何か言う)
GM:は? 何? 悪いけどもうちょっと大きな声で……。
ティーグル:(小声で)……いや。どうしようかな。
かおる:ふざけんなてめーーーーーーッ!?
一同:(爆笑)
かおる:「どうしようかな」って言った! この人今,「どうしようかな」って言った!(泣)
GM:そうそう,言い忘れてたけど。
かおる:今度は何!?
GM:……虎に拒否権はあるんだよな。
一同:(再度爆笑)
ジーノ:やっぱり俺はロゼがいい,とかゆって?(笑)
かおる:ここまでさせといてそれかーっ!?
ティーグル:いやいや(笑)。今のプレイヤー発言だから,
かおる:プレイヤーが拒否かよっ!?
一同:(大爆笑)
ジョエル:あんたそれは一番ダメでは……(笑)
ティーグル:いやいやいやいや(笑)。
GM:どっちなんだよ。
「いやぁ……」の男健在。
GM:で,結局どうすんのよ(笑)。
ティーグル:いや,だから黙って指輪を受け取るよ。
かおる:あ,そなの?
ティーグル:(低く)次の世界で会おう。その時にまた,な。……と差し出されたかおるの手首を掴んでですね。騎士の礼ですね。
一同:(またもやしばし沈黙の後)おおおお〜〜〜〜っ!?
GM:手の甲にキスですか。そうですか。
ジーノ:きゃーっ!? ちょっと奥様,聞きましたーっ!?
ジョエル:虎さんカッコイイーっ!(笑)
フレイ:うむうむ。ある意味マウス・トゥ・マウスよりも萌えですのう。
かおる:お……あー……えっと,手の甲にキスってことは,今虎さん少しかがんでるよね? じゃあ首に手回して飛びつきます。で,耳元に「……ありがと。」とか言ってみちゃったりして……。
ティーグル:……おまえのおかげで俺は救われた。こちらこそありがとう,だな。
かおる:ティーグル,私,私ね,
GM:(手を叩いて)はい,そんなところで!
かおる:わ!?
GM:先ほどから少しずつ開きかけていた扉が音を立てて内側に開きます。で,世界が真っ白に染まります。
かおる:あれ? ちょ,ちょっと待って?(笑) もしかしてエンディング?
GM:そう。えー,ではそんなところでエンディングにいきたいと思いまーす。
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