透明で色の付いた鉱物は、美しい宝石として加工されることが多いですが、鉱物の色の
物理的性質についても面白いものが多々あります。
(1)アレキサンドライト(下の写真は人工合成のもの)
この鉱物は、その独特な発光、吸収スペクトラムのために、白熱灯と蛍光灯を当てたとき
の色が多きく違います。レーザー発光体としても使われています。
白熱灯下:赤紫色 蛍光灯下:青紫色 紫外線短波(ブラックライトUV)下
:緑色
紫外線長波(ブラックライトIR)下:赤燈色
(2)テレビ石
この鉱物は、細かいファイバーからできているので文字が浮き出てみえることからテレビ石
と呼ばれてます。正式名称はウレキサイトです。似たような現象は石膏の透明結晶でも起こ
ります。
テレビ石(上)と人工水晶(下) さらに、石膏結晶(右上)も加えた。
×印が前者についてのみ浮き上がっている。 やはりこれも浮き上がる。
テレビ石にレーザー光を入射させると起こる
謎の同心円(2重)。はっきりした理由は私に
はよくわかりません。
(3)複屈折(方解石と菱マンガン鉱、ともに購入したもの)
屈折率が方向によって異なるために、物が二重に見えるのが
複屈折です。最も有名なのは方解石で、菱マンガン鉱も同じ性質
を持ってます。
方解石の複屈折(+が二重に 方解石に入射したレーザー光 菱マンガン鉱の複屈折
見える) も2つに分かれる (見にくいが、下のー線が
2重になっている)
(4)ブラックライト
紫外線を当てると、鉱物の中には色を変えるものが数多くあります。これは
多くの場合、不純物の効果によるもので、産地によって色が変わらない場合
もあります。蛍石、ジルコン、燐灰ウラン鉱など。 ->ブラックライトの部屋へ
(5)その他
ムーストン:光の当て方で、普通は透明(左)だか、青く光る角度がある(右)。
あとラブラドライトなど