セキララ 入 院 日 記

(注:時刻は24時表記に統一してあります)

 2000/9/27(水)1日目・初日

 今日から入院生活が始まりました。明後日の手術までは何をするわけでもないので、初日から只々ひまでございました。9時に病院入りし、すぐに寝間着に着替えて、10時前には旦那も帰ってしまい、ひたすら時間が過ぎるのを歯を食いしばって(笑)耐えていました。

 4人部屋の廊下側で、昼間でもなんだか薄暗く、廊下の方が明るいなんて・・・・だんだん気持ちも鬱々としてくるのでした。ただでさえ、内向き気質なのに、初日からこれでは思いやられます。(PowerBookがあって本当に良かったよ)

 同室の方はみなさん年配の方で、みなさん気持ち悪い〜とか吐きそうとか言っていて、みなさんカーテンを閉めっぱなしなのです。私ひとり元気でいたたまれない、というか「もらいゲロ」しそうで怖いよ〜(泣)。

 ところで入院一番に採血した結果、γ-GPTが高いってことで、明日は内科に受診することになったようだ。風邪薬の飲み過ぎで、肝臓壊れたかしらん?

 2000/9/28(木)2日目・手術前日

 今日はいろいろ忙しかった。午前中に下剤を飲む。これが粉末で水に溶かして飲むんだけど、むちゃくちゃ甘くて、味が濃い〜のなんの、参りました。で、効きだしたのがお昼食べてから。途中、内科外来に呼ばれたりして、大変でした。夜まで腸がピクピクしてたので、夜の浣腸は見送られました。手術前で必要な処置とわかっていても、これらはいや〜んな処置よね。

 そうそう、肝臓は特に問題はないようです。とりあえず入院中は経過観察っつーことで落ち着きました。よかったよ。やっぱり風邪薬のせいでしょう。

 2000/9/29(金)3日目・手術当日

 いよいよ手術です。朝いちの9時手術なので、朝6時にたたき起こされ、起き抜けに「浣腸!」。あ〜ぁ、慣れないです(トホホ)。手術着を着て、ストレッチャーに乗って、麻酔が効きやすくなる注射をされる。トロトロになってきたところで旦那登場!前夜徹夜で地下鉄の駅を乗り越したらしい。

 で、手術室に出発。ストレッチャーで運ばれていく。入り口で名前の確認をされる。手術台で硬膜外麻酔をするため、背骨に針をごりごり入れられる。身体の固い私に背骨をエビのように丸くしろと言われても、そりゃ無理難題だ(苦笑)。何回も刺されて痛かったが、最後にお偉そうな先生にごりごりっとやられておしまい。その後は覚えていない。

 いきなり、名前を呼ばれて起こされる。終わった模様。ストレッチャーに乗せられ、病室に戻る。病棟に入るとき、朦朧とした意識の中で、待たされていた旦那とお義母さんと姉ちゃんを確認。少し時間がかかったらしい。酸素をはずしてもらってからは、お腹の傷の痛みよりも、横になってて腰やら背中やらが気持ち悪いらしく、何度も寝返りを繰り返し、その都度姉ちゃんに背中に枕を入れてもらうなど世話してもらった。しかし、その姉ちゃんが仕事で帰った夕方からは自力で、ジタバタと七転八倒していた。この様子を見て担当医の一人は、「すごい、驚異的な回復ぶり。もうそんなに動けるなんて」と言っていたが、周りはババばっかりだから余計そう思っただけだろうと推察。

※旦那が摘出された卵巣嚢胞2個と子宮筋腫2個をデジカメで撮ってくれたので、
 見たい(物好き)方はこちらへ→<
写真> 

 2000/9/30(土)4日目・術後1日目

 背中から入れる鎮痛剤がどうにも私の血圧を下げてしまうらしく、使用断念の模様。ボルタレン(別の種類の鎮痛剤)の座薬に切り替えられる。そして、「今日から歩きましょう」とのことで、いきなり尿導管を抜かれる。普通は手順として「ベッドからトイレまで歩いて行けることを確認」してから抜くと説明されていたのに、歩かされることなく抜かれ、4時間ごとにトイレに行くよう指示される。しかしその後、最初の1回は看護婦がトイレまで付いて行かなくてはいけないので教えるようにと言われた。

 満を持してトイレコール。看護婦がトイレまで付いてきたが、着いたとたん「帰りは一人で大丈夫よね」とばかり、さっさと帰ってしまった。そして、術後初おしっこ。・・・?・・・!!・・・・い・痛〜〜〜いっ!(涙) なんじゃこりゃ!と思ったね。膀胱が小さくなるにつれ、周りの器官(つまり手術でいじった子宮や卵巣のあたり)が巻き込まれて、こうキュ〜〜〜〜っと絞られる感じで、むちゃくちゃ痛かった!しまった、こんなにため込まないで、こまめにトイレに行けば良かった。後悔先に立たず。でもトイレ回数をこなすうちに、そんな痛みもどんどん軽減されていくのであった。

 2000/10/1(日)5日目・術後2日目

 夕べ夜中にトイレに起きたとき、1時に起きたときは、痛かったけどまだ動けた。でも4時に起きたときは30分位決意をためてから、廊下をはいずるようにようやく行けたというくらい傷が痛くて動けなかった。よく考えれば、前日の10時に座薬を入れたきりだった。「そんなに我慢しなくてもいいのに」といわれ、7時半頃また座薬を入れてもらった。朝、熱があったので解熱効果もねらう。

 昨日の夜にガスが出たので、今日のお昼から食事が出る。まずは「重湯」から。
・・・・・わびしいメシです。胃だけが元気で、グーグー鳴るので余計につらかった(苦笑)。

 前日の経験から、夜、寝る前にも鎮痛剤の座薬を入れてもらう。安眠できたよ。

 2000/10/2(日)6日目・術後3日目

 朝ご飯から3分粥になる。どうやら2回ずつで、食事が上がっていくらしい。案の定、夜ご飯は5分粥だった。しかし、3分粥に挽き割り納豆と大根下ろし、牛乳とビスケット2枚という朝ご飯の献立はどうかと思う。不思議なものを見たよ(笑)。

 術後の検査で貧血が問題ありということで、鉄剤の点滴が1本増えた。

 ガーゼ交換の折、「洗髪くらいならいいよ」と担当医からお墨付きをもらったので、午後、点滴が終わってから速攻で、旧館の1階にある美容院へ駆け込む。実は私は人に洗髪してもらうのが結構好きなのだ。結婚前はよくシャンプー・ブロウだけしてもらいに唐突にその辺の目に付いた美容院へ行ったものですよ。で、自分で洗うには前屈みになるのがまだつらいし、今日は調子もいいし、とりあえず行ってきました。・・・が、すごいアンティークなセットをされてしまいました。今時「聖子ちゃんカット?」と言いたくなるようなものすごいブロウ!しかも髪パリパリ。・・・おばちゃん、セット剤使ったね?     やられました。

 2000/10/3(火)7日目・術後4日目

 なんか今日は1日中、頭痛がして、寒かったり暑かったりと変な調子でした。夜の検温(19時)で37.3度。いや〜んな感じ。

 こんな頭痛、家にいたら「冷えぴた」で治しちゃうのに〜〜って思っていたら、見舞いに来てくれたお義母さんが、わざわざ外の薬局から大人用6時間冷えぴたを買ってきてくれた!(嬉)。ありがとー、お義母さん。おかげで夜は眠れたよー。

 ご飯は5分粥から7分粥へ。明日は朝から全粥になると思う。

 2000/10/4(水)8日目・術後5日目

 朝から調子悪い。6時の検温で37.7度。朝食もそんなに食べられなかった。何でそんな熱が出るかね〜?と医者にも首を傾げられ、とりあえずこまめに検温したら?といわれたのでそうしてみた。

6:00

37.7度

起床時、朝の検温

14:20

36.4度

採血

8:35

36.0度

朝食後、快調

15:05

36.5度

頭痛、寒気

8:55

36.7度

ぞくっと寒気

15:30

37.2度

ガーゼ交換

10:50

37.4度

17:00

38.5度

12:00

38.1度

冷えぴたを貼る

18:00

38.1度

冷えぴたを貼る

13:30

37.3度

19:00

37.1度

14:00

36.8度

昼の検温

19:30

37.1度

 どうにも熱が下がらないので、急遽採血。そして、ついに寝る前に水だけの点滴を2本することになった。飲み薬の抗生剤を処方したと聞いたが、寝るまでには届かなかった。

 2000/10/5(木)9日目・術後6日目・手術その2前日

 前夜の水の点滴が効いて、朝には熱が引いた。改めてヒトには水が必要なのだと実感。これで明日の手術が行えるってもんです。で、朝食後にもう1本、水の点滴と鉄の点滴をする。夕べ来なかった薬もやっと来たので1カプセル飲む。どんな抗生剤が来るかと思っていたら「ダンリッチ」でした。

 手術前なので、今回も10時に下剤を飲む。点滴を付けたままだったが、前回の経験から午後には下剤が効いてくると思い、熱も下がっているし、担当医にはやめろと言われたけど、今の内にとシャンプーしてもらいに1階の美容院へ行ってしまった。今回はシャンプーのみ!ああ、さっぱり(笑)。でも、良く動いたせいか、下剤の効き目が前回より早く、焦ってしまった。今回は夜19時過ぎに浣腸されました(涙)。かなりお腹の上から急降下が始まり、ものすごい脂汗をたらし、かなり消耗しました。やっぱり、いや〜んです(涙)。

 2000/10/6(金)10日目・術後7日目・手術その2当日

 さて、今日は腹腔鏡の手術です。先週の手術の後で癒着とかしてないか、卵管はちゃんと通っているかを調べる手術です。前回と同じく朝の9時の手術なので、6時起き抜けにまた浣腸(涙)。

 例によってトロトロになってから手術室へ出発。今回は全身麻酔だけなので、手術台に乗って心電図のセンサー付けて、点滴の針を腕に刺されたあたりまででフェードアウト。今回は病室に戻ってからも、いつまでも頭がくらくらしてました。ずーっと昏々と寝てました。やっと意識らしい意識が戻ったのが17時。(注:もちろんその間の看護婦さんとのやりとりや、お義母さんとの会話など起きていたときの記憶はちゃんとあった。でも地震は覚えてなかった)それでもまだ頭がくらくらしたいたので、今回の麻酔はきつかったんだなと思いました。どうやら私は麻酔がかかりやすいらしい。

 私がグルグルしている間に同室の方が2人、外泊でお家へ帰ってしまった。連休だもんね。

 2000/10/7(土)11日目・術後8日目・術後2-1日目

 朝、再び鼻血が出る。夕べの残りか?今回は手順通り、丁寧に尿道管を外された(笑)。歩くのにかなり傷が痛かったため座薬を使う。看護婦さんも朝〜寝る前まで「痛かったらいつでも言ってね。痛み止め使うからね」と言ってくれて、ありがたかった。

 最後の同室の方も外泊でお家に帰ってしまわれた。ついに4人部屋で1人!個室気分〜♪

 2000/10/8(日)12日目・術後9日目・術後2-2日目

 朝5時にトイレに起きる。かなり歩くのに痛みがきつかったので、起床後検温に来た看護婦さんに痛み止めをもらおうと申請したら、思いっきり却下された。哀しい。その後別の看護婦さんも来て、さらにダメ出しをもらう。さらに哀しくなる。衝撃の余りすっかりしょげ返って涙してたら(笑)最初の看護婦さんが来て、座薬を出してくれた。この変貌ぶりが不可解。当直のドクターもでてきて、腸が心配だからレントゲンを撮ることにしたと言いに来た。なにやら大事(おおごと)になってきた気配(汗)。レントゲンの結果はもちろん白。腸が悪いなんて一言も言ってないのになぁ・・・。

 昨日、早めにガスがでたので今日の朝からご飯が出た。もちろん重湯からだけど、今回は腹腔鏡なので、1食ずつ食事が上がっていくんだって。もうお米に飽き飽きなので早く常食に戻りたいぞ。

 午後になって旦那が来てくれた。その後、OKBさんとキャプテンがお見舞いに来てくれた!二人とも独身男性なのにこんな婦人科病棟まで来てくれるなんて感動だよっ!感謝、感謝なのであ〜る。

 夜、急に冷えたのかお腹をこわしてしまった。お布団1枚増やして冷え対策。暖かくして寝たら、夜中に暑くて目が覚めた。

 2000/10/9(月)体育の日 13日目・術後10日目・術後2-3日目

 体育の日だというのに朝から大嵐である。今日運動会を予定していたところは全滅なんじゃないだろうかと、他人事ながら心配してしまった。

 傷は痛むけど、歩行に支障があるわけではないので痛み止めはもらわないことにした。「頼みにくくなちゃった?」と担当医に心配されてしまったが、そんなわけではない。今日は比較的元気だし、休祝日は1階の美容院もお休みなので、自分で洗髪することにした。なんとこの病棟にはシャワーはダメでも洗髪だけできるような洗面台(シャワー台?)があるのだった。あぁ、さっぱり。

 午後になって旦那がお義母さんとやってきた。お義母さんはそろそろ私の禁断症状が出るだろうとアールグレイの茶葉とティーサーバーまで(!)持参してきてくれた。すっげーうれしい!紅茶はBrookeBondのティーバックをいくつか持っては来てたけど、やっぱりアールグレイの茶葉にはかなうまい。さすがだ。

 夜に同室の内の2人が帰ってきた。今夜は3人だ。残りの1人は明日の午前中に帰ってくる予定。

 2000/10/10(火)14日目・術後11日目・術後2-4日目

 入院してから初めてのパン朝食がでました(感涙)。お米じゃないご飯が嬉しい。パンが食べられてものすごく嬉しい!

 今日の予定は採血と退院前診察であ〜る。これにパスすれば明日退院できるのである。ネックは「貧血」。どういう訳か最初の術後から血色素が8台に落ちているらしく、毎日鉄剤の点滴の嵐だった。これがせめて10台に乗らないと教授は「うん」と言わないらしい。

 担当医が抜糸の後、ようやく腹腔鏡手術の時のビデオを見せてくれた。聞いてはいたけど、お腹の中はとてもきれいで良かったです。青い水が卵管を通るところや筋腫を取ったところの子宮が見られました。朝の採血の結果も出て、血色素は9.7ということで、鉄剤を14日分処方して無罪放免となるようです。やれやれ。

 2000/10/11(水)15日目・術後12日目・術後2-5日目・退院

 ついに退院の日が来た。傷口のガーゼがはずれたので、久しぶりにシャワーを浴びる。気持ちいい(嬉)。婦長さんが入院費の請求書を持ってきた。よく考えたら、この日初めて婦長にあった気がする。病院に入っている銀行のCDでは預金が下ろせないので、外の銀行まで行くことにした。普段なら病院から5分とかからないその銀行までいくのに、ものすごく時間がかかった上にすごいシンドイ。病院内では大分元気になったつもりだったが、こんな調子じゃまだまだと痛感。開腹手術ってやっぱりすごく消耗するんだなぁ。ちょっと動くともう辛い辛い(涙)。先が思いやられるってもんです。

 ま、何はともあれお家に帰って来れて嬉しいです。2週間は仕事もしちゃいかんと釘を差されたので、ゴロゴロしようと思いますって言うか、それ以上はなにも出来ないでしょう。


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