本場の味を伝える 最終更新日

2001.8.1
クリスティーナの
スペイン家庭料理教室
スペイン料理といえば
パエージャ<Paella>
次ページ(カタクチ鰯の酢漬け)に進みます。
スペイン料理といえばこれ、パエーリア(スペインではパエージャと発音する)はあまりにも有名です。一般にお米を使った料理はスペイン全土にあります。基本的には具を炊き込むもので、1)水気がなくなるまで炊き込む物と、2)おかゆのように汁気をのこすもの(いわゆるリゾット風)でスペインではArroz Caldoso(おじや)と呼ばれます。北フランスでは米は野菜として扱われ、サラダの種に使われますが、地中海地方ではみな同じような使い方をするようです。
パエジャの種類はどれほどあるかとよく聞かれますが、それぞれの地方や家庭が自分の定番を持っており、品数を決めるのは大変というよりは正しくないとおもいます。ここでは本場の味を、家内クリスティーナの作り方でご紹介します

一番ポピュラーなものが、バレンシア地方で食される数種
1)野菜造り:さやいんげんやソラマメに、鶏肉か豚肉を加えるもの
2)カタツムリ入り:アーティチョーク(朝鮮アザミ)やソラマメ、さやインゲンとカタツムリを煮込むもの 
3)海鮮造り:蝦類、貝類と,烏賊などを入れたもの

最近スペインではやりの具なしパエージャはArroz a Bandaと呼ばれ、魚介類のだし汁で炊き込み、具は別皿で供されます。これは元来AlicanteMurciaという地中海沿岸の漁師が市場価値のない魚を使い作ったもので、今では食べやすさと味の良さで高級料理の仲間入りをしています。

またカタルニア地方でよく食べられるArroz Nergo(黒いご飯)と呼ばれるイカの墨煮のパエジャは、イカの身と蝦が少し入る程度で、やはり近頃全国的に知られてきた料理です。

Arroz Caldosoは、よく知られているのは、兎肉で炊くものとイセエビかオマール蝦のぶつ切り(鉈切り)のおじやがあります。

パエージャの完成品です。独特の薄いお鍋を使いますが、なければ普通のフライパンでも充分です。 上記いずれのケースにしても、パエジャはワインとの相性がよく、前菜に使ってよし、メインに使っても良い融通性の高いもので、スペインの家庭料理としては、最も親しまれている料理です。

日本人のお口に合いやすいパエージャを選んで作ってみましょう。  
魚介パエージャ
用意する材料は次の通りです。<4人前>
  • 米                        4カップ(200cc)
  • よく熟れたトマト             2個
  • グリーンピースまたは鞘インゲン     100g
  • 玉ねぎのみじん切り(中サイズ)     1個
  • いか   一ハイ(皮をむき、胴はリングに切り、脚は細切りにする)
  • 芝蝦(小型の車えびでも良い)剥き身 150〜200蝦の殻は捨てずに残しておき、出し汁に使います。)
  • アサリ (砂出しをします)          200g
    *ムール貝(あれば) 150gほど *テナガエビ(なければシャコでも良い)4
  • 赤ピーマン(事前に茹でてやわらかくしておく) 1
  • 調味料(*オリーブオイル 4 サフラン、ターメリック粉または黄色の食用添 少々 *食塩少々)                       
  ←材料 さあ!パエージャの出来上がりです。ワインとは合性が良いので欠かさないようにしましょう。

さあ!パエージャができあがりました
<道具>  大型のフライパンとフライパン全体を覆える大きさの大き目の布巾を用意します。
<下ごしらえ>
  1. ムール貝(殻を良く洗った後)と蝦の殻を約1Lの水で煮立てて出し汁を作ります。
  2.  開いたムール貝は身のついていない殻の方はダシガラと一緒に捨て、身の付いた殻の方を残します。
  3. お米は洗う人と洗わない人がいます。洗わない方が美味しいだし汁が良くしみ込むと言われています 。私の家ではどがとがずにざるで水を通すだけで、水がきれいになったら水切りをしています。最近の無洗米を使っても良いでしょう。
<作り方>
  1. フライパンにオリーブ油を大さじ4杯入れて火にかけます。(中火で料理の間中最後まで通します。)
  2. たまねぎのみじん切りと、トマトをおろし金で擦り汁だけをしぼりり混ぜ合わせ、塩一つまみ加えてよくかき混ぜながら5分ほどいためます。
  3. たまねぎが半透明になった頃、グリーンピース(または莢インゲン)を入れて2〜3分後に、
  4. アサリ,イカ,むきみ蝦を加えます。塩を一つまみ加えて,火がまんべべんなく通るようによく混ぜます。
  5. アサリが開いた頃に、お米を入れ、色粉(黄色)をいれて良くまぜます。全体が黄色く色づけをします。もし色粉がない、またはサフランのみで色づけしたい場合は、次のステップへ移ります。
  6. 前もって用意しただし汁を全部、注ぎこみ、サフランを一つまみ(5〜6本)入れてよくかきまぜます。
  7. 煮立ち始めた頃に飾りのテナガエビまたはシャコ、を盛り付ける要領でいれます。
  8. これから約1520分水気がなくなるまで煮ます(絶対にフライパンに蓋をしないこと!)
  9. 途中でお米の炊き具合を試してみます。まんべんなく火が通るように、時々フライパンを前後左右にゆすり、堅そうであれば、継ぎ水をしてください。しかし、お米がやわらかくなり過ぎないようにくれぐれも水は控えめにしてください。多少芯が残る感じが通といわれています。
  10. 水気が無くなったところで、火を止めます。予め用意したムール貝、赤ピーマンの短冊を上に盛り、飾り付けます。
  11. 水で堅絞りにした布巾でフライパンを覆いあと蒸しし、そのまま約2〜3分おけば出来上がりです。
材料が購入できない場合は、他の好きなもので代用してください。イセエビやオマール蝦などを使えば、ちょっと贅沢な最高級レストランの雰囲気を楽しめます。
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