Shanghai Tour Report

The Rolling Stones Opening Actレポート
〜LIFE ON EARTH上海ツアー〜

これまでもLOVE PSYCHEDELICOの国内、全米ツアーやエアロスミスとの共演など、さまざまなステージをグルーヴさせてきた山崎彰が、日本人ドラマーとしては初めて、ローリング・ストーンズのオープニング・アクトを飾った。
それはローリング・ストーンズ・ビガーバン・ツアー、日本公演の直後の2006年4月8日、中国・上海公演のオープニング・アクト。そこで演奏したLIFE ON EARTHは、ブライアント・マックニール(vo&b)、金本宙育(g)、山崎彰(d)のスリーピース・ロック・バンド。ニューヨークで活躍してきたブライアントのコネクションから大きな縁とチャンスに恵まれ、ミック・ジャガー氏が我々のCDを聴いて即OKの答えを出したことから今回の契約に至った。


●2006/4/6(木)
上海へ向けて出発。意外と平常心でいつものステージへ出かけるように、メンバー、スタッフと共に成田へGO!

寒の戻りで長持ちした桜が、咲き誇るように最後の美しさで我々を送り出してくれた。日本に生まれた良かったと感じた瞬間だった。
チャイナ・エアラインの機内から見る上海の上空は1年半前に来たときと同じ景色。広い大地と上海郊外の住宅地を見ながら、「あ〜来たな〜!」ワクワク感が盛り上がる。


      上海に到着


 迎えに来てくれた現地スタッフの車で走るハイウェイの景色はなんだか懐かしい。

我々の泊まるホテルは本番の会場のすぐ前、上海体育館内のホテル、リーガル・シャンハイ・イースト・ホテル(上海富豪東亜酒店)。ここは上海で最も大きい8万人収容の大競技場の中にあるあるホテル。最上階の12階にあるラウンジからは競技場内が一望できる。

上海体育館は様々なイベントの会場としても使用され、宿泊中もいろんなイベントが開催されていた。ここはスイミング、バドミントン、〜カラオケまで充実の体育施設。そしてレストランやショッピングセンターまで入っている。

夕食後、ブライアント(以下Bチャン)&スタッフとコンビニ目指してウォーキング・タイム。いろんな話しをしながら、上海初日の夜の散歩を満喫。今までもスティングやその他のステージで大きな会場も経験しているけど、自分のバンドでこんなビッグなステージは初めてだ、というBチャン。俺も全く同じ、「自分のバンドでは初めてだよ〜!」二人とも同時に鳥肌が立つ! やったるで〜! 

僕たちは2年前にお互い何気なく参加したセッションで運命的な出会いをした。
Bチャンはずっと相棒になるドラマー探していた。でもなかなか見つからず、その日も乗り気はしないけど、友人に勧められてあるセッションに参加。そこで僕と出会った。セッション後少し話してアドレス交換。翌日早速Bチャンの奥さんから電話が掛かってきた。一緒にやろう。近いうち逢いたい! セッションから帰宅したBチャンは興奮して、すごいドラマーに逢った、明日すぐに電話してくれ〜! って奥さんに言ったらしい。
上海の夜の歩きながら走馬灯のようにいろいろ思い出す。

12時を過ぎても開いてた果物屋でBチャンがバナナ、ドラゴン・フルーツなどをゲット。

●2006/4/7(金)
上海2日目は、朝食後に明日の本場会場、シャンハイ・グランドステージの周り、そして街中をギターのキンチャンとウォーキング。

元々この日は、我々LIFE ON EARTHが上海市内のライブ・ハウスにてプレ・ライブの予定だったのだが、「ローリング・ストーンズが本番前日にシークレット・ライブをするらしい」っていう、デマが噂になってしまい、事故や混乱を避けるために急遽中止となったのだ。残念なことだが、かなりタイトなスケジュールだったため、このおかげで時間は有効に使えそうだ。

午後からインタビューが入った。取材に来たのはデイリー・シャンハイ・新聞の記者、アマンダ。彼女はニュージーランドから交換記者で中国に来て、まだ2週間の新人。ほとんどこのインタビューが中国での初仕事。1時間以上たっぷり取材。そして記事は翌日の朝刊1面に載った。しかしローリング・ストーンズの記事の最後4行だけだった…。

そらからホテルの部屋で明日のウォーム・アップもバッチリ!
1年半前、僕がRolandのショーで上海のミュージュック・チャイナに出演したときのスタッフだった中国人の友人と、中華で夕食。小籠包メチャ旨! 音楽と関係ない話しで気持ちもリラックスできて、明日は最高のステージができそうだ!

 テーブルにメニューは無く、サンプルや素材を見て注文する流行りのスタイル。


 上海の繁華街の徐家匯(じょかわい)は会場からすぐ。

 

●2006/4/8(土)

いよいよ本番の日。この日も早朝からウオーム・アップを兼ねてウォーキングだ。ホテル上の体育館といい、本番会場のグランドステージも会場内の別スペースでも朝からいろんなイベントが開催されているようで、人がメチャ多い。流石土曜日の上海。

そうこうしているうちにそろそろ集合の3:00PMだ!
さあ、ドッカーンとブチかまして、楽しんで来るぞ!!!

会場内のステージ・バック・ルームに到着。
世界一セキュリティーが厳しいと言われるローリング・ストーンズのコンサート。
撮影、録音は一再禁止。それはたとえ我々のものでもダメなのだ。楽器など少し撮影の許可を取ることはできたが演奏シーンの写真がほとんど残せなかったのが残念だ!


 僕らの楽器担当のスタッフは中国人のドラマーなのだ。
彼は現地リースのドラム・セットをバッチリとセッティングしてくれていた。感謝! シャー・ジャー・ノン!(上海語でありがとう)。そしてステージ袖で仮セッティングとチューニング。かなりイイ音になった。セットはTAMAスタークラシック・バーチ。シンバルはKジルシャン、ダーク・クラッシュ18"と16"、スイッシュ、Kライド。KハイハットとTAMAのブロンズ・スネアは持ち込み。

ローリング・ストーンズのサウンド・チェックはツアー・スタッフが最初演奏していた。結構いいサウンドしてるね。さすが。
17:00にローリング・ストーンズ本人達のサウンド・チェック、スタート。いや、やっぱりスタッフと存在感やグルーブが全然違うわ! コリャ凄い。
サウンド・チェックをステージ袖で見ることができた。うぉ〜! ローリング・ストーンズに対してはどんなミュージシャンもミーハーに成らざるを得ない!


そして我々LIFE ON EARTHのサウンド・チェックだ。広い会場はやはり気持ちイイ〜! ステージ・クルーたちはみんなナイス・ガイだしモニターもイイ音でやりやすい。

我々が曲を演奏し始めると、ローリング・ストーンズの大勢のスタッフ達から大きな歓声が揚がる。手応えも良い感じだ。しかしそんな我々のロック魂を感じて不機嫌になったのか?、ステージ・マネージャーが、「おまえらあまりヤリ過ぎるな! 25分予定のステージを20分にしろ」と言ってきた。これはまさに我々が Rock'n Rollだったという証に違いない! そして「時間をオーバーすれば切る」とまで言った。しかしそんなことでは俺達は動じない。曲によってはちょっとだけテンポを上げて、曲間も詰めて、予定していた僕の上海語での軽いMCもカットすることでGO! 上海語は結構練習したんだけどね…。

19:40 The Rolling Stones中国初の歴史的なステージのオープニング・アクト、LIFE ON EARTHのパフォーマンス、スタート。


最初から上海の観客たちの反応はとても良かった。
僕らのサウンド、そしてパフォーマンスは、チケットも完売だった8000席のシャンハイ・グランドステージ全体に確実に届いたのが、ひしひしを感じられた。おそらく25分近く演奏したはずだが、途中でカットされることは無かった。オープニング・アクトとしてはかなりの盛り上がりだったようだ。そして大勢の歓声を後にしてステージから降りるとき、大勢のローリング・ストーンズのステージ・クルーや、さっきのステージ・マネージャーまでが、「You are great!」と笑顔でみんなが答えたくれた。そして我々のステージが終わった。

しばらくしてローリング・ストーンズのステージが始まった。

やや端の方ではあるが、なんと最前列で見ることができた。生で見るローリング・ストーンズは初めて。それはまさにNo,1バンドであり続けることが納得できるライブ・パフォーマンスだった。ドラムのチャーリー・ワッツ氏のプレイも今まで僕が描いていたイメージよりも遥かに重くロックなグルーヴで、とても気持ち良かった。ベースのダリル・ジョーンズとのコンビネーションも最高。18曲のステージはあっと言う間に終わったように感じた。もう11時だ。
そして何もかもが忘れられない一夜となった。

その後、僕らも会場を後にし、宿泊ホテルのレストランで、LIFE ON EARTHのメンバー&スタッフで打ち上げ。


●2006/4/9(日)
本番翌日。午後にはもう帰路に就くので、ちょっと名残惜しい上海。この日もやっぱり早朝から散歩しよう〜!
上海体育館内の大型スーパーでお土産&ランチをゲット。


 帰路の上海市内は昨日までの良い天気が嘘のように雨。


帰りのチャイナ・エアラインはオーバー・ブッキングがあったため、ビジネス・クラスからファースト・クラスへ変更! ワオ〜、ラッキー! おかげで疲れる帰路も快適に過ごせました。

昨日はチケットが高価だったため、観客は外国人が多かった。3階席の300元(約4500円)から、最も高いアリーナ席の3000元(約45000円)は、上海市民一ヶ月の平均所得の2倍だそうだ。

中国国営TV局が録画していた素材には我々のものも含まれているので、オープニング・アクトの映像と音もいずれ手に入る予定です。
また、5/13発売のドラムマガジンにもレポートが掲載されます。


 セット・リストとバックステージ・パス

周りのスタッフもすべて外国人の中でいろんな情報が飛び交って、本番前日には楽器のセッティングなどにちょっぴり不安もあったのですが、大勢の方から頂いたメールのおかげでパワーをいただきました。みなさん応援ありがとうございます。
そしてThe Rolling Stones関係者のみなさん、上海公演を企画したEmma Entertainment関係者のみなさん、そしてLIFE ON EARTHの関係者のみなさんに感謝します。
Special Shanks:TAMA Drums. Roland. New Balance Tokyo. Designer Mr.Sato


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