四姑娘山 『幻の花』 を訪ねて       2007・07・06〜12



7月6日幻の花を訪ねて成田を出発中国成都(四川省首都)に向いました。
旅の最終目的地は 成都から西へ300kmの日隆(リーロン)まで行きますが。
現在、成都から西へのメイン街道、日隆(リ-ロン)の間は長きに渡って
道路工事の真っ最中です。
この影響でツアーを中止にしたツアー会社もありました。
通常、道路状況が良ければ成都から臥龍経由して日隆まで一気に
300km走破できるのですが安全度を考慮したものと思います。

2日目(7日)
今日は 成都から臥龍(ガリュウ)まで行きます。
臥龍は『パンダ保護センター』で有名です。

3日目(8日) 
今朝は晴、今日は長年待ち続けた幻の花に会うため
バスは8時に日隆へ出発しました。 郊外に出るに従い道は細くなりガタガタ道。
バスは道路工事と悪路の為、何回も退避と停止の繰り返して西へ向います。
海抜約2000mの臥龍から4600mある巴朗山(バロウシャン)峠を超えなければ
日隆(海抜3200m)には到着しないのです。

11時頃突然バスは停車しました。我々のバスが現場を通過する5分ほど前
崖崩れが起こり道路を遮断したのです。数十メートル先の崖のからは土石が
ザラザラと崩れているのも確認できました。
不安が過ぎりました。ここを通過できなければ幻の花、
そればかりではなく沢山の花々にはめぐり合えないのだと。
今日中に開通、通過しなければこのツアーも中止になるとの話しも出ていました。
一時間ほどしたら下流の方からバケット車や、ユンボが復旧に来てあっけなく開通。
 


四姑娘山山域辺りで見られるブルーポピーはメコノプシス・ラセモサと言い
ケシ科メコノプシス属になり一茎多花の植物です。

20世紀初頭チベットでイギリス人により発見されて圧倒的な人気になり
『ヒマラヤの青いケシ』で有名になりました。チベットのブルーポピーは
メコノプシス・ベトニキフォリアと言います。
数十年前にも展示会で初めて日本にやって来て大行列になった事も有ります。
最近では日本のあちらこちらの植物園でブルーポピーの仲間が成育され
見ることができる様になりました。

 

7月7日 臥龍 大熊猫保護センター    

バスは徐々に巴朗山峠へと高度を稼ぎます。4000mを過ぎる頃から樹木は一本もなく
岩山と草原が広がり始めました。 
草原には赤、黄、白い花々が咲き乱れているのが車窓より見えます。
巴朗山峠(4523m)に近づくに連れて霧から雨模様になってきました。
無事高山病もなく峠を通過 あたりの草原、ガレバ地帯にはサクラソウ、
赤や黄色のケシ、アツモリソウなどの花々が雨霧の中に咲き乱れている。


 

ツリフネソウ 

日本産と同じようだ

がけ崩れで停滞中 路端で

11時半 道路復旧車到着

崖崩れ現場 通過中も ザラザラ
崩れてました   バス車窓から
                12:05

巴朗山峠への登り道 3000m辺り
高山植物が沢山見え始める

巴朗山峠無事通過 日隆(リーロン)への道
道々に沢山の高山植物が『熱烈歓迎』



雨霧に霞む草原に、雪、雨、風に耐え可憐に咲く『幻の花・ブルーポピー』を見付けた時の
忘れることのない感激のワンショットでした。
4000mでの希薄酸素で息が切れ足場も悪くシャッターを切るのが精一杯でした。
 
極寒の冬を乗り切って凛々しく咲くその花姿。晴天の空のような色をした青い花びら、
黄色い雄蕊、棘がいっぱいの蕾、雨に打たれてうな垂れる花の姿は妙に色っぽさが有りました。


程なく添乗員がフラワーウォッチングを開始する為バスを路肩に停車させました。

感激はほんの数分でした。バスは無情にも下山時間の為
今夜の宿泊地、日隆(リーロン)へむかいます。  終

フウロソウの仲間
(ゲラニュウム・モウピネンセ)

    ブルーポピー

メコノプシス・ラセモサ

アツモリソウ  花のかんざしを挿してます
キプリペディウムの一種

アジュガ・ルプリナ(シソ科)

花々の咲き乱れる草原

赤いケシ メコノプシス・プニケア
 

黄色いケシ メコノプシス・インテグリフォリア

赤いケシが咲き乱れている

サクラソウ(プリムラ)の仲間

メコノプシス・インテグリフォリア

メコノプシス・ラセモサ(ブルーポピー)
 の亜種 黒花

メコノプシス・ラセモサ(ブルーポピー)
 の突然変異 白花種

この一株だけ見ることができた

ウスユキソウと赤いケシ達

レオントポディウム・ストラケイ

レオントポディウム・スミチアヌム

編集後記
今回のツアーで約1000枚の写真を撮影いたしました。花〃の写真だけでも一冊の本が
できそうなくらい沢山の花に恵まれました。今回は主なものだけを紹介しました。
全部の名前も調べてはいますが不明の方が多いのです。改めて花々や風景区を紹介したいと思っています。
間違っているのや不明のをご存知でしたらご連絡頂ければ幸です。
上記に紹介しました行状記は日本旅行写真家協会の機関紙の投稿した文章を利用しました。

草木の庵



ブルーポピー 二部


ペディクラリス・モンベイギアナ
ゴマノハグサ科

メコノプシス属