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2006/02/01-2006/02/10 号 Copyright 2006 De Luce, Japan

Summary 2006/02/01-2006/02/10

Lightwaveから: 英 InPフォトニクス開発へコンソーシアム立上 [2006-02-10 10:41 by opticssisters]
米JDSUがAONへ向けて発進 [2006-02-10 10:31 by opticssisters]
Tech-onから: NEC オンチップ光配線技術  [2006-02-09 15:16 by opticssisters]
光ファイバー誕生40周年 [2006-02-09 14:40 by opticssisters]
富士通 GPON向けの開発を増強 [2006-02-09 14:10 by opticssisters]
2月のoptics expressから: フォトニック結晶を用いた光フリップフロップ回路 2006.2.8 [2006-02-08 18:33 by opticssisters]
米国Cienaが長距離大容量用WDM装置を受注  [2006-02-08 16:02 by opticssisters]
日経エレクトロニクス 次世代DSLモデムの販売開始 [2006-02-07 12:41 by opticssisters]
ノーテル 華為 合弁会社設立  続報 [2006-02-07 12:20 by opticssisters]
超広帯域光源を用いた高性能ライダーの開発 米国NIST [2006-02-07 12:00 by opticssisters]
引っ越すかな [2006-02-06 13:08 by opticssisters]
ノーテルと華為がブロードバンド市場向けの合弁会社設立へ [2006-02-06 12:59 by opticssisters]
富士通総研調査 FTTH普及見込み、トリプルプレイの普及の鍵は? [2006-02-03 10:31 by opticssisters]
Optics Expressより 今月のおすすめ [2006-02-02 17:32 by opticssisters]
PhAST/Laser Focus World Innovation Awards Program [2006-02-02 17:08 by opticssisters]
メモ: LG-Nortel WDM-PON system [2006-02-01 15:39 by opticssisters]
光リミタを本格的に開発 Molex/KiloLambda社 [2006-02-01 15:20 by opticssisters]

ビジネス・市況

富士通総研調査 FTTH普及見込み、トリプルプレイの普及の鍵は?
富士通総研のページはこちらで、サンプル版のレポートが無料で見れる。

FTTHの普及率は18.4%、で導入したいという人を入れるとかなりの数になる。この結果はFiber網普及には追い風。ただk、18.4%という数字をを多いと見るか、少ないと見るかはちょっと微妙。この数字自体にはInternet watchにも解説がある。

それよりも、有料のコンテンツサービスを利用したことのある人が10%以上いることのほうが驚きであった。何を見ているのかはわからんが、ネットと放送の融合を進めるには十分な数字か。

ADSL/XVDSLとの住み分けについては、「値段」か?
ノーテルと華為がブロードバンド市場向けの合弁会社設立へ
カナダの光通信機器最大手のNortelと中国の通信機器大手華為 (Huawaiと読むそうです)がブロードバンド市場へ向けて合弁会社を設立すると発表した。

華為はブロードバンドアクセスに、ノーテルはネットワーク技術に強みがあるが、協力関係を築くことによりultra broadband marketシェアを拡大していくとのこと。
2006年の第3四半期には設立が完了する予定。

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ultra broadbandなんて言葉を使われると訳すのに困りますね。ちょーブロードバンド?
まだ次世代ブロードバンドくらいのほうが楽(笑)

いずれにしても、買収とかじゃなくて合弁ベンチャーですか。市場は北米がメインじゃなさそうですね。

ノーテル 華為 合弁会社設立  続報
元記事はこちら

この合弁はGPON向け製品が主力。既に、米国キャリア大手BellSouth, SBC, Verizonの入札に既に参加しているらしい。

ノーテルは、本ブログでも紹介しているが韓国LGと手を結び、WDM-PON向けの装置を既にアナウンスしている。これとの関連は今のところわからないが、日本以外のアジアの会社としっかり手を結んでいこうとしているように見える。

日本はずし?なの?

メモ: LG-Nortel WDM-PON system

メモです。
http://www.lg-nortel.com/servlet/prodから、
Wire-line&Optics > Optical Networkで同社のWDM-PONシステムの製品にたどりつけます。

LGとNortelが同ベンチャーを創設したのは2005年11月

伝送・基幹・コア・メトロ

米国Cienaが長距離大容量用WDM装置を受注 
元記事はこちらです。米国のベンダーの雄、Cienaが、メキシコの最大手プロバイダーTelmexから国内基幹ネットワーク用の長距離WDM伝送装置を受注したとのニュースが流れた。

具体的には同社のCoreStream Agilityという伝送装置+α。40Gbpsまでのビットレートに対応でき、回線の切り替えは光のまま行うOADM(opitcal add-drop multiplexer)を導入することにより、コストや透明性などを確保している。

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いよいよ長距離系もビジネスとして復活してきているみたいですね。こういったニュースがボンボンでてくるといいんだけど☆
米JDSUがAONへ向けて発進
米通信機器最大手JDSUがAgile Optical Network (AON) へ向けてのプランと製品ポートフォリオを発表

AONといっているけど、多分一般的にはReconfigurable Networkと呼ばれているものと同質のものだと思います。

これは波長分割多重技術+波長ごとに経路を制御できるような光スイッチを組み合わせて、自由にネットワーク構成を変えられるようなもの。Triple P;ayなどサービスが多様化する中で、このようにフレキシブル(Agileといっている)なものは保守・運用費用で大きなメリットとなります。(OFC/NFOECプレビューでもちょっと書きました。えへん★)

製品群には、
■Agile Optical Switches ROADMを含む光スイッチ(平面光回路PLCを使用)
■Agile Transmission Module 波長可変できるようなトラポン含む
■Agile Optical Amplifier ダイナミックな利得制御
■T&M ネットワーク用の測定器群
だそうです。

ほとんど研究レベルの最新ネタがはいっていくようですね。すげぇ★
が、専門家によると、実は富士通の後追っかけだったりするというようなことらしいです。

いずれにせよ水面下ではいろいろと進んでるんですね。

FTTH/FTTx/PON/アクセス系

メモ: LG-Nortel WDM-PON system

メモです。
http://www.lg-nortel.com/servlet/prodから、
Wire-line&Optics > Optical Networkで同社のWDM-PONシステムの製品にたどりつけます。

LGとNortelが同ベンチャーを創設したのは2005年11月
ノーテルと華為がブロードバンド市場向けの合弁会社設立へ
カナダの光通信機器最大手のNortelと中国の通信機器大手華為 (Huawaiと読むそうです)がブロードバンド市場へ向けて合弁会社を設立すると発表した。

華為はブロードバンドアクセスに、ノーテルはネットワーク技術に強みがあるが、協力関係を築くことによりultra broadband marketシェアを拡大していくとのこと。
2006年の第3四半期には設立が完了する予定。

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ultra broadbandなんて言葉を使われると訳すのに困りますね。ちょーブロードバンド?
まだ次世代ブロードバンドくらいのほうが楽(笑)

いずれにしても、買収とかじゃなくて合弁ベンチャーですか。市場は北米がメインじゃなさそうですね。

日商エレクトロニクス 次世代DSLモデムの販売開始
元記事はこちら。日経産業にも出てます。

製造元は韓国NEXCOMM SYSTEMS。新しいITU-T G.991.2に準拠し、既存の電話線で高速の伝送を可能にするらしい。コストはファイバーを導入するより格安になるとのこと。

で、どのくらいの性能かというと、この新DSLは

 #2.5kmで11.4Mb/s

で、これまでのADSLだと2.5kmくらいだと、上り1M以下、下り4M程度に落ちるので、この速度は魅力的か。。。。

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でも、ファイバの方がいいよね。DSLの努力は「瀕死の患者を最新通信技術を駆使して延命している」ような印象を受けます。ファイバー頑張れー
富士通 GPON向けの開発を増強
元記事はFujitsu Network Communicationsのプレスリリース

既に同社は、GEPON(Gigabit Ethernet PON)を国内、アジア向けに強力に展開しつつあるが、北米でのIPTVやトリプルプレイサービス向けに、GPON(Gigabit PON)向けの機器の開発に注力していくという。

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別のニュースにも出てたけど、次はとにかくGPONが主役らしい。
(DSLの運命はわかりませんが)。

技術屋からすると、「GPONの次は何?」ってところですが。。でも、各家庭にギガですか。時代の進歩もはやいですね。。

新技術・研究開発

光リミタを本格的に開発 Molex/KiloLambda社
Molex社の2006.1.31付けのプレスリリースによると、同社とKiloLambda社が共同で光通信機器向けの光リミタを本格的に開発すると発表した。

光リミタとは、透過型のデバイスで、光が弱い場合には透明であるが、ある程度以上の強い光が入ると損失が大きくなり、透過する光パワーを一定に制限するようなデバイス。一般的に、フォトダイオードや光増幅器などは過入力によって壊れやすいので、安価な光リミタがあると非常に便利。さらに、光ネットワークなどに導入すれば、光パワーの変動をおさえるようなことも簡単にできる。

いわゆる電子回路のリミタ・リミッタの光版なのであるが、電気と違って光でこれをやるのは非常に難しい。これまでにいろいろなものが提案・研究されてきたが、実用になりそうなものはほとんどなかった。これに対し、KiloLambda社は完全に受動部品で(つまり電源などはいらない)光リミタを構成する技術を開発していた(らしい)。

こうなると、どのような技術なのかが非常に興味深いが、内容は殆ど外には漏れていない。OFC2005でKiloLambda社が論文を出しているが(OFC/NFOEC2005, paper JWA75)原理は「ナノ粒子を混入した材料をもちい、非線形吸収誘起散乱(nonlinear absorption-induced scattering)により光リミタ動作がおこる」とのこと。特性は論文のデータを信じると良好そう。

今回のプレスリリースでは、ある財団から800,000USDという支援を受け、コネクタ等で高い技術を持つMolex社と、光リミタ技術を持つKiloLambda社が組んで、本格的な開発を行うというもの。。

さて、、、非常に魅力的なんですが、原理がいまいちわからない状態で使いたいと思う技術者がどのくらいいるのでしょう?
Optics Expressより 2月のおすすめ
まだまだ製品には程遠そうですが、これ

SOI(Silicon-on-insulator)技術を使って光集積回路を作ったという論文。サブミクロンサイズで作成でき、導波路のコア・クラッド間の屈折率差を高くとれるため、高い集積度が期待できる。また、作成方法が、電気回路のCMOS LSIと同じであるので、わりと安く出来るという点が売り。


この論文では、従来問題であった光ファイバとの結合損失を解決し、4x4のコンパクトな波長ルーター(といってもただのAWGのようであるが)を作成したというもの。



Ghent大のグループ。ベルギー恐るべし。やるなー。がんばれー。
Optics Express
超広帯域光源を用いた高性能ライダーの開発 米国NIST
元記事はこちら。ついでにLaser Focus Worldにも大きく取り上げられてます


ライダーとはlight detection and ranging (LIDAR)の略で、レーダーの光版のようなもの。光パルスを遠方に向けて発射し、反射光の強度やドップラーシフトにより遠く離れた物体との距離や移動速度(振動)などを計測する。国内では三菱電機が製品で強く、産総研がよい研究をやっている。


今回の米国NIST(アメリカの計量研のようなところ)発表は、光源と、データの処理法に特徴がある。光源は、光コムという等間隔に並んだ広帯域なスペクトルを持つ特殊なもので、同グループはこのような光の発生・応用法では権威(昨年のノーベル物理学賞にニアミスしてます。)。また、反射された光が戻ってくる際の波形歪みを処理するソフトを開発し、非常に高性能なものが出来たといっている。例えば、1km先の物体が45ミクロン(1ミクロン=1000分の1ミリ)くらい移動したかどうかを見極められるらしい。

技術的な中身はあまり触れられておらず、3月のOptics Lettersの掲載を待つことになる。
2月のoptics expressから: フォトニック結晶を用いた光フリップフロップ回路 2006.2.8
なんか今日はネタが少ないなー。ちょっと、ブログの話題には重いのですが最先端研究ネタ。

Optics Express 14(3)からのチョイスはこれAll-optical flip-flop circuit composed of coupled two-port resonant tunneling filter in two-dimensional photonic crystal slab

フォトニック結晶関連というと玉石混交で、「普通のフィルタでいいじゃん」「ロスが低くなったといってもファイバからの結合損がxxったらつかえねーじゃん」など、華々しい予算取りの裏側で山のような愚痴が聞かれます


今回のこの論文は、そういった論文とはちょっとちがうような渋さがあります。


中身は板状のフォトニック結晶を用いて光のフリップフロップ回路を作る(作れる)ことをシミュレーションで示してます。


光で最も苦手なのは論理演算などのデジタル的な信号処理なのだそうで、最も難しいのが光メモリや全光記憶素子だそうです。ですから、フリップフロップ回路が光で出来ちゃうといろいろと役に立つことは多そう。
中身は完全に理解しておりませんが、非線形+結合共振+フォトニック結晶による光の閉じ込めで、比較的低いパワーで動作するらしい。
実用化になるとかといったレベルではないけれど、こういった渋い研究が大学以外で脈々と進められていることは大変すばらしいことだと思います。NTT、がんばれー。
Tech-onから: NEC オンチップ光配線技術 
元記事はこちら。これに関係する技術を総務省系のページで見たようなきがします。

LSI内の配線(多分、LSI間も)に、電気信号ではなくて光信号を使いましょうというもの。
LSI内部でのクロック速度があがり、いよいよ電気的に送るのが難しくなってきたということか、それとも熱の問題なのかはわからん。

いずれにせよ、これを実現するにはLSIの中に
■半導体レーザー
■光導波路(光ファイバーと同様の構造を基盤に組み込んだもの)
■フォトダイオード
をコンパクトに作り上げる必要があるが、同社は上記2つについてはうまく解決したらしい。

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いよいよ光ICの時代ですかね。

その他

光ファイバー誕生40周年
Optics.orgが光ファイバー誕生40周年の記事を出してました。

「ん?」と思った方もいらっしゃると思います。私もその一人ですが、今の光ファイバーの原型がコーニング社に作られたのは1970年。

ただ、その開発の契機になったのはもっと前にあり、1966年に英国のStandard Telecommunication Laboratories (STL)の科学者Charles KaoとGeorge Hockhamが「石英ガラスで光ファイバーをつくるととってもいいもの(損失の少ないもの)ができますよ」、という予言をしたのがはじまりらしい。

で、「40周年」ということなのだそうだ。

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光ファイバーも既に市民権をえて、あんまりハイテクという感じがしなくなりましたが、「光ってすごいね」っていうのは、どことなしかあります。今もまだ進歩してますし。

Lightwaveから: 英 InPフォトニクス開発へコンソーシアム立上
Lightwaveの記事から

短くメモ: 以下の会社が約4億弱(円換算)の資金を英からうけ、InP(インジウムりん)系の光デバイスの開発のコンソーシアムを発足。温調無しで動作する高出力半導体レーザや半導体増幅器(uncoolded, high speed, high power lasers and SOAs)などがターゲット

Centre for Integrated Photonics (CIP),
Bookham,
Epichem,
Loughborough Surface Analysis (LSA),
the University of Sheffield,
and the University of Surrey (UniS).

ところでCIPは本ブログ2度目の登場。頑張ってますね。