■生活習慣病 代替医療 田七人参
 03/03/14
 


 

だれでもガンになる可能性はある

●ほとんどの人に潜在するガン

 現在、ガンの治療は、多くの場合にガンの早期発見が可能となり、抗ガン剤のめざましい発展と、外科的治療法や放射線による治療法の進歩により、以前に比べ格段に治癒率が高くなっています。にもかかわらず、死亡原因の第1位を占めているガンの予防法はないものでしょうか?

 発ガンのメカニズムにおいて、最初に遺伝子の損傷を受ける段階はイニシエーションと呼びますが、短期間でしかも元に戻ることのできないステップだと考えられており、成人ではほとんどのヒトが既にこの段階を越えてしまっている (すなわち、潜在的腫蕩細胞を大半の人は持っている)と言われています。 この潜在的腫瘍細胞が潜在したまま終わればなんら問題はないのですが、発ガンプロモーターによる長期間の影響を受けると、徐々にいわゆるガンの状態に進んできます。 そこで、ガンを予防するには、この発ガンプロモーターの作用を押さえ込むのがもっとも効果的だと考えられ、抗発ガンプロモーターを見つけだす研究が、あちこちの研究機関でなされています。

●ガンになる前に対策を

 ガンになってから治療をするのは、並大抵のことではありません。 抗ガン剤がいかに進歩しても、患者と家族の肉体的精神的苦痛は大変なものです。強力な制ガン剤は、同時に強い副作用を持つ場合がほとんどです。ガンになってから治すより、ガンにならないような方策を考えるべきでしょう。 最近、ベーターカロチンが話題になっていますが、これもいままで述べたような観点からガンの予防に効果があるとされています。 私たちの研究室でも、多種多様な食品や、生薬・漢方薬によるガンの予防を目標に研究を行っていますが、田七人参についても動物実験をしてきました。

田七人参がガン発生をくいとめた

●発ガン予防効果の実験

 動物実験による発ガン試験には、いろいろな方法がありますが、私たちの研究室では先に述べたような発ガンのメカニズムを考慮した「二段階発ガン実験」といわれる方法を用いて実験を行っています。 この二段階発ガン実験は、結果が判明するのに何週間もかかります。まず最初に、多くの物質の中から、発ガンプロモーターを抑制する可能性があるものを選び出さなければなりません。試験管内の実験によってこのような物質を選び出し、次に実験動物を用いた発ガン実験を行って、予防効果を判定することになるのです。 すなわち、実験用のマウスに最初に、これだけではガンにならない程度の少量の発ガン物質を投与します。その後、発ガン促進作用(発ガンプロモーター作用) を有する化学物質を長期間投与し続けるとマウスにガンが発生してきます。 この際、一部のマウスには発ガンプロモーターとともに田七人参のエキスを投与し、田七人参を投与しない場合と比較します。

●田七人参のガン発生を抑える力

 この実験によって、田七人参を投与することで、どれくらい発ガンを抑えることができるかがわかるわけです。 ただし、ここで誤解されると困るのですが、これらの実験はガンに対する予防効果の可能性を検討するものであって、いわゆるガンに効く物質、ガンを治す物質を見つけだすものではないということです。 つまり、できてしまったガンを治すのではなく、できつつあるガンの発生をくい止めるというわけです。そして、この実験の繰り返しによって、田七人参がさまざまなガンの発生をくいとめる力を持っていることがわかってきたのです。

危険度が増す皮膚がんを防ぐ

●皮膚ガンに対する効果

 まず皮膚ガンに対する田七人参の予防効果についての実験データを紹介しましょう。

 マウスに実験的に皮膚ガンを発生させるには、まず、ジメチルベンツアントラセン(略称DMBA) という発ガン物質をマウスの背中に塗布し、その後、同じ場所に12−テトラデカノイールフォルポールー13−アセテート (略称TPA)という長ったらしい名前の発ガン促進物質を1週間に2度、20週間にわたり塗布し続けます(これをコントロールとします)。 その際、TPAの塗布前、あるいは塗布後に田七人参のエキスを一定量塗布し、田七人参エキスを塗布しないコントロールと比較します。 コントロールでは、実験開始後10週間ですべてのマウスの背中に腫瘍が発生し、20週間後には1匹当たり10個以上の腫瘍が発生します。一方、田七人参エキスを塗布した場合、10週間後では20%のマウスにのみ腫瘍が発生し、20週間後でも30%のマウスには腫瘍が発生しませんでした。また一匹当たりの腫瘍数も平均約3個しかなかったのです。

●オゾン層破壊に対する防衛策

 このように、田七人参のエキスを塗布した群と、田七人参エキスを塗布しなかった群とでは、明らかな違いが認められました。この結果から、田七人参エキスには腫瘍の発生を大きく遅らせ、抑制する可能性があるものと考えられます。 また、生薬は内服(経口投与)するのが普通ですから、マウスの飲料水に田七人参のエキスを溶かし込み、口から摂取させる方法でも実験を行いました。この実験でも、同じような結果が得られたのです。

 最近、地球をとりまくオゾン層の破壊が進み、紫外線による皮膚ガンの危険性が指摘されています。紫外線は宇宙に存在するもっとも危険なもののひとつといわれているくらいで、生物にさまざまな損傷をもたらすことがわかってきています。 これまでは、大気中のオゾンがどうにかこの紫外線の量をさえぎってきたのですが、フロンガスがオゾンを破壊することがわかり、いまやフロンガスは撤廃されつつあります。しかし、すでに大気に放出されてしまったフロンガスは回収することもできず、オゾンの破壊はさらに進んでいるのが現状なのです。 このため、一国によっては子供たちにできるだけ紫外線を浴びさせないような指導も行われたりしています。紫外線は肌にメラニン色素が少ないほど、体内に吸収されるため、とくに欧米の白色人種では皮膚ガンが大きな問題となっているのです。

 田七人参や朝鮮人参にも含まれるサポニンのひとつ、ジンセノシドーカ的−には、このような紫外線による皮膚発ガンに対する予防効果があることが実験的に確かめられました。田七人参などは、今後いっそう注目を集めるようになっていくものと思われます。

 


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