「里山の風景から」麻生恵(東京農業大学教授)
日時 2002年3月17日(日)14:50〜
場所 麻生市民館大会議室「里山フォーラムin麻生」
・専門は造園学。庭作り、公園作りをイメージするが、自然公園も分野。
・風景を守ること、農村の風景を守ること。
・鶴川団地に住んでいる。窓から里山の風景が見える。
1.なぜ、今、風景、景観なのか?
@地域性がない、画一化、個性がない。全国どこにいっても同じ景観。
規格化、基準。農地も同じ基準で整備。建築の材料も全国ネット。
A環境に対する認識向上。マイナス補填から、もっと良いものを求める
ようになってきた。
B風景の総合性。個別の要素ではなく、全体として捉えるムードに。
2.景観と風景
・景観。地理学で昭和始めに、出てきた言葉。やや、分析的、科学的。
風景。中国でも古くから使われてきた。総合的、情緒的、主観的。
3.風景計画、景観計画
・普通は、風景から良さを感じる。
・守るとか、いろいろな関わりがある。
・景観対象と景観主体。眺める人の立場、主体がある。
両方の立場でとらえること、考えることが必要。
・感じ方。美しさ、好ましさ、親しみ度、おもしろさ、地域らしさ。
・風景をデザインするということは、対象側のデザイン、見る側のデザイン。
・視点の検討。風景に対しての評価。
・景観のスケール。庭等のミクロな景観と、農村等のマクロな景観。
・阿蘇国立公園。カルデラ、人工的に作られた草原。放牧。
畜産業の衰退で、藪、植林へ。国、ボランティアで復活作業へ。
・二次自然の管理。
4.里山の風景計画
・地形のタイプ。低地、街、里山少ない
台地、畑作、雑木林が多い、
丘陵地、起伏に富んでいる、
・多摩川、崖線、丘陵。
・里山の認識の仕方、眺める感じ。小山田緑地。
・気に入った樹林、認識が集中する場所、岬状の地形。大事。
・景観認識マップを作っていく必要がある。
・景観のフレームになっていく。
・阿蘇。気に入っている景観、草原の場所。
展望台、観光道路から、見える場所。
→景観認識マップ。どこを重点的に保存していくかの資料。
□多摩丘陵フットパス。里山散歩マップ。鶴川地域まちづくりの会。
三輪/真光寺/黒川/小野路/小山田、鳥瞰図と地図。
公道をつないでいって、散策路を作っていく。
一般の人に多摩丘陵の素晴らしさを知ってもらいたい。
イギリス、地図を片手に歩いて、自分で風景を発見していく。
樹木一本切るのでも風景の観点で議論する。
それが景観を守ることにつながる。
景観を見る主体をクローズアップ、景観に誇りを持ってもらう。
□景観、風景、力を持っている。主体の観点を持つこと。
里山を守ることは、風景を守ること。地域らしさを守ること。
以上 (文責:竹井)
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