シネマ大全 た行・タ

 大脱走 1963年 アメリカ

新たに作られたドイツの北部第3捕虜収容所に、札つきの脱走常習者・連合軍空軍将校たちが運び込まれた。しかし、早くも“心臓男"と異名をとったヒルツは鉄条網を調べ始めるし、ヘンドレーはベンチをトラックから盗み出す始末だ。まもなく、ビッグXと呼ばれる空軍中隊長・シリルが入ると、大規模な脱走計画が立てられた。まず、森へ抜ける数百フィートのトンネルが同時に掘り始められた。 それはトム・ディック・ハリーと名付けられた。何と、全員250名が逃げ出すという企みだ。アメリカ独立記念日、トムが発覚してつぶされた。が、ほかの2本は掘り続けられた。しかし、掘り出し口が看守小屋の近くだったため、脱走計画は水泡に帰してしまう…。


これはもう、最高の映画だ。
子供の頃から、高島忠夫が解説していたフジテレビ「ゴールデン洋画劇場」で、何度も何度も吹き替え版で観て来たが、大スクリーンで観るのは初めてだった。

1秒のスキも、無駄もない。
ストーリーはとっくに知っているのに、彼らがうまく逃げられるか、本当にドキドキしてしまう。
250人を逃がす計画が、76人の脱走になり、最後まで逃げ切れたのは、たったの3人だった…。 
これは実話だ。悲惨なラストでないように見せかけて、悲劇的だったりする。
サスペンスとユ―モア、それにジワジワと伝わって来るキャラクターの魅力…。

スティーブ・マックィーン、ジェームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソン、ドナルド・プレザンス… 皆、亡くなってしまったが、スクリーンの中では永遠だ。
後に監督になったリチャード・アッテンボローは、若き日のオーソン・ウェルズそっくりだった。    
中学生の頃、マックィーンに憧れて、あの、スイス国境で捕まって、何者なのかを問われて、トレーナーの首の所をひっくり返す所、何度もマネしたなぁ…。
(2004.4.29)