シネマ大全 か行・コ

 コンフェッション  2003年 アメリカ

70年代アメリカにおいて、テレビ番組『ゴング・ショ-』などで一世を風びし、お茶の間の人気者だった伝説のプロデューサー兼司会者のチャック・バリスが、自らCIAの秘密工作員をしていたと語った衝撃の告白本(真偽のほどは不明)を基に製作された挑んだサスペンス・ドラマ。


ジョージ・クルーニー初監督作品。1960年代に活躍したアメリカ・テレビ界の大物プロデューサーは、CIAの暗殺者でもあった???「レッズ」「カメレオンマン」「ビューティフル・マインド」「クイズ・ショウ」etc…。クルーニーが映画ファンである事がよくわかる一本。俳優が監督した映画は、自分が選んだ役者に対する愛情がはっきりと現れている事が多いが、この作品も例外ではない。ドリュー・バリモアも、ジュリア・ロバーツも、他の作品では得にくい?役を実にイキイキと楽しんで演じている。

でも、もしも、映画というものが音楽と同じ時間の芸術で、ラスト・シーンや、それに代わる何かに向かって行かなくてはならないものだとしたら…。 

ちょっと不協和音が多く、散漫で、「で、何でしたっけ?」とでも言いたくなる様な“弱さ”も感じる。悪くはないけど、惜しい一本だった。

(2003.8.22)