野田正男、45才。親孝行で気の優しく要領が悪く不器用で、今だに結婚も出来ない農家の長男。今度こそはと思った田舎暮らしに憧れる女との縁談もついに破談に終わる。見かねた農業仲間の紹介で、フィリピンパブで働く女・リバティを紹介され、結婚を前提に交際を始める。そして、フィリピンに渡っての結婚式。だが、正男を待っていたのは結婚詐欺の辛すぎる現実だった。農協に借金をして持参した結納金をだまし取られ、リバティは消える。生きる気力をなくした正男は浮浪者のようにマニラの街をさまよう…。
ホームレスになった正雄に、“クマインカナバー(御飯、食べたの?)”と、食べ物を差し出してくれる見知らぬホームレス。優しい人もいる、貧しいが豊かなフィリピン。一年後、女衒に成り下がった正雄の心を救うのは、何と…。
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