シネマ大全 か行・キ

 きょうのできごと  2004年 日本
深夜、高槻のサービスエリアで休憩する中沢とけいと。車の後部座席には、中沢の恋人真紀が寝ている。
三人は、中沢の友達で大学院に入るため京都に移り住んだ正道の引っ越し祝いの飲み会のため、京都に行った帰りである。正道の新居は京都の古い町屋で、その日の夕方、中沢たちが訪れた時には、同級生の西山や坂本、後輩のかわちらも駆けつけていた。
七人はそれぞれの想いを胸に抱えつつも心地よく酔い、自由気ままに楽しい時間を過ごす。

関係者のみの初号試写。ロビーにいた行定勲監督は私に“自分自身、これまでで一番気に入っている作品です”と言い切った。

田中麗奈、伊藤歩ら、出演者とも久しぶりで会い、何だか2月の撮影打ち上げの日に戻ったみたいだった。妻夫木聡くんは来てなかった。

かなり危険な事に挑戦している映画だ。 受け取り方によっては、“訳がわからない”とか“地味すぎる”とか、誤解されかねない、“日常、人生そのもの”を切り取って再構成している。そして、“人生って、そんなに悪くないでしょ?”と語りかけて来る温かさがあるコメディーだ。 偶然にも、昨日観た「ここに、幸あり」と同じ“あざとくなさ”を感じた。


(2003.9.6)