岡村通信 No.110  「夏の十字架」 2009年5月30日

お元気ですか?  
この週末の雨は、ヒタヒタと、嫌〜な梅雨が近付いて来ている感じでしたネ。


【 最近観た映画の感想 】   
 
映画 『ブッシュ』  http://www.bush-movie.jp/   公開中

意外にも、“肩の力が抜けた小品”だった。いわゆる伝記物のアメリカ映画で、こんなにお金が掛かっていない作品も珍しい。そして、その“シンプルさ”が、この、“世界をこんなにしてしまった張本人”の孤独を浮き彫りにするのに寄与している。
あれまぁ… 本当に、こんな人が、“世界一の超大国”のリーダーだったのかい?
“そっくりショー”のお楽しみを越えて、我々が住む現実のこの世界の今後が心配になって来る1本。 スパイク・リー監督による映画『オバマ』は、ずっと先で良い。


【 1999年11月23日(火) 午後7時半すぎ 曇り  川崎市川崎区 クラブ・チッタ 】

清志郎 「じゃあ、いよいよ次は、今、問題になっている、あの曲をやるぜ」

(場内大歓声)

清志郎 「おいら、昔から多くのラジオに出て来たけど、皆、いざとなると冷たいもんだぜ。おいらの『君が代』を取り上げてくれたのは、FMfujiと名古屋のCBC、そして、此処、かわさきFMだけだぜェ!」

(場内の3分の1くらいが、“ウォ〜!”と叫び、3分の2は、“何や、それ?”という反応)

清志郎 「? かわさきFMは、地味だけど、地元を中心に頑張っている良い局なんだぜ」

客席(といっても、オール・スタンディングだったが)で、私は嬉しくてたまらなかった。
“名古屋のCBCとかわさきFM”というのは、私の番組だったのだ。
この日、私はこのライブへの御招待のお礼に、彼が大ファンだった中日ドラゴンズのバスタオルをプレゼントし、清志郎さんは後日、私の番組のためにジングルを作ってくれた。

http://home.catv.ne.jp/hh/boston/cinema01.htm

(ここから、そのジングルを聴く事が出来ます↑/無料)

1996年に知り合ってから、何本も一緒にラジオ番組をやり、長野県諏訪市でのコンサートの楽屋へ突然お邪魔したり、映画『チキンハート』(2002年/清水浩監督)では、俳優としてチラッと共演させて頂いたり… 幸せだったな。

忌野清志郎さんには、謎の部分があった。

            

『誰かが影であやつろうとする だから オレは 時々手を抜く』 (つ・き・あ・い・た・い)
『LとSはDまで行ってた オレもカンパさせられた』 (不思議)
『イキがったり ビビったりして ここまで来た』 (ドカドカカうるさいR&Rバンド)
『僕は 道端で泣いてる子供』 (い・け・な・いルージュマジック)

“この歌詞は、○○という意味ではないですか?”と、私が訊いても、困った顔をしてキチンと答えてくれない事も多かった。それは、意地悪なのではなくて、“作ってしまった後で歌の中身を語る事が自分にはもう出来ないんだ”という感じだった。

いつも凄くシャイだったが、その歌詞は時に舌鋒鋭く、他の誰よりも過激だった。

『北朝鮮はいい国だ タダで連れてってくれる』 (あこがれの北朝鮮)
『何言ってんだー ざけんじゃねー核などいらねー何言ってんだー よせよ,騙せやしねー
何言ってんだー やめときな いくら理屈をこねても ほんの少し考えりゃ俺にもわかるさ放射能はいらねー
牛乳を飲みてー何やってんだー 税金返せ 目を覚ましな たくみな言葉で一般庶民を騙そうとしてもほんの少しバレてる』 (LOVE ME TENDER)

こんな人は、もう2度と現れない。真の意味での、“King of rock’n roll”だった。

ずっと夢見させて くれて、ありがとう。 でも、まだ、全く、終わりなんかじゃないよ。


【 私の最新の出演情報です 是非ご高覧下さい 】

映画 『アニと僕の夫婦喧嘩』  http://aniboku.com/        絶賛公開中!
(諸江亮監督/八神蓮 、滝口幸広、峰えりか、長崎莉奈、 内山眞人、柳家喬之助他)
三度の飯より落語が大好きな[アニ・黒須讃汰]は、大学の落語研究会のたった1人の部員。そんな彼によって強引にスカウトされた[僕・久保亮」。初めは、破天荒なアニのキャラクターに戸惑い、抵抗していた[僕]だったが、次第に、[アニ]と落語の魅力に引き込まれて行く…。 
私は、入院中の末期ガン患者を演じています。

映画 『人生ごっこ!?』 http://www.jinseigokko.com/   DVD 好評発売中!
(林弘樹監督/根本博成、石橋けい、前田耕陽、峰岸徹、斎藤洋介、窪田かね子他)
ある日あっけなく死んでしまった渡が訪れたのは“魂学校”。死後の世界でも斜に構える渡は、生前の人生を追体験する事に…。 
私は“魂学校”の二宮教頭を演じています。

映画 『9〜NINE』  DVD 好評発売中!http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=162549
(香月秀之監督/高田宏太郎、渡瀬美遊、本田博太郎、東幹久、押切もえ他)
渋谷の喧騒から路地を入った所に<9>がある。ここを溜まり場にして、毎日キューを突いているトオルは、<9>に迷い込んだ家出娘・リカと出逢った。リカの取り持ちで仲間達からの信頼を取り戻して行くトオル。大人の世界から解放された2人は、気持ちも互いの距離も近付いて行くのだが…。
私は、2人を取り調べる渋谷署の刑事を演じています。

映画 『BACK STAGE〜バックステージ』
               DVD 好評発売中!
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=1951
(香月秀之監督/高田宏太郎、京島奈央、川崎麻世、とよた真帆、今井雅之ほか)
ショー・ビジネスの世界で成功することを夢見る若者たちの青春ラブ・ストーリー。俳優養成所に通う悟は、役者としての将来に不安を感じていた。そんなある日、幼なじみで歌手を目指しているさやかと再会する。お互いに惹かれ合う二人は、一緒に夢を実現していくことを誓い合うが…。 
私は、映画の撮影現場の撮影監督を演じています。

 映画 『九転十起の男・2〜激動編』         DVD-BOX 好評発売中!
ttp://www.shochiku-home-enta.com/shop/item_detail?category_id=0&item_id=182778
(市川徹監督/加勢大周、寺田農、堀田眞三、網本圭吾ほか) 
激動の近代日本を駆け抜けた、真の実業家・浅野総一郎。不屈の精神で立ち上がり躍動し続けた男の真実を描く第2弾。前作では描き切れなかった、京浜工業地帯との関わり、困難にもめげず次から次へと残していった偉業の数々、そして、浅野の荘年時代を力強く描き出す。
私は、浅野が苦労の末に興す海運会社へ出資する男・森村市左衛門を演じています。

映画 『ポチの告白』 http://www.pochi-movie.com/   絶賛公開中!
(高橋玄監督/菅田俊、野村宏伸、川本淳市、井上晴美、ガンビーノ小林、出光元他)
昨今、多発する日本の警察犯罪事件の数々の実例をモデルに、良識ある巡査・タケハチが、警察の犯罪機構に巻き込まれながら、悪徳に染まり、やがて自滅するまでを描く社会派エンターテインメント超大作。私は極悪非道な警察官僚を演じています。

かわさきFM 『岡村洋一のシネマストリート』  http://www.kawasakifm.co.jp/
この番組は、インターネットでも、無料で、結構、過去の放送が楽しめます。
http://www.is-field.com/radio.html から、是非どうぞ!

6月1&7日は、映画『刺青〜背負う女』(奥野邦洋プロデューサー、井上美琴さん)
6月8日は、[島岡美延の古今東西]
6月14日は、映画『刺青〜匂ひ月のごとく』(ゲスト:三島有紀子監督)
6月15日は、映画『ちちり』』(ゲスト:細野辰興監督、浦井なおさん、安亜希子嬢)
6月21日は、映画『スリーカウント』』(ゲスト:窪田将治監督)を放送する予定です。



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最後まで読んで下さって、ありがとうございました。 今月は、長くなってごめんなさい。
もしも、時間がありましたら、あなたの近況を教えて下さい。
待っています。
              
季節の変わり目、どうか御自愛下さい。 

では、また!


岡村 洋一