岡村通信 No.52   「いっそ、上海」 2004年12月27日


ここ数日で、急に寒くなって来ましたが、お元気ですか? 

【 最近観た映画の感想 】

 映画 『ターミナル』  http://www.terminal-movie.jp/   公開中

思いがけず空港で暮らす事になった男は、その人間性で、地獄を少しづつ、パラダイスに変えて行く。微笑ましいというよりは、頭が下がる。要領が良いというよりは、美しく生き抜いている。
人として生まれたからには、こういう人間を目指したいものだ。 アイデンティティーを失った主人公の痛みを描く事よりも、ストーリー・テリングに徹している。スピルバーグ監督の語り口に、グングン引っ張ぱられ、最後は幸せな気持ちになれた。
真に人間という生き物の良さ=人間味を感じさせる俳優とは、トム・ハンクスさん、あなたの事です。

さて、最近の私です。

                                                       ≪ これまでのあらすじ ≫ 

映画『THE JUON』(清水崇監督)で、念願だったハリウッド映画への出演を果たした俳優&DJの岡村洋一は、喜んだのもつかの間、あるパーティーの席上で、旧知の俳優・高橋克典(映画『竜二
Forever』他)に続き、田中要次(映画『ここに幸あり』他)までもが、既に結婚していた事を知り、ショックで寝込む。元々ひがみっぽい性格の岡村は、
自分だけ幸せになりやがって。よーし、オレだって幸せになるんだーっ!とワメキつつ、かねてより一度は行ってみたかった中国大陸へ渡るのだが

【 12月10日 金曜日 午後11時  上海から北京へ向かう寝台列車の中 】

「中国は、厳しい国だよ。オレは田舎出身だけど、中国では、就職試験だって、田舎の人と都会の人では初めから点数に差が付いているんだ。本当だよ」

「子供は、一人だけ。中国は一人っ子政策だから。でも、オレの勘違いで、届け出が遅れて罰金を40万円も取られた。きつかったよ」

「日本語は学校で習った。でも、まだ一度も日本には行った事はない。そういう人は多いよ」

「今の奥さんは、二人目。前の人は都会人で、気が強かったなぁ…。今の奥さんは、田舎の人なんだ。嫁さんを貰うなら、田舎の女に限るよ。これ、本当。ハハハハ…」

上海在住のRさんは、飲むほどに酔うほどに饒舌になった。                       
翌朝、列車は時間通りに北京駅に着いた。

映画「ラストエンペラー」(89年)にも登場した、あの紫禁城の中にスターバックス・コーヒーを発見し、もう一つの世界遺産である万里の長城(宇宙から見える唯一の建造物)に、圧倒された。
しかし、よく考えると、これも人間の見栄や、恐怖心が作らせた物に他ならない事に気付く。

私が今回の旅で一番、豊かな気持ちになったのは、朝の北京・天壇近くの公園だった。
そこには、将棋をしたり、胡弓を弾いたり、合唱をしたり、蹴鞠をしたり、羽根突きの様な遊びをしたり、すぐに消えてしまうのに、コンクリートの道端に水に浸した筆で字を書いたりして、思い思いに楽しんでいる人々の姿があった。                                            沢山のお金はないが、本当に幸福そうな日曜の朝の風景。 私が幼かった頃の日本に似ていた。
 

【 私の最新の出演作品です  是非ご高覧下さい 】

映画 『スパイ・ゾルゲ』 http://www.spy-sorge.com/ 12月27日24時30分〜 BSー2   
(出演/ イアン・グレン、本木雅弘、岩下志麻、葉月里緒奈、ミア・ユー他)              
日本とドイツの最高機密情報を盗み出し、モスクワに送り続けたスパイ、R・ゾルゲ。ハンサムにして強烈な個性。誰をも惹きつけるその人間的魅力。スパイであると同時に、透徹した目を持つジャーナリスト。そして、プレイボーイ…。巨匠・篠田正浩監督、渾身のラスト・フィルム。’03年・劇場公開。
私は、2・26事件の際の朝日新聞主筆・緒方竹虎を演じています。

BS−i ドラマ 『ケータイ刑事・銭形零』 帰って来た男!〜福笑いキング殺人事件          05年 1月2日 午後11時〜 http://www.bs-i.co.jp/zenigatarei/
(夏帆、山下真司、金剛地武志ほか
)人気ドラマのセカンド・シリーズ、第一回。
私は、“日本福笑い協会・会長”にして、“福笑いキング”の笑多福男を演じています。

映画 『世界の中心で、愛をさけぶ』  http://aiosakebu-dvd.jp/home.html                
(行定勲監督/大沢たかお、柴咲コウ、長澤まさみ、森山未來、山崎努、天海祐希ほか)           大ベストセラーとなった小説では、ほとんど語られることのなかった成長し大人になった主人公・朔太郎のストーリーを大幅に追加。「現在の愛との対峙」と原作小説にある「過去のアキとの甘くせつない純愛」が織りなすアンサンブル・ストーリーとして再構築。
私は、冒頭に出て来る葬式の司会者を演じています。
DVD&ビデオ発売中。

映画 『Believer』 http://believer.movieweb.jp/ 
多胡由章監督/吉沢悠、伊藤歩、瑛太、相沢紗世、大城英司、田中要次ほか)      超能力少年と謳われた栄光は今いずこ。やり手の詐欺師として生計を立てる英冶は情報屋のテルと共謀し、若い女や成金をカモに金を巻き上げるだった…。
私は、テレビ番組のキャスター役で出演しています。
DVD発売中。

テレビCM 『エコナ・クッキングオイル』 ず〜っと健康でいたいから篇 放映中               http://www.kao.co.jp/econa/topics/041101_cm/cm08.html このサイトでご覧になれます。
ヘディング・シュートに失敗するゼッケン5番のサッカー選手が、私です。                                                            
    
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何かと忙しいこの季節、疲れが溜まりがちですが、どうかお身体を大切に

私はまず、この風邪を治します。

正月休みに、もしも時間があったら、あなたの近況等を教えて下さい。

待っています。

では、良いお年を!!