岡村通信 No.50   「オールドボーイ」 2004年10月30日


お元気ですか?
連日、新潟の地震のニュースが報道されています。
田中康夫・長野県知事が、あるテレビ番組でこんな事を言っていました。

「被災地で必要なものは色々あります。でも、例えば、セーターなんかは一週間くらい同じ物を着ていたって平気なんです。大切なのは、肌着、子供のくつ下、生理用品、髭剃り、そして化粧品なんです。阪神淡路の震災での経験からそう思います」

ああ、人の営みの全てはディテイルなのだなぁ、って思いました。
「この非常時に、何が化粧だ!何が髭剃りだ!」という考え方は間違っています。
人は、髭を剃る事で元気になり、化粧をする事によって生きる希望が湧いてくるものなのだと思いました。
 
【 最近観た映画の感想 】
 
映画 『コラテラル』  http://www.collateral.jp/  公開中
 
銃で脅迫されていたはずの、しがない運転手・マックス(ジェイミー・フォックス)が殺し屋・ヴィンセント(トム・クルーズ)によって“成長”して行く所が面白い。二人の関係は、映画『笑の大学』http://warainodaigaku.nifty.com/にちょっと似ている。
しかし、何と言っても、『ヒート』のマイケル・マン監督作品なのだ。
時には、道路にコヨーテも現れる夜のロサンゼルスの空気感、あの殺伐としたムードの中、物語は展開する。全篇、何処にも無駄がなく、息もつかせない。実年齢よりも少し上の設定の役を演じているトム・クルーズは、自分を捨てている感じがして来て、益々良くなって来た。久しぶりに大人の男の映画をじっくりと堪能した。 
 
映画 『オールド・ボーイ』    http://www.oldboy-movie.jp/   11月6日 公開予定
 
先が全く読めない展開、丁寧なキャスティング、キメ細やかな美術… 画面の隅々にまでパク・チャヌク監督(「JSA」)の美意識、いや、頑固さが徹底している。ただ、ちょっと“やり過ぎ”だ。でも、監督は、“そう言われるのを承知で、普通の映画2本分以上の要素を詰め込んだ”らしい。濃くて濃くて油っこくてたまらないが、主役のチェ・ミンシクの演技は冒頭から命懸け。すごい俳優だ。 
ああ… これ以上、書くのはもうよそう。
ネタをバラしたくて仕方がない自分が蟻になって今、この部屋中を徘徊している。
こんな妄想も、強烈なこの映画の影響なのでがんす。
 
【 10月2日 土曜日 午後3時30分 雨のち曇り 青森県・弘前市 】
 
「僕はね、物心ついた時から、もう映画監督だったんですョ」
「そんなバカな!」
「いや、本当。 というのはね…」
 
久しぶりに、大林宣彦監督と一緒にトークショーをさせて頂く。
映画『時をかける少女』(’83年)の名古屋キャンぺーンで知り合ってから、もう21年。
俳優として大林監督の作品に出演させて頂いたのは、映画『水の旅人』『女ざかり』
『淀川長治物語・神戸篇〜サイナラ』『理由』(12月18日・公開予定)の4本だが、これまでに、もう何十本も私のラジオ番組に出て頂いている。

お客さんを入れてのトークショーも各地でやったが、東北では初めてだ。
弘前のワーナーマイカル・シネマズで一番大きな劇場に、数百人の聴衆。
特に打ち合わせ等はしなかったが、始まる前から、全く不安はなかった。
大林監督とのトーク・ショーだったら、面白いものが出来るに決まっているからだ。
こんな風に思える人は、私にとって世界にただ一人だけだ。
始まってみると、会場は爆笑の渦。いいお客さんばかりだった。
大林監督の語りは、いつもメロディアスで、何とも言えない心地良さがある。
でも、予定の35分間は、あっという間に(3分半くらいか?)過ぎてしまった。
一番最後に、自称“ベテランの少年”大林宣彦監督は、こう言った。 
「来年も、来ます」  ホ、本当ですか!? 

【 私の最新の出演作品です 是非ご高覧下さい 】
 
テレビ東京・開局40周年記念ドラマ 『新幹線をつくった男たち』 
http://www.tv-tokyo.co.jp/shinkansen/index.html 11月3日午後8時54分から
(高橋一郎監督・音楽・渡辺貞夫、出演・松本幸四郎、三國連太郎、林隆三ほか)
昭和39年10月に開催された東京オリンピック。“アジア初の五輪”に向け競技場や道路の整備、高速道路の建設と、東京は大きな変貌を遂げていった。そしてこの年、もう1つ、日本を変えた巨大プロジェクトが完成した。それが新幹線だった。
私は、土地買収に奔走する幹線局課長・山川を演じています。
 
TBSテレビ・ドラマ 『ケイタイ刑事・銭形泪・第8話』 11月5日深夜26時09分から
怪奇!よみがえったツタンカーメンのご近所さん!〜ミイラ男の呪い殺人事件 
http://www.bs-i.co.jp/zenigatarui/01season/8/8.html DVD&ビデオ発売、レンタル中
(佐々木浩久監督/黒川芽以、山下真司、金剛地武志、諏訪太朗ほか)
日本国際ミイラセンターで、当直の警備員が殺害された。第一発見者は、一緒に勤務に付いていた館山。叫び声が聞こえたので駆けつけてみると、同センターの平田教授の研究室で、彼は既に息絶えていたと言う…。
私は、このミイラ研究所の助手・谷山を演じています。
 
映画 『デコトラの鷲〜会津・喜多方・人情街道』 11月3日から、浅草名画座
(香月秀之監督 /哀川翔、柳沢慎吾、宮下順子、本田博太郎、江藤寛利ほか)
トラック運転手の飛田鷲一郎は、自慢のデコトラ(デコレーショントラック)に乗って、全国を駆け巡っている。今度の行き先は、実家のある浅草から会津は喜多方へ。そこで鷲一郎は、とある女性に出会うのだが…。
私は、その女性(野波麻帆)が勤める養護施設の園長先生を演じています。
 
テレビCM 『花王・健康エコナ』 放映中 
http://www.kao.co.jp/econa/topics/top/cm08.html このサイトでご覧になれます。
ヘディング・シュートに失敗するゼッケン5番のサッカー選手が、私です。
 
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 近頃の朝夕の寒さは、まるでもう冬のようですね。
私の周りでは、風邪を引いている人が多いです。
どうかご自愛下さい。
 
もしも時間がありましたら、あなたの近況等を教えて下さい。
待っています。
では、また!