岡村通信 No.37   「シュワちゃん、チバちゃん」 2003年10月30日


史上最悪の山火事のニュースでコメントを発表するシュワちゃんが、何故か
知事を演じている様に見えて仕方がない私ですが、いかがお過ごしでしょうか?

【最近観た映画の感想】

映画 『キル・ビル vol.1』 http://www.killbill.jp/

クエンティン・タランティーノ監督の第4作目。
彼の、、カンフー映画、マカロニ・ウエスタン、日本の忍者もの、そして、深作欣二監督作品への、巨大なオマージュだ。千葉真一の英語の発音は独特で、台詞をカンでいるが、その存在感はさすが。
女殺し屋・ユマ・サーマンの激しい復讐劇と、西洋人が見た正しい?ニッポン。
しかし、日本のシーンはほとんど中国で撮影されている。

何よりも、タラちゃんが自分のオリジナルの、志が高い映画を目指している所が嬉しい。
最近は、続編とリメイクばかりでちょっとね。
圧巻は、ラストのタイトル・クレジットでの、梶芽衣子の「恨み節」のフル・コーラス。カウリスマキじゃあるまいし、普通、ハリウッド映画でこういう事はなかなか難しいはずだが。それにしても、何て素晴らしいボーカルなんだ。

「これは、本年度ナンバー1かも…」と感無量になり、帰りのエレベーターに向かうと、な、な、何とそこには、本物の梶芽衣子さんその人が…! んな、アホな! でも、そんなキッチュなオドロキの連続こそがタランティーノなんだ。

【10月19日 日曜日 午後1時 川崎市中原区・ガス橋近くの多摩川べり】

叫びたいくらい、良い天気だ。
これまで、多分60本くらいの映画に出ているが、撮影現場まで自転車で行ったのは初めてだ。
バーベキューを楽しんでいる人。野球をする人。サッカーをする人。サックスの練習をする人…。
そして、我々は映画をする人。

オムニバス映画 『悪魔の刑事まつり〜刑事(デカ)発狂』の撮影初日だ。
私の役は岡山県警の磯川刑事。長ゼリフ以外のシーンで、結構NGを出してしまう。
「里美はこんなにはシワはないはず。それに、肩にはエレキバンまで…」という所で、何度も「由実は…」と言ってしまう。相手役は吉行由実さんなのだ。アカンなぁ…。

前夜、佐々木浩久監督から電話があり、「『デカ祭り』というタイトルの映画で、唯一の刑事役なんだから、岡村さんは主役ですョ」と言われ、初めて気が付いた。 そっかぁ、しゅ、主役かぁ…。
しかし、自分はどちらかというと何をやっても“俳優部の一人”という概念しかない。
だいたい、私は“チョイ役”という言葉が大嫌いだ。
役者の大きい小さいはあるが、役の大きい小さいなんてない。
皆、ある役割を与えられてカメラの前に立っている。
そこでは、たとえ喫茶店の鉢植えだって何かの役を演じ、何らかの効果を作品に与えているのだ。
楽屋でのヒエラルキーなんて、作品には何の関係もない。(ピン子さん、ごめんなさい!)

私のキャリアは、叱られた子供みたいにキラキラと輝きながらも、ひっそりとしている。
幸運の女神は今、片目を閉じているが、それがウィンクなのかどうか、まだ区別が付かない。
河原乞食の親玉も兼任している演技の神様は、本業・悪魔のはずなのに目が綺麗だ。

来春公開予定のこの映画は、東京国際ファンタスティック映画祭 http://tokyofanta.com/
(11月1日午後9時から・新宿ミラノ座)で上映されます。

【私の最新の出演作品です  是非ご高覧下さい】

テレビCF 『キリン一番搾り・きのこ炙り焼き篇』 放映中。
役所広司さん(キノコ奉行!)の左側に座っている黒いセーターの男が私です。
15秒バージョンは、このURLでご覧になれます。http://www.kirin.co.jp/about/toku/ad/IS/index.html

FMシアター 『カーン』(文化庁芸術祭参加作品/再放送 )http://www.nhk.or.jp/audio/
  NHKFM 11月8日 土曜日 午後10時〜10時50分 
(出演/近藤正臣、結城しのぶ、佐戸井けん太、宮里駿、吉野悠我ほか)
大阪生まれの野良犬・カーンと耳が不自由な少年の、知的で、泣ける物語。 
私は冒頭のカーンの飼い主と、後半の近所の犬・1の役。 是非お聴き下さい。

映画 『スパイ・ゾルゲ』 http://www.spy-sorge.com/ 
11月14日 ビデオ&DVDレンタル開始。
(出演/ イアン・グレン、本木雅弘、岩下志麻、葉月里緒奈、ミア・ユー他)
日本とドイツの最高機密情報を盗み出し、モスクワに送り続けたスパイ、R・ゾルゲ。 ハンサムにして強烈な個性。誰をも惹きつけるその人間的魅力。スパイであると同時に透徹した目を持つジャーナリスト。そして、プレイボーイ…。巨匠・篠田正浩監督、渾身のラスト・フィルム。
私は、2・26事件の際の朝日新聞主筆・緒方竹虎を演じています。

映画 『Seventh Anniversary (セブンス ・アニバーサリー)』 
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4291
11月22日より、渋谷・シネアミューズで、レイトショー公開予定。
(行定勲監督/小山田サユリ 、柏原収史 、武田真治、津田寛治 、秋本奈緒美ほか)
失恋する度に体の中に石ができるルル。 7回目の失恋、ルルは生まれた石を指輪にする。
ところが、彼女の事がマスコミに取り上げられ、失恋で美しい石を生み出すことがブームに…。
私は、ルルがバイトするキャバクラにやって来る、エッチな高級官僚を演じています。

映画 『著作者人格権』 http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/1493/gyangu.htm
不定期上映。 11月25日(火)午後4時より、日本映画学校にて。入場無料。
(細野辰興監督/木下ほうか、澤井隆輔、大谷志保、高橋明、パスタ功次郎ほか)
若き鬼才と言われた映画監督・鬼迫が営む弱小プロダクションは、新作のクランクイン3週間前にプロデューサー補に製作費を持ち逃げされる。八方塞りの果てに鬼迫は、映画監督に認められている「著作者人格権」を逆手に取り想像を絶する“全く新しい製作システム”を思いつく…。
私は、銀行の貸し剥がしに遭い、追いつめられた町工場の経営者を演じています。

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明日は何と、もう年賀状の発売日ですね。
段々と寒くなって来ますが、どうかお身体を大切に…。

もし良かったら、あなたの近況等を教えて下さい。
待っています。

ではまた!