岡村通信 No.28 
「ゆきゆきて、ユキサダ組」
2003年1月29日

この頃、やたらと寒い日々が続いていますが、お元気でしょうか?

≪ 其の一 ≫ 2002年 私が観た映画ベスト10

  1. 地獄の黙示録・特別完全版
  2. マジェスティック
  3. たそがれ清兵衛
  4. モンスターズ・インク
  5. ビューティフル・マインド
  6. マイノリティー・リポート
  7. ウェイキング・ライフ
  8. 刑務所の中
  9. 少林サッカー
10. アザーズ

≪ 其の二 ≫ 最近の出来事から

2003年 1月21日 火曜日 深夜  調布・日活撮影所

映画『きょうのできごと』(行定勲監督/妻夫木聡、田中麗奈、柏原収史ほか) の撮影3日目。

賭博喫茶から逃げようとして、窓から飛び出し、ビルとビルの狭い隙間に挟まって しまったドジな男を助けようとする救急隊の隊長が私の役だ。
野外にセットが組まれているのだが、それが2日前に見た実際のビルとまるで 同じなのに俳優部は皆驚き、美術さんに敬意を表する。

さて、問題は我々はレスキュー部隊なので、屋上のとても高い位置にいる という事だ。
もちろん、実際の屋上ではない。鉄骨が組まれている所を登って行き 地上20メートルの、1メートルに満たない幅の足場に長い時間、立っている事にな る。
寒い。怖い。眠い…。
はじめは緊張しているのだが、3人の隊員役で、長い待ち時間の間 バカ話をしている内に、自分たちのいる場所の高さをしばし忘れてしまう。

これはとても危険な事だ。
気が付くと、何処にも掴まる場所がなく、空をつかんだ事が何度かあった。  そんな時でも津田寛治くん(松本隊員役)は私に色々と気を遣ってくれ あれこれ面倒を見てくれる。
こういう撮影現場では、俳優はたいてい自分の事しか考えていないものだ。 彼はとても稀有な存在だ。ふと、「演技とは人間性である」という言葉がよぎった。

≪ 其の三 ≫ 最新の出演作品です  是非ご高覧下さい

映画 『宣戦布告』 (石侍 露堂監督/古谷一行、夏木マリ、杉本哲太ほか)
http://www.sensenfukoku.jp/official.htm 2月14日、DVD&ビデオレンタル 開始。日本海沿岸の海。一隻の国籍不明の潜水艦が日本の海岸近くで座礁した。
浮上した潜水艦内からは、戦闘服に身を包んだ男たちが出現し夜の闇の中に 姿を消して行った…。
私は一般市民が犠牲になった敦賀市内の病院前に現れるテレビ局のレポーター役。
非常にデリケートな、しかし絶妙のタイミングで、昨秋、劇場公開。

映画 『刑事(でか)まつり』 (黒沢清、青山真治、篠崎誠、堀江慶監督ほか)
http://www.spice.or.jp/~cineaste/l/1297.htm 2月15日より、シネマ下北沢ほか
今の邦画界を背負って立つクリエイターたちが、決められたルールに従い製作する、 日本版ドグマ(?)が登場! 掟は必ず「主人公は刑事」で、「完成尺は10分以内」 「1分につき1回はギャグを入れる」こと。12本のオムニバスは それぞれ、何の関連性もなく…。
私はその中の一つ、『だじゃれ刑事』(佐々木浩久監督)のラジオのDJ役を 演じています。

先月、オープンした私の公式サイトの「シネマ日記」の項目は ほぼ毎日更新しています。
http://home.catv.ne.jp/hh/boston/

是非、一度、お越し下さい。

もしも時間がありましたら、あなたの近況などを教えて下さい。

インフルエンザが猛威を奮っていますが、どうかどうかご自愛を…。