岡村通信 No.11 「かっちゃん」 | 2001年9月10日 |
ついこの間までの猛暑がウソのようにすっかり涼しくなりましたが、 お元気ですか? 最近の私です。 【 8月 27日 月曜日 曇り時々雨 】 武蔵小杉 かわさきFM 映画『竜二 Forever』は、完成したばかり。この日のゲストは細野辰興監督と忙しいスケジュールを縫って、湯布院映画祭からの帰り、羽田空港から直行して来てくれた主演の高橋克典さん=かっちゃん。 「岡村洋一のシネマストリート」は午後2時からの生放送なのに早朝5時半頃からファンの女性数十人が並んでいた。 ただ一本の主演映画を残して33歳でガンに倒れた金子正次の半生を描くこの映画の主役に、かっちゃんはミスキャストだ!とはじめ私は思っていた。 しかし撮影の時、激しいダイエットで痩せていくかっちゃんは、まるで何かが乗り移ったかの様に、元々の外見はあまり似ていないはずの金子正次そっくりになっていった。 人間はやはりビークル(乗り物)なのだ。そう、彼以外の配役はあり得ない。 番組の放送中一度、かっちゃんの事を「金子さん」と間違えて呼んでしまった。 竜二 「この窓からは、なーんにも見えねえなあ…」 何だか金子正次があの世から今の日本を眺めて一言つぶやいているような台詞だ。 何でもあるから何にもない…、それが今の日本です。映画もある意味ではひとつの窓。さてこっちの窓からは何が見えるのだろうか? 【 8月 30日 木曜日 晴れ 】 渋谷区 円山町 某ホテル 映画『滂沱 less』(出演:長島ゆかり、津田寛治、街田しおん他)の撮影。 これは27歳の新人・遠藤一平監督が2年半以上に渡って撮り続けている力作。 私はこの夏、5本の映画に出演したが今回はとてもデリケートな心をもった娘の父親の役だ。家から出て 行く、と宣言する娘に父親が懇願する。 父 「美月もいなくなったら、お父さん一体どうすればいいんだよ!」 「うーん、やっぱり、ここは台詞を言いながらだんだん泣いていって下さい」と監督。 しかし前後のシーンのつながりがわかりにくく、なかなか急には泣けない。 「チキショー、俺だって伊達に10年も乞食やって来てんじゃねえや!」と、瞬間、 竜二になってみた。本番は一発でOKになった。 ありがとう。 完成したらこの映画を持って世界へ踊り出ましょうよ、と監督。 フフフフ…お若いの、今君が立っているところが世界なんだョ。 【 9月 4日 火曜日 曇り時々雨 】 千葉県 舞浜 東京ディズニー・シーの開業日。 私は人ごみや行列が苦手なので、取材でなければ 絶対この日には来なかったと思う。 この日の入場者 約28,000人。 ブロードウェイ・ミュージックシアターで上演された『アンコール!』は、色々な ミュージカルの名シーンをダイジェストしたレヴュー形式のショー。 初めてニューヨークに行った頃の事を思い出し、不覚にも涙ぐんでしまった。 この40分間の為だけでもここに来る価値はある。 小雨のなか決行された水上パレード。 満員の観客に手を振るミッキーマウスの笑顔にも、初日の緊張の色は隠せなかった。 今回は何だか長くなってしまってすみません。 もしも時間がありましたら、あなたの近況などを教えて下さい。 この頃、朝夕は寒いくらいですね。 どうかご自愛下さい。 ではまた! |