アンコール・トム
バイヨン
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ハスの花の上で踊るアプサラ。ユーモラスな動きに親しみを覚える。 |
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バイヨンのデパターは、アンコール・ワットのものよりも人間味がある? |
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アンコール・ワットとバイヨンの 違いは、単に王の宗教観の違いだけではない。チャンパ軍に一時的に王都を占領された王朝内部では、恒久の平和を望む雰囲気が広がっていたはずである。また、その後の復興期には大胆な行政改革を行う必要性があった。長い間のヒンドゥー教支配により、祭祀を行うバラモン僧たちの権力は増大し、国政に対して大きな発言力を持ち、私服を肥やす者もいたに違いない。これらの社会構造を改革するためにあえて大乗仏教を積極的に取り入れ、新しい官僚システムの形 成を図ったのが、ジャヤヴァルマン七世だったのではないか。バイヨンからはそんな意気込みを感じるのである。 |