泰安

 泰安は山東省の中部に位置し、泰山登山の表玄関である。バスも列車も泰安市街に到着

する。泰山は、泰安(南側)からも桃花峪(北側)からも登る事はできるが大部分の参拝客が

泰安から登っている。中国人にとって、泰山登りは金比羅参りのようなもので、その参道は

泰安にある岱廟から江門を通過して中天門、玉皇頂にいたる泰山中路のルートになるからだ。

 泰安市街からは、岱廟から江門を通る中路と龍潭水庫から始まる西路というふたつのルート

がある。昔からの参道は中路のほうで、この通り沿いには見どころが並んでいる。

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岱廟。

岱廟は、東岳廟あるいは泰山行宮ともいう。9600uという広大な敷地を有する。戦国時代にはすでに廟が建っており、泰山の神を祀った場所だった。

秦の始皇帝以後、歴代皇帝がここで封禅の儀式を行った。古代ではここで封禅の儀式を済ませるまでは皇帝とはみなされなかったため、多くの皇帝がここを訪れている。

  岱廟内建物配置図1/2, 2/2図を合わせて見てください。

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現在の岱廟は、約1000年前の北宋代に拡張された敷地と建物が基になっている。その壮麗さと神聖さは、まさに中国が誇る芸術的建築群といえ、各建物や著名石碑をゆっくり見て廻るとたっぷり一日はかかる。

 

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岱廟坊。

岱廟坊は岱廟の正陽門の外にあり、遙参亭の後ろにあたる。清の康熙帝が在位した時期、布政使の施天橘氏が正陽門の前の空き地を利用して、石で岱廟坊を造った。

 

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