紹興
『厳しい寒さをおかして、2千余里をへだて、20余年間御無沙汰をしていた故郷へ、私は
帰った。季節は真冬、故郷に近ずくにつれて、天気もくずれ、冷たい風が船艙に吹き込ん
で、ウウと鳴った。篷の隙間から望むと、灰黄色の空の下、あちこちにさびしげな村々が
横たわり、何の活気もない。とどめえずして私の心に悲哀がおこる。』(魯迅『故郷』より)
文学者魯迅の故郷として知られる紹興は、杭州の東60km、浙江平原に位置する浙江省
の代表的な都市のひとつだ。全市面積の10%を運河やクリークが占め「東洋のベニス」と
いう異名がある。
春秋時代、呉王夫差との戦いに敗れた越王勾践が、薪の中に臥して我が身を苦しめ、に
がい胆をなめては屈辱を思い出し(臥薪嘗胆)、遂には復讐をとげたところとして知られて
いる。また、清末の女性革命家秋瑾を生み出しており、周恩来の原籍地としても有名だ。
またまた、酒好きの人には忘れてはならない紹興酒の故郷でもある。
流れている音楽は紹興地方の戯曲、越劇”沈園絶唱”の一部です。
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咸亨酒店。 魯迅の小説にも登場した咸亨酒店では本場の紹興酒が味わえる。店先は庶民的な大衆酒場になっていて、夕方に行ったときは仕事帰りに一杯呑む人で満席の状態だった。 |
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咸亨酒店の奥二階は、レストランになっていて三種類のコース料理がある。コース料理は6品ついて200元(日本円で3000円)であった。お酒は10年もの紹興酒が200CC16元(日本円で240円)であった。 でてきた料理は臭豆腐の揚げ物、さや付きの南京豆とそら豆の煮付け盛り合わせ、魚の塩漬けを戻して油で揚げたもの、カニ、豚肉の旨煮、アヒルの心臓を炒めたものなどだった。特に美味いというほどではないが、紹興酒にはぴったりの肴であった。 |
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奥のレストランで飲んだあと、お店をみてみたらごらんの通りまだ満席の状態だった。 |