春 雨 

春雨に しっぽり濡るる うぐいすの    

羽風に匂う 梅が香や 花に戯れ しおらしく       

小鳥でさへも 一筋に 寝ぐら定める 気は一つ     

わたしゃ鶯 ぬしは梅 やがて身儘気ままに なるならば

サア 鶯宿梅じゃ ないかいな サアサ何でも よいわいな


 − 「日本俗曲集」より                               

 



ガイスバーグの復刻版、 「全集日本吹き込み事始め」 によって、明治36年当時の寄席音曲師、徳永里朝をはじめ勝栗、円太郎、花橘等が唄う 「春雨」 を聞くことが出来ます。 昭和に入ってからの「芸者歌手」達の極端なスローテンポとの大いなる違いはその躍動的なリズムにあります。 これが明治のはやり歌というものでしょう。
では「日本俗曲集」の譜を、里朝のテンポで演奏してみましょう。
             電子音で演奏する

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