更新:01/10/08

Intel Mobile Pentium考

Mobile PentiumII
モバイルペンティアム2プロセッサーは、1998年6月に発売されました。デスクトップのPen2のアーキテクチャーに低消費電力、小型化を実現したプロセッサーです。二次キャッシュを含むMPU単体のミニカートリッジとチップセット一体にしたモバイルモジュールがあります。
1999年の1月には256KBの二次キャッシュをプロセッサーコアに統合し1チップ化し高性能低消費電力を実現しました。二次キャッシュをオンダイにしたことでキャッシュのアクセスは、それまでの3倍になったとインテルは言っています。
さらに従来からのMMC(モバイルモジュールカートリッジ)、ミニカートリッジに加えBGA(Ball Grid Array)パッケージが提供され、メーカー各社は高性能、省電力でありながら薄く軽いノートPCを供給出来るようになりました。

 

Mobile Celeron
モバイルセレロンは、PenIIの二次キャッシュ256を128にした廉価版として登場しました。実際には発売当初PenIIの256をつぶして128にしているだけという噂がありました。
事実、MMC2のPen2-400とCeleron400の基盤を見ると違いは、どう見ても一個所だけでした。

内部コア電圧1.35Vで動作する低電圧版インテルCeleron500MHzは、バッテリーの持ちを従来より長くし発熱も抑えました。通常のノートは内部コア電圧1.6V、平均消費電力3W以下に対して、内部コア1.35V、平均消費電力2W以下で動作しました。

さらに、超低電圧版モバイルインテルCleron500MHzは、内部コア電圧1.1V、平均消費電力1W以下だそうです。

 

Mobile PentuimIII
また来週、ということで。

 

Speed Stepテクノロジー
簡単に言ってしまえばこれまでのMobile Pen3がAC電源でも最高性能モードで消費電力(高)パフォーマンス(高)、バッテリーモードで消費電力(少)パフォーマンス(少)で有るのに対してSpeed Stepテクノロジー対応の場合バッテリーモードで消費電力は(少)パフォーマンスを(中)程度にするのが特徴でしょう。インテルは、バッテリー使用時に最高性能時の80%のパフォーマンス、MPUの消費電力を40%程度低下させると言っています。

このプロセッサーは、バッテリー駆動なのかAC電源接続なのかを認識して手動或いは自動でモードを切り替えることが出来ます。切り替えに要する時間は2000分の1秒だそうです。

OSやアプリケーションの変更の必要はありませんが、インテルはこのテクノロジーを実現するためにハード、ソフト両面から手を加えています。システムBIOS、ユーザーインターフェースソフト、スイッチコントロールASIC、チップセット内のサポートがこの時、開発されたコンポーネントです。

つまり、BIOSがSpeedStep対応にアップデートされただけでは対応しないということのようです。

こちらの記事のスイッチコントロールASIC記述部分が参考になると思います。

話はそれますが、私の所有するThinkPad600X (2645−DE9)は、1999年10月発売と聞きました。スピードステップ対応の5FJが発売されたのは2月25日(だったかな)です。

キリンの先祖「オカピ」は、将来キリンに進化することを予測?してワンダーネットと呼ばれる血流調節弁をあらかじめ持っていたそうです。 (^^)
DE9は、「オカピ」のように将来のSpeed Step対応を考慮してこの時点からスイッチコントロールASICを載せていたのでしょう。 まあ、わずか3ヶ月のずれですから。
このおかげで私の「DE9改−5.5FU?」は、750MHzで動いてくれているのでしょうか。

 

Quick Startテクノロジーって
もうちょっと勉強してから。 A^^)

 

低電圧版と超低電圧版
また来週、と言うことで。

 

440BXチップセット
チップセット:

LSIの技術によって集積度が高められ、その昔たくさんのチップで制御されていたマザーボードはいくつか制御機能別のチップにまとめられました。
このひとまとまりをチップセットと呼びます。各ディバイスからの信号を整理してMPUが理解できる形に変換する「通訳」がチップセットなわけです。
マザーボード上に搭載されたこのチップセットのタイプが何かによってそれをベースとしたマシーンの仕様の大半が決まってしまう部分でもあります。

自作PCでは、マザーボードを何にするかが製作者にとって第一の関心事でしょう。ノートPC購入時にこのチップセットが何かを気にする方はあまり多くないかもしれません。しかしスペックには出ていないかも知れない秘めた機能をここから読み取ることが出来るので結構重要なことなのかも知れません。例えば将来のCPU換装に備え(^^) システムバスクロックはどの速度まで対応するのか、サポートされるCPUはどうか、メモリーの最大搭載量は、AGP対応なのかHDDの回転速度の上限は、USBの数は・・・・・。


440BXチップセット:

ThinkPadの多くがこのチップセットを使っていますので440BXの特徴を知ることはThinkPadを知る上で大切なことだと思いインテル社の提供資料などを元に色々調べてみました。もし間違っていたり加筆が必要でしたらメッセージボードへ是非お願いしたいと思います。

440BXチップセットの大きな特徴は、次の三つではないかと思います。

1)FSB100MHzへの対応
2)D.I.Bへの対応
3)AGPへの対応


インテルのチップセットとして初めてFSB100MHzをサポートした結果、従来に比較してメモリーバンドの幅は飛躍的な向上をみせました。これによりアプリケーションは、その動きの面で格段の快適さが得られるようになりました。
また後述のD.I.Bアーキテクチャー採用は、ベンチマークテストなどでは出にくいのですが二次キャッシュメモリーの高速アクセスを可能とし特にアプリケーション実行時に大きな威力を発揮します。
AGPポートのサポートは、従来のPCIバスのボトルネックを解消し優れたグラフィック表現を実現します。
さらに440BXでは、USBコントローラ、UltraATA33対応のIDEコントローラを内蔵しています。

システムバス:66/100MHz
最大メモリーサイズ:1G
メモリータイプ:SDRAM PC66/100
AGP: 2x
ATA:ATA/33
USBポート:2

インテルは、この440BXチップセットへの仕様として「CPUに接続されているB21から状況を検地して66または100MHzに自動調整出来なければならない。」としています。

D.I.B:

プロセッサー内部でMPUコアと二次キャッシュを接続するバスをBSB(Back Side Bus)と言います。
二次キャッシュをプロセッサー内に同居させ、このBSBを同クロックで結ぶことにより430TX等で見られるマザーボードに搭載した二次キャッシュをシステムバス経由でつないでいた旧来の方式に比べると大幅な改善が図られました。この考え方をD.I.B(Dual Indipendent Bus Architecture)と言います。このタイプのプロセッサーは、PentiumII以降に採用されました。
従来の方式(430TXなど)では、二次キャッシュのメモリーにいくらSRAMを搭載しようがメインメモリーのバンド幅に引きずられそれを使った意味が十分生かせませんでした。
これに対してD.I.Bでは、メインメモリー側のバスFSB(Front Side Bus)と全く独立した二次キャッシュ側のバス、BSBをプロセッサーのMPUコアが直接結ぶことによりボトルネックを解消し効率化を図ったわけです。

MMX Pentiumの二次キャッシュバンド幅:

     
533メガバイト/秒  = 8バイト(外部バス64ビット/8ビット)× 66MHz

Pentium2 300MHzの二次キャッシュバンド幅:
(
Mobile P2-300の場合MPUクロック周波数の1/2がBSB速度)

      1200メガバイト/秒 = 8バイト × 300MHz  ÷ 2 


Pen2 300PEからBSBはフルスピードとなり:

   2400メガバイト/秒 = 8バイト × 300MHz となるはずです。

この段階でMMXと比較すると5倍近い高速アクセスを実現しています。


FSB100MHz:

PentiumIIプロセッサーは、350MHzからFSB100MHzを実現しましたがMobile Pentiumでは、PentiumIII 400MHzでようやくFSB100を実現しました。これによってフロントサイドのバスバンド幅は、

     800メガバイト/秒 =  8バイト × 100MHz となりました。

FSB66時は533メガバイトでしたのでメインメモリーでもアクセス性能の向上がわかります。


               

 

AGP:

拡張バスは、時代とともにより高速に、設定はより簡単にを求められるようになりました。
ISA(Industry Standard Architecture)バスは、PC/AT時代の規格による拡張バスでデータバス幅は16ビット、4から8MHz程度の動作です。いわゆるレガシーインターフェースです。

その後インテルはPCI(Peripheral Component Interconnect)バス規格を提唱し今ではこれが国際標準となりました。高速化、Plug & Playを実現しました。データバス幅は32ビット33MHzで作動します。バンド幅は133MB/秒です。ISAが一対一のIRQを要求するのに対しPCIは1つのIRQに4つの周辺を共有できます。

OSは、GUI追求のためより高速なグラフィック表現を求め、インターネットの普及は一般ユーザーニーズとしても高速な画像処理を要求しています。
AGP(Accelerated Graphics Port)は、そんなニーズに応えるためインテルが規格したグラフィックに特化したバスです。データバス幅こそ32ビットとPCIと同じですがAGPx1モードでPCIの倍の66MHzで動作、バンド幅は、266MB/秒となっています。


AGPのバンド幅は、 266メガバイト/秒 = 4バイト(32ビット/8ビット)× 66MHz 

PCIのバンド幅は、  133メガバイト/秒  = 4バイト(32ビット/8ビット)× 33MHz
 
PCIでは、この帯域にいろいろなディバイスが共存しているわけで大量のデータを高速転送する必要のあるグラフィック処理ではボトルネックとなって当然でした。
専用の高速道路を通してもらったAGPは、さらにx2モードで533MB/秒となります。
440BXでは、x2モードのAGPを有しDVDや3Dグラフィックといった世界を可能にしました。


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