2006年3月18日

 2005年11月7日と14日に、「いのちとくらしと雇用・営業を守る神奈川県市民実行委員会」による対県交渉が行われました。そこで取り上げられ、県に示された06年度にむけた高校教育にかかわる要求項目を紹介します。


W、県民が安心して子育てを続け、青少年、成人が豊かな文化・スポーツを享受できる教育・文化・スポーツ行政を求めて

 バブル経済崩壊後の不況が相変わらず続き、神奈川県で子育て・教育をする家庭を直撃しています。幼稚園に入園させたいけれども、高い月謝が払えずに困っている若い親たち、それでも月謝を払おうと深夜のアルバイトを行う若い母親。乳幼児の子育ては、若者の就職難・不安定雇用・ニート化と重なり、大変な様相を示しています。これでは、少子化を脱することはできません。

 高校生年齢も同様です。公立高校を受験しようとしたけれど、学区撤廃による受験地図の激変から志望先が決められず、結局不合格とされた中学生。中学生に的確な指導をしたくとも、同様に指導結果が読めずに困った中学校教師。今までと違った志望先を指導したものの、大幅にはずして合格結果を出せなかった塾や予備校。 反対に、私立高校に行きたいのだけれど、公立高校の5.4倍の学費負担はかなわず、公立高綾に入学した生徒。公立がだめで私立に合格したのだけれど、入学直前になって、経済的理由から私立高校入学をあきらめた生徒。そして、最悪は、頼みの綱と受験した定時制高校も、近くの高校は倍率が高<て不合格とされ、行くあてのなくなった生徒の存在です。

 高度に発達した日本の産業の中心としての神奈川で育つ子どもたらに、行く意欲はきちんとあるのに、幼児教育が受けられない、高校教育が受けられないというようなことが果たしてあってよいのでしょうか。
 「行きたいのに行けない」経験を持った子どもたちは、社会に対してどのような気持ちを抱<のでしょうか。そして、高校や大学を卒業しても、待っているのは、若者を不当に扱う冷たい競争社会なのですから、どうにもなりません。 子ども・若者を適切に遇し、後継世代としてきちんと育てていくのは、私たち大人世代の責任です。そして、健康で文化的な住民生活を用意するのが、地方自治体の使命です。金がないとしたら、ほかの何かを削ってでも、子育て・教育に金を回す。そういう姿勢が求められています。 

 さて、神奈川県の税収は、知事の言い分に反して、好調を続けています。この好調な税収を、県債返済への積立金に入れ込んでしまうのでなく、私たら県民の生活にそれ相当な額を回してください。幼稚園に入れたい家庭、私立高校に通わせたい家庭に、一定額を補助すれば、経営に困る幼稚園、私立高校も経営が安定し、行きたいのは入れない幼児と中学生がいなくなるのです。そして、公立を希望する中学生が、全員全日制に入学できることになります。定時制高校や通信制高校は、現在求められている社会的使命を適切に果たせることになるでしょう。最後にもう一度強調します。県民生活の質の向上のため、県政の子育て・教育など福祉的側面に思い切って金を回し、生活安心県としての神奈川を実現することを切に願います。そのための、要求を下記に記します。

1.子どもの権利に関する項目

(1)子どもの権利の実現について
 @現在県が進めている様々な教育政策は、現実に学校で学習している児童・生徒の意見を反映して作成されていない。児童・生徒に直接影響を与える入試、学区、授業評価、ボランティア等の政策に対し、児童・生徒の意見表明を保障すること。そ場合に、単なるアンケート実施などにとどまることなく、児童会・生徒会の場で、児童・生徒の討論を保障し、その結果を集約して政策に反映させること。
A学校評議員会に、児童・生徒の代表も関わらせること。

(2)入学式・卒業式について
 @入学式、卒業式を、入学や卒業を祝う式とするため、各校独自の方法と内容で行うことを認めること。
 A「君が代」斉唱、「日の丸」掲揚の強要・押しつけをやめること。特に「斉唱」「起立」などで子どもたち・保護者・参加者・教職員の内心の自由が侵されることのないように手だてを講ずるよう指導すること。

(3)子どもたちをさまざまな人権侵害から守るためにゆがんだ性の情報や誘惑があふれるなかで、科学的視点に裏打ちされた小中学校の性教育が、いまますます重要になっています。ところが、からだを教え、いのちの大切さを教えるために、父母の理解も求め、ともに考えながら、系統的な性の指導に全校をあげてとりくんで、実績を蓄積してきた学校を、一部のマスコミや団体が特定の考え方にもとづいて非難し、攻撃して<る例が県内でもおきています。県教委は、子どもたちの実態や保護者の要望をくんで実践している研究をはげます立場から、そうした外部からの不当な干渉には、毅然とした対応を行うこと。


2.国・県の教育行財政に関する項目

(1)全般に関して
 @日本国憲法26条では、義務教育は無償とすると明記されながら、教育費負担は家計を圧迫し、持ちたい子どもの人数だけ子どもを持てず、少子化の原因になっています。個人の教育水準を上げることは国の未来をつ<ることにつながります。教育予算の拡充を国に要望すること。

 A教育委員会への陳述は県民の生の声を届ける場として大変重要です。横浜では10分、藤沢では制限がないと聞いています。これに対して県教育委員会では、わずか5分です。せめて、15分から20分くらいは認めていただくように検討すること。

 B県は、児童生徒と教師の人権尊重のために、安全な学校環境の維持管理に努めること。
 C 2002年より文科省は、就学奨励補助金の補助率引き下げを行ったが、これによって保護者の負担額が増えることのないように保障すること。

 D県教委の全日制高校募集定員計画が達成できるよう、学資補助制度の大幅な充実・増額をはかること。公私立高校への入学に支度金制度を新設すること。
                                              
(2)県育英奨学金に関して
 県特別奨学生の返還免除規定を従前に戻し、学校長が良好な学校生活を送ったと認めた者も返還免除の対象とすること。

(3)県費旅費に関して
 学校配分の県費旅費の使途は、修学旅行、部活動などの学校行事・子どもの引率など削減しようのない項目が多い。義務教育無償の原則、父母負担の軽減、教職員の研修権保障のため、公務出張のすべてを賄うだけの額を配分する必要がある。特に、01年度から県費旅費支給方式が変更された。研究会への出張の制限や中学校の部活動の練習試合などで出張する場合に自己負担の実態がある。そこで、旅費支給(支給打ら切りなど)の実態を調査し、制度の問題点を明らかにするのは県教委の責任である。直ちに自己負担、父母負担、PTA負担などの実態を調査し、その結果を明らかにすること、と前回も求めたが、「再配当予算の範囲内で、計画的、効率的な執行をお願いしております」との回答であった。再度、以下の回答を求める。

 @憲法、教育基本法にも反する現場実態があると県民が調査を求めているのに、なぜ実態調査を拒むのか、明らかにするとともに、抽出調査でもよいので実態調査をして、その結果を県民に明らかにすること。
 A「再配当予算の範囲内で」ということは、研究会への参加や部活動の練習試合などの教育活動を打ち切れというのであろうか。

(4)県立高校に関して
 @各校に配当される維持運営費(備品費50万、需要費、修繕費120万、図書費25万、部活動援助費など)を、93年の削減以前に戻すこと。
 A県職員のリストラをやめ、学校事務職員を4人、現業職員を3人を最低限配置すること。

 B各校に配当される維持運営費が減り続け、施設設備の設置や修繕に1件100万以上の私費を投入している県立高校があらわれてきた。県教委としての県立高校での私費の使い方の基準を示すこと。また、私費使用による学校施設設備の設置修繕等の実態調査をすること。また、すでに調査しているならその結果を明らかにすること(資料請求)。

 C県立高校の私費負担が全国平均より高く、神奈川の教育の特徴として全国でも知られている。昨年は、ゴミ置き場や屋根の補修、植栽工事、配水管の清掃、体育館扉の修理、図書全般、図書館用事務用品、指導書、プリンターインク、理科のハサミや分光器、実験実習費、書道の半紙から筆まで、授業に必要なものであっても、私費なくして学校は成り立たない状況である。
  来年度はPTA会費を上げることがないよう、県費の増額を行うこと。

 D従来は、修学旅行費用の上限の目安があったようだが、最近は、海外修学旅行、4泊以上の航空機利用の修学旅行など、費用面での歯止めがな<なったように見える。県として修学旅行費用についての指導基準があるのか明らガにすること。また、景気のきびしい昨今、こうした風潮を、私費負担軽減の観点から、県教委としてどう考えているのか明らかにすること。

 E業者模擬試験を課業期間中の授業時間に実施している県立高校が増えている。業者模擬試験の業務に県立高校の教員が従事することや、特定業者の事業を県立高校の授業として行うことは法的に問題があると考える。県教委としての見解を示すこと。
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(5)次のことを国へ要望すること。
 @就学援助の適用対象を広げ、援助額は実費にすること。
 A学校保健法に定める疾病の中にアトピー、アレルギー病、う歯以外の歯の治療も入れること。
 B学校事務職員・栄養職員の給与国庫負担制度の堅持すること。
 C義務教育費国庫負担制度を堅持すること。
 D教材費・旅費の国庫負担制度復活を図ること。   .
 E第8次教職員定数改善計画の策定及び大幅に教職員定数を増やすこと。また定数の県独自運用を認めること。


4.児童・生徒の必要に応じた学校運営をすすめるための教職員の定数改善に関する項目

(1)県立高校の教職員の週あたり授業持ら時間数を最大で15時間とすること(1時間の授業に1時間の準備が不可欠)。この場合、総合的学習の時間は、授業時間に含むものとする。

(2)県立高校の学校設定科目の授業を部活動嘱託員に行わせるなど、信じられないことが起こっている。県の認めた学校設定科目については、その科目の指導に可能な非常勤講師をきちんと配置すること。

(3)全国最悪の小中高生の暴力行為、不登校、陰湿化するいじめ問題などの解決は緊急対応を必要としている。それを未然に防ぎ、子どもたらの精神的不安解決や、保護者・教職員の相談にも大きく役立っているスクールカウンセラーと相談員の全学校配置を国に要求するとともに、県独自の措置でも現在の配置数を大幅に増やすこと。県立高校のスクールカウンセラーについては、5校に1人配置し週1回の頻度で巡回できるようにすること。

(4)県立高校定時制に養護教諭を専任配置すること。また、大規模校には複数配置すること。

(5)現在の保健室は精神面からも子どもたちをささえている。その今日的役割を考慮し、すべての学校に養護教諭を複数配置することを国に要求すること。障害児学校の高等部設置校には3人の養護教諭を配置すること。保健室登校の生徒数と指導職員の実態と教職員からの要望を調査して明らかにすること(資料請求)。そうした生徒がいる学校には、指導するための補助員を配置すること。

(6)大規模校と変わらない校務を少人数でささえ、子どもの指導が手薄になりがちな小・中学校の安全のために、11学級以下の小規模校に教職員を加配すること。

(13)ここ数年の高校入試における混乱により、定員枠を増やされた定時制の中は大変な混乱をきたしています。不登校であった子どもの精神的なサポートもほとんど行われなくなっています。適正規模2クラスという理想からは程遠く、6クラス編成にもなると、教員の目が行き届かず問題行動が多発し、先生方は学校外の生徒指導におわれて疲労困憊しています。その結果、生徒の学習環境を守るため、授業時間中であるにもかかわらず、教室内外で騒ぐ生徒に「家へ帰るように」という苦渋の言葉がけをせざる得ない状況になっています。また外国籍の生徒が多く在学するのに日本語教師の予算が切られ、意志疎通できない子どもたちの荒れも目立っています。教室や設備の不足も目立ちます。先生方の加配増員と適正規模維持のための環境を整えること。


4.児童・生徒の必要に応じた学校運営についての項目

(1)教職員の人事評価制度、研修制度問題について
@長期休業中の校外における研修をより簡易な報告書ですませるようにすること。また、研修を現在行っている科目に直結するものとするというような狭い範囲のものとせず、教師としての教養や知見を広めるものも対象として認めること。今のままでは、各種の研究会や様々な展覧会、展示会、催し物などに参加する意欲をそがれ、細かい報告書を書<ことで、教職員の心の中まで管理職に覗かれるように感じる。あるものを見てそれをどう感じたかまで報告することは、プライバシーの侵害にあたると考えられる。県民への開示義務云々もよいが、まともに研究をしようとする教職員の意欲を削ぐことは、結局学校の教育力が落ちることになる。形式的な見解でな<、教育論的な見解を示すこと。

A生徒に直接目を向ける教育実践から、管理職の意向に則った教育実践を教職員に求め、学校の活力と教育力の低下を招<現行の教職員の人事評価をやめること。また、県の指示に「応える、応えない」を人事評価の基準としないこと。また、勤務時間以外のことを評価の対象にしないこと。

B新2級や新たな職を導入し、学校教員に今以上の階層を持ら込むことは、管理的な教育手法、競争的な教育手法を学校に持ち込み、当面の成果を求める取り組みに重点を置き、教職員集団のチームワークを崩し、教職員のモラールダウンを招き、結果として県教委の思惑に反して一層の学力低下と、一層のいじめや暴力を県立高校に持ち込むことになる。国家100年の計に直結する学校教育を拙速な議論で破壊しないよう、新2級、新たな職の導入を見送ること。

D県教委が実施している人事評価制度は、いま、教職員の目を子どもよりも管理職や行政に向けさせ、学校の開放的な雰囲気や管理職との信頼関係をゆがめ、子どもたらが犠牲となる事態へとすすむことが心配されている。教職員の評価は、子ども、保護者、同僚、専門家なども参加して、教職員の力量向上をめざして行われるべきである。それは本人に開示され、本人が納得し、より一層の努力につながるものであるべきである。また、苦情処理は第三者機関にゆだねられるべきであることは、ILO勧告でも明らかである。県教委は人事評価制度実施の異休的な問題点をあらいだし、県民に公表するとともに中止をふ<む抜本的見直しをすること。

(2)教職員の多忙化・時間外勤務問題に関して
 @教職員が行う長期休業中も含む土日の生徒への補習や生徒・保護者との面談も、部活動指導同様に振り替えや特勤の対象とすること。突発的な生徒指導等による超勤も振り替えやずれ勤、特勤の対象とすること。

 A厚生労働省通達「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」では、「労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」その記録は「3年間保存すること」とされている。さらに、国会答弁では、「一般的には命令のない勤務につきましても始業時刻に入る」  部活動などについても入る(第153回国会・H13/10/30参議院文教科学委員会・矢野文部科学省初等中等教育局長答弁)とされている。通達についての考え方には、「労働者や労働組合等から労働時間の把握が適正に行われていない旨の指摘がされた場合などには、当該実態調査を行う必要がある」とされている。、前回も「指導してまいります」と答えているが、現場実態としては何ら改善されていない。その実態調査を直ちにすすめるよう求める。さらに、教職員定数などの関係からも市町村立学校にも徹底をはかること。

 B教職員に時間外勤務を命じることができるのは4項目に限定されているが、実態としてそれ以外の時間外勤務があることを県教委は認め、その解決を校内操作に求めている。前回「一定の要件下で勤務時間の割り振りを弾力的に行えるよう検討する」と答えているが、その内容を明らかにすること。それによって時間外勤務の回復がどれだけ改善されたか明らかにすること。

C労働基準法の主旨からして、「休憩を勤務時間の途中におかなければならない」規定は、「勤務の始めまたは終わりに置<ことが認められない」規定とどちらが上位の規定か、県教委の見解を改めて示すこと。


5.児童・生徒がよりよい学習生活を送るための学級編成について
(1)県立高校の全日制30人以下学級、定時制25人学級を実現すること。
(2)当面、定時制1クラスの人数を35人以下に戻すこと。また、1学校当たりのクラス数も、2002年度の臨時学級増以前に戻すこと。


7.児童・生徒が安心して過ごせる学校施設・設備・事業に関する項目
(1)全般について
 Dアスベスト材の使用状況や、劣化状態、対策処理後の老朽化による影響について、専門家による総点検を実施すること。また前回調査結果(平成10年7月)との比較を行い必要な対策を講ずること。

(2)定時制高校について
 @一昨年の政策評価(事業評価)で定時制高校の給食がBランクとなった。その理由に食数の問題があると聞いている。実際に定時制高校に通っている子どもたちから、「質が低<、食べようという気持ちにならない」という声が届いている。これでは食数は増えない。高校改革や親の経済状態から勤労青年を対象としていた定時制とは変わって、今や中学を卒業してすぐに入学する成長期の生徒がほとんどとなっている。補食ではな<給食として位置づけ、食数が増えるように予算措置も含めて改善すること。

 A夜間定時制全校へのグランド照明の設置および屋内照明改善など、定時制の教育条件を改善すること。

 B教科書無償・給食費補助制度について、生徒の実態にかなった認定基準の弾力化を行うなど、定時制の給食費や教科書代を自己負担させないこと。

(3)県立学校について
@耐震診断を行い、耐震工事を即時に着手すること。未調査校舎、着工計画を明らかにすること(資料請求)。また、体育館も耐震診断の対象にすること。

Aアスベストフェルトを撤去すること。


10.県立高校再編・入試改革にかかわる項目
(1)公立高校入学者定員枠について
 @学ぶ意欲を持つ者が、高校進学の道を閉ざされることにないよう教育環境整備をはかること。
 A04年度、05年度と、計画進学率を引き下げ、公立全日制高校の定員を削減して、多<の子どもたちに高校進学を断念させる事態を招き、全日制高校への進学率が90.0%と30年前の水準に落ち込み、全国最下位の愛知に次ぐ全国下から二番目となった県教委の責任は重大である。高校進学希望者の希望校種への全員入学を保障するため、全日制の計画進学率を95%以上に引き上げること。同時に、全日制高校の公立・私立の募集定員計画を全日制希望者は全日制に進学できるよう抜本的に見直すこと。

 B不登校の子ども達の多<は新たな出発を望んで強い進学希望を持っています。そして公立全日制への進学を望む場合が多いのですが、現在の状況では内申点や学力不足から多<は定時制や工業高校等への進学指導が行われて不本意入学につながっています。また学区撤廃や統廃合により地域の高校へ進学できにくくなっています。私立への進学は経済的困窮で不可能な子どもが多いのです。
 公立全日制の不登校定員枠を拡大すること。

C定時制高校の地域性、今日の定時制高校の果たしている役割を考え、横浜市教委と川崎市の定時制再編合理化計画を抜本的に見直させるために働きかけること。

(2)高校入試について
@前期選抜、後期選抜の導入で、面接対策やPR書作成に気を取られ、中学3年生の12月以降の学習生活が空洞化し、学力低下を引き起こしている。前期、後期と2回に分けるのではな<、2月中旬の1度の入試で合否判定をすること。受験生全員が面接等を行い、学力検査を受ければすむのだから、何の問題も起きないはずである。 

A私学の手続きの日程を各校できるだけ短い期間に集中し、中学3年生の3学期の正常な生活を保障する手だてを講ずること。前年からの改善点を示すこと。

B学校間格差を拡大し、受験競争を激化させる学区の撤廃は中止し、普通高校の偏りについては隣接学区で調整すること。また、独自問題の作成、入試と調査書の学校ごとの比率問題、重視する内容など複雑すぎる入試制度を抜本的に見直すこと。

C学区の完全撤廃で、通学時間、通学形態にどのような変化があらわれたか明らかにすること

D新入試制度の問題点を検証するために、たたちに受験生、中学・高校に実態調査を実施し、公表するとともに問題点の改善をはかること。

E前期選抜を受験し不合格となり、後期選抜を受験する場合は、後期試験の受検料は無料とすること。また、2次募集で受験する場合も、無料とすること。


(3)高校再編について
@県立高校再編計画の後期計画の高校削減を中止すること。計画策定時の生徒数より5000人を増えることが明らかになり、適正規模の高校を前提とするならば、これ以上の高校削減は県の方針とも相容れないものとなっている。

A多様化政策については前期分の到達点と問題点を検証するために、公聴会、シンポジウムなどを開き、広く県民の意見を聞き、改革推進計画を見直すこと。

B高校再編と高校入試制度改革は広く父母県民の意見をくみ入れて見直すこと。

C泉区に新設される通信制高校の準備状況について明らかにすること。また現在の通信制の規模を縮小することは行わないこと。

D前期再編校で、1人の教員が自分の専門科目以外の科目も含む5〜6科目を担当している学校がある。県教委として、こうした科目担当数のもとで、生徒に対して責任ある授業を当該教員が行いうると考えるのか、明確な回答をすること。

E県が県立高校に次々指示する最近の様々な指示は法的根拠が示されていない。明らかな法的根拠を示すこと − ボランティア、キャリアガイダンス、地域貢献、生徒による教員評価など − (資料請求)。また、ボランティアの強制や地域貢献の強制などは、生徒と生徒を指導する教職員に対する憲法18条にある奴隷的苦役の強制となる可能性がある。その点についても、法的に明らかにすること。また、各校における教育課程編成権の自主性を侵さないこと。


11.不登校の子どもたちが豊かに生活できるための項目
(1)青少年サポートプラザの設置は一つの前進ですが、学校に所属していない過年度生に関しての相談窓口がなく、情報もありません。進学や進路に関しての相談窓口の設置を行うこと。

(2)不登校の子どもたちの現状を理解し、教育行政に反映するために、不登校の親の会やフリースペース運営者との懇談会を設定すること。

(3)フリースペース・フリースクール・親の会などはほとんど補助金もなく、運営に困難をきたしています。公的な補助を行うこと。

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