2001年11月18日

2002年度に向けた対県交渉  「定時制に関わる要求項目」

県民が安心して子育てを続け、青少年・成人が豊かな文化・スポーツを
                         享受できる教育・文化・スポーツ行政を求めて




1.子どもの権利に関する項目

(2)「日の丸」「君が代」の教育への強制・押しつけをやめること。入学式・卒業式などの学校行事では参加する子ども・保護者・教職員の内心の自由を保障する具体的な手だてを講ずるよう指導すること。

(3)外国籍児童・生徒の日本語教室の増設と充実を図るとともに、日本語教育の教員の増員を国に要求するとともに、日本語に不自由な児童・生徒が在学する学校には、児童・生徒の指導および保護者との対応のために国際化にふさわしく児童・生徒の母国語ができる教職員を派遣すること。



2.国・県財政に関する項目

(4)昨年度給付制度が廃止され、県の奨学金が借りにくくなり、申込者数は県の枠にも満たなかった。これを受けて今年度は奨学金の受給基準を374万円から538万円に引き上げた。しかし就職難をはじめ、将来に対する不安感がある以上、借りにくい制度であることに変わりはない。給付制に戻すことも含めて改善し、教育の機会均等の確立に努めること。昨年度と今年度の予算枠、申込者数、貸与実態数を明らかにすること。

(7)就学援助制度の充実をはかるとともに、必要な人はだれでも利用できるよう、国が示す時代錯誤的な「14項目の認定の目安」を押しつけないこと。また、就学援助制度の充実については、その募集手続き、広報、認定枠、時期などが、各市町村により違いがあるが、その実態を明らかにすること。また、その制度を受けている児童・生徒数を明らかにすること。




3.児童・生徒の必要に応じた学校運営を進めるための教職員定数を主とする項目

(2)高校教育について

@今年度の単独措置でスクールカウンセラー18名が配置されたが、拠点校以外の学校では生徒のカウンセリングができるまでに至っていない。また、再編対象校には、非常勤講師として週1日スクールカウンセラーが配置されている。これらの学校でのスクールカウンセラーの活動の実態や成果を明らかにしつつ、希望するすべての学校にいち早く最低週1日のスクールカウンセラーの配置を実現すること。

A工業、家庭科、芸術など欠員が生じている教科については、新規学卒者の採用をして定員補充を行うこと。




4.児童・生徒の必要に応じた学校運営についての項目

(1)教職員の勤務実態について

 学校教育が課題を多く抱える事態の進む中、教職員の労働基準法および給特法に基づく働き方を保障することと、児童・生徒へのていねいな指導を行うことの両立が学校現場の課題であり、子どもの居場所としての学校、安心できる場としての学校を保障するためにも教職員の無理な勤務で成り立つ現実を早期に解消する必要がある。

@厚生労働省通達「労働時間の適切な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」が教職員にも適用されることが国会で明らかにされているが、県教委のとった措置を明らかにすること。

A文部科学省大臣は、勤務実態調査のようなものが必要と答弁しているが、県教委も教職員の過密労働の実態を調査し、その改善策を明らかにすること。

B前略 中学校や高校では、「空き時間」があるから休憩時間は特定する必要がないという管理職の見解で実際は空き時間が見回り、立ち番やその他指導および教材研究に費やされ実質的に休憩時間がとれない実態がある。この実態についてどう考えるか回答すること。また、法・条例に定めるとおり、児童生徒が学校にいる時間帯に、教職員が休憩・休息をとれるように人員配置や休憩室の整備を急ぐともに、その具体的計画を示すこと。

C児童生徒の安全管理上、児童生徒が学校にいる間は、休憩・休息を取得できない教職員の特殊性を確認すること。また、条件が整うまでは、学校の実態に応じ、児童生徒への指導の充実の観点からも休憩・休息を勤務のはじめまたは終わりにおけるよう規則の運用を行うこと。

(2)教職員の人事評価、賃金制度、および開かれた学校について

@教職員に対し、校長・教頭などの管理職や県教育委員会などの「上からの」人事評価制度を導入し、あわせて評価を賃金に反映させる差別賃金制度を実施することは、教職員の相互の学びや協力・共同した学校づくりを妨げ、不必要な管理と競争を教育の場に持ち込み、結果として子どもたちの成長や健全な学習生活を壊すことになる。人事評価制度と差別賃金制度の導入は見送ること。

Aいわゆる「指導力不足教員」と認定されざるをえない教員を必ず生み出す、教職員に対する相対評価と差別賃金制度の導入は見送ること。

B保護者や児童・生徒の声が反映され学校運営に関わることのできる「開かれた学校のシステム」を作ること。このシステムの中で、学校や教職員に対する評価が行われることがあるが、個別教職員についての評価は、当該教職員の指導力形成に資する形のものでなくてはならないこと。



6.児童・生徒の実態に見合って、ゆたかな学校生活を作り出す教育課程に関する項目

(1)教育課程の編成権が学校にあることをふまえ、地域や子どもの実態に根ざした学校づくりを活性化させる意味からも、学習指導要領を強制することなく大綱的位置づけとすること。

(2)入学式や卒業式を、児童・生徒を主体とした行事とすること。




7.児童・生徒が安心して過ごせる学校施設・設備・事業に関する項目

(1)定時制の夜間給食単独事業および、教職助成事業制度を復活させ、グランド照明の抜本的改善を進めること。

(2)100校計画以前からの県立高校で、校舎が老朽化し、雨漏りのする校舎や飲むに躊躇する水道水、老朽化が進むのみならず古い基準による設計のため排水管などが細く悪臭のするトイレなど、生徒の生活環境が悪化してきている。私費など業者を入れ排水管等の徹底的な清掃を行ったところトイレの臭気が消えた高校もあると聞く。県の財政と責任で一日も早く改善すること。
 また、各学校でトイレの快適性についての生徒対象のアンケートを行うなどの生徒の声や要望を調査すること。

(3)近年の猛暑の中で、授業中の暑さにより健康を害する生徒や教職員も増えている。また、一部の県立高校において空調施設のもとで学習生活を送る生徒がいる一方、多くの学校では夏の暑さの中で学習生活を送らざるをえなく、差別と言うべき実態となっている。生徒の教室、職員室など学校の冷房化を緊急に進めること。




10.県立高校の再編・入試改革に関わる項目

(1)高校進学希望者の希望校種への全員入学を保障するため、私立高校生への直接学費補助の対象枠と金額を増やすなどして、全日制の計画進学率を95%以上に引き上げるよう改善すること。また、県立および市立をあわせての定時制高校の募集枠を確保すること。

(2)「県立高校定時制再編計画」(1997年2月)による「募集停止基準」を見直し、三浦地区における県立夜間定時制の募集を再開すること。

(3)「県立高校改革推進計画」の進捗状況を保護者・県民に公表すること。また、2006年度以降の後期計画においては、2007年以降中卒生徒が増加傾向に転ずる予測を踏まえて、県立高校の統廃合を行わないこと。

(4)学校間格差を拡大し受験競争激化を招く学区拡大をしないこと。今年度の入試で両極分解化が見られ、子どもたちに新たな競争教育を生み出す学区外受験枠拡大を中止し従来の8%に戻すこと。

(5)新入試制度の問題点を改善するため、学者など第3者機関による客観的調査を実施し、生徒・教職員・父母県民の意見を尊重した改善をはかること。とくに、「複数志願制」は様々な問題を生んでおりいち早く廃止すること。また、推薦制の枠の拡大を行わず、すでに実施している高校で実情に応じて「枠の縮小」や「枠の廃止」を必要とした場合にはあそれを認めること。

(6)今年度発足した「入学選抜制度・学区検討協議会」を県民に開かれたものとすること。県民からの意見聴取等を行わずに決定することはしないこと。




11.卒業後の就職や青年に夢を持った生活を保障するための項目

(1)ますます深刻化している若者の就職難を改善するため、雇用拡大の施策を講ずること。
@県職員の高卒新規採用を拡大すること。

A男女雇用均等法の趣旨にもとづき、県内各大企業の雇用における男女参画状況を公表すること。

B中小零細企業に就職した新入社員に対する共同研修や交流の場となる施設の整備を行うこと。
 

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