2007年9月8日
9月1日、高校定員問題緊急集会「なぜ、希望しても高校に入れない?」が横浜市の市従会館において開かれました。主催したのは、「かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会」(不登校の親の会、フリースペースすずらん、かながわ定時制教育を考える会、定時制を守る市民の会かわさき、横浜市立定時制高校の灯を消さない会、新婦人など10団体で構成)で、父母や中学校、高校の教職員ら32名が参加しました。
始めに、「かながわ定時制教育を考える会」の事務局で高校教職員連絡会の教員が「07年度入試結果と定員計画の問題点」と題して基調報告をしました。
神奈川の高校入試がここ6年にわたり定時制の入試で大混乱し、この3月の入試ではついに全日制高校の進学率が89.3%にまで低下、おそらく全国最低になることが報告されました。この原因は、99年度から始まった「県立高校改革推進計画」によって県立高校が25校削減されたことと、経済状況の悪化により私学が入学定員枠を満たせなくなっていることにあるということでした。
その後、会場からは公立全日制の入学定員枠が少なく、入試制度が改悪されたことから、子どもが二度、三度入試に落ちてしまい、まさに「15の春に泣いている」状況が報告されました。
県立定時制高校の教員からは、全日制を落ちた子が定時制を受検するため、定時制の合格枠が志願変更後増やされる一方、クラスの生徒数が全日制より多くなっているのに見合った教育条件整備が全くと言っていいほど行われていない実態が指摘されました。
また、私立高校の教員からは、神奈川県の私学助成が全国最低レベルであることが出されました。さらに、不登校の子どもを持つ母親からは、不登校の子が定時制を希望しても全日制を落ちた子が大量に定時制を受検してくる今の状態では、子どもがやり直したいと思ったときに、受け入れてくれる場がないということ、こうした場を、ぜひ確保してほしいということが強く訴えられました。