2003年3月2日

 2月28日、県内の教育関係等6団体が、岡崎県知事に対し、2003年度の高校入学定員に関する緊急措置の「要請書」を提出しました。6団体によると、全日制と定時制の入学定員枠をこのまま変更しないと、300人以上の行き場のない子どもたちがでることが予想されます。
 そこで6団体は、全日制の2次募集において、300人程度の緊急募集を行うことと、横浜市立高校定時制の募集再開などを要請しています。

 以下に、その「要請書」を資料として紹介します。


2003年2月28日

神奈川県知事 岡崎 洋様                 

2003年度高校定員に関する緊急措置の要請書

                                   

県民要求を実現し、県政の革新を推進する連絡会
事務局長  神田 敏史

                                                    

新日本婦人の会神奈川県本部
会長  柳下 靖子

                                                                                        

神奈川県教育運動連絡センター
事務局長  小島 達司

                         

子どもと教育・くらしを守る神奈川県教職員連絡協議会
議長  福田 やよい

横浜市定時制の高校の灯を消さない会
   代表  高坂 賢一



 貴職におかれまレては、神奈川の教育の充実のために、日ごろがらご努力されていることに敬意を表します。
 私たちは、昨年も、希望する子どもたちに高校敦育を保障できる条件整備を求めて要請を行ってまいりましたが、昨年度の一部合格枠拡大、今年度の高校募集定員拡大などの一定の改善がはかられたことに感謝申し上げます。

 しかし、今年度の公立高校の志願・受験・辞退の状況をみますと、昨年度以上に大量の不合格者がでることが心配されます。

 県当局が「同じような事態を招くことのないように努める」と議会答弁なさったように、うまくおさまるとはとても考えられません。私たちの分析に不十分さがあっての心配ならば、その根拠をご指摘願います。そうでないなら、子どもたちに学習の保障されるように、以下のような緊急措置等をとっていただくよう要請いたします。

言己

1.2月18日現在、県内公立高校受験者数は39,016人(全日制38,988人、定時制28人)であり、その定員は31,247人(全日制31,229人、定時制18人)である。辞退等考えなければ、7,769人の不合格者がでます。しかし、定時制の残された定員は、2,250人(定員2,345人のうち横浜総合の推薦60、初声分校35人は決定ずみ)であり、その準備率は29.0%である。ちなみに、01年度は36.7%、02年度は32.9%(定員枠拡大、合格枠拡大など緊急措置人数を含んだ定員数から算定)でした。

 公立高校全日制の辞退者、不合格者で私学への進路変更などをする人の割合が前年度と同じように推移すると仮定した場合、300人以上の行き場のない子どもたちがでることになります。

 これは、私学助成の貧しさと家庭の経済状況の悪化を背景に、県教委の現実を無視した高校再編・定員削減強行、横浜市教委の定時制統廃合・一部募集停止強行などの結果です。今年の公立志向の強さは、全日制高校の受験日までの取り消し者、欠席者の減少(前年比−573人〕にもあらわれています。

 定時制の定員不足は、県内で9,100名をこえる不登校の小中学生、毎年3,000人をこす高校中退者、そして学習につまずいた経験のある子どもたち等にとって死活問題であるとともに、中卒の無業者を大量にだすという社会的にも重大な問題です。

2.全日制高校2次募集については、3人以上の欠員のでた高校で募集するとの条件をを変更して、1〜2人でも募集するとともに、300人程度の緊急募集を実施すること。

3.定時制高校については、昨年度、今年度と定員の拡大が実施され、横浜地区の定員のこれ以上の拡大は、定時制高校のよさ・質を変え、子どもたちの求める教育が保障されないとの批判が強まっています。

 そこで、在校生もいて、校舎もあって、教職員もいながら募集停止とした港高校、横浜商業高校、鶴見工業高校の定時制の募集を再開するよう横浜市教委と協議して、その実現をはかること。

4.こうした事態にたいして、県教委はどのような分析にもとづいて、どのような緊急措置をとるか、その考えを県民に明らかにすること。

以上

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