2003年7月30日

  定時制生徒・保護者らが「わたしたちの大切な学校をなくさないで!」と強くアピール

 7月26日(土)、埼玉県さいたま市大宮区にある埼玉市民会館小ホールにおいて、「定時制の灯を消さないで!」首都圏集会が行われました。この集会は、埼玉県の定時制生徒・保護者、教職員が呼びかけ、それに応えた茨城、川崎、横浜、東京などの定時制生徒、保護者、教職員が実行委員会を結成し、2ヶ月以上準備を重ね、開催にいたりました。
 この間、東京を先頭に夜間定時制を統廃合していく動きが急速に強まっている中で、各県で定時制の生徒・保護者、教職員などが定時制をなくさないでほしいと統廃合反対の運動に立ち上がっています。今回の集会は、このような各県の運動を互いに情報交換し、交流することによって、統廃合反対と定時制教育の充実のために、よりいっそうの運動の発展を図ることを目指して開かれました。

 
 集会は、埼玉県小川高校と上尾高校の定時制生徒による、若さあふれる、パワフルなロックソーランのオープニングセレモニーによって始まりました。

 そのあと、今集会の趣旨説明が定時制生徒によって行われました。

 次に、各県からの報告に入り、最初は、茨城県の水海道第一高校定時制の生徒と教員が報告。水海道第一高校では、茨城県で進む統廃合が自分たちの定時制にも及ぶのではないかという危機感から、生徒会で統廃合反対の決議をあげ、県教委から「統廃合の計画には水海道第一高校定時制は入っていない」という明言を得たこと、茨城県高教組などが中心となり、統廃合計画の対象校がある市町村をまわり、働きかけを行っていることなどが報告されました。

 続いて、「定時制高校を守る市民の会かわさき」の代表である浅野栄子さんが報告。川崎市教委の市立定時制5校を2校に統廃合する振興計画案を、この間の定時制生徒や保護者・市民による運動によって、少し修正させ「5校を2校へ」という表現を削除させたことが伝えられました。しかし、夜間定時制を削減し、三部制の単位制高校を作る方向は変わっておらず、今後は「検討委員会」がつくられ、三部制の単位制高校の検討が市民も加えて(1名であるのが問題だが)行われる予定で、この委員会へ浅野さん自身が参加し、「検討委員会」で「通いやすい定時制を残していく」方向を打ち出すように働きかける署名を現在行っていると発言しました。
 
 さらに、「よこはま定時制父母の会」の副会長である定時制卒業生の親が、300名以上の在籍者がいた定時制2校と工業高校の定時制2校を統廃合してきた横浜市教委の暴挙と昨秋に出された横浜弁護士会による「勧告」(横浜市の定時制統廃合が、憲法・教育基本法・子どもの権利条約に違反する人権侵害にあたるという勧告)を紹介し、自らの母親の事例から教育を受ける権利がいかに重要であるかということを訴えました。また、8月23日と24日に横浜で行われる第7回関東・東海・近畿の「定通父母の会」交流会への参加要請も行われました。

 次に、東京の「定時制高校を守る生徒の会」会長が、これまで在籍生徒・卒業生が都教委の定時制統廃合計画に対し、生徒にアンケートを取って、生徒は定時制がなくなることに反対していることを明らかにし、都教委と話し合いをもってきたことを報告しました。また、保護者・教職員などによる「都立定時制高校を守る会・連絡会」の代表から、東京における統廃合の動きと反対運動の取り組みが伝えられました。

 最後に、「埼玉県夜間定時制高校を守る会」の運動が報告されました。「守る会」では、浦和商業、蕨、与野の3県立定時制を05年度から募集停止する計画の白紙撤回を求め、11.264筆の署名を提出し、小川高校や上尾高校の在校生などが「アットホームで明るい空間を残してほしい」と訴えたことに対し、県教育長が「定時制をパレットスクールに再編し、朝から夜まで勉強できる独立校にするのがよいと思っていたが、もっと声を聞くべきだ。」「これからも意見を承っていきたい」と述べたことが紹介されました。

 集会は、このあとアトラクションとして、大宮商業定時制生徒の演劇、横浜市立定時制の紹介ビデオ、水海道第一高校定時制生徒が制作したビデオが上映され、各県代表のアピール、会場からの発言などとつづき、午後4時半の終了時刻を30分も超過し、夜間定時制高校統廃合反対の運動を広げていく意志を固めあいました。

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