2003年7月25日

 「よこはま定時制父母の会」は、7月7日「父母の会ニュース」の7号を発行しました。その中に、「父母の会」事務局による、この間の運動をまとめた文書『9291筆の署名ありがとうございました』が掲載されました。「父母の会」事務局の了承が得られましたので、この文書を資料として以下に紹介します。


9291筆の署名ありがとうございました

この間に行われました教育委員会の請願審査傍聴報告を御覧下さい。


4か月も待たされた請願の審査

 私たちの父母の会と生徒の会は昨年(2002年)10月7目、横浜市教育委員会に対して「定時制統廃合」(横浜市立高校再編整備計画)の見直しを求める請願を行いました。これは4ケ月間もたなざらしにされ、ようやく今年2月12目に審査されました。この日私たちは市役所前で宣伝を行ってから、会員初め全国の皆さんにご協力頂いた署名7864筆を携えて教育委員会に向かいました。審査では生徒、父母の代表が!0分ずっ意見陳述を行いました。

教育委員会ってこんなところ?!

 市役所横のビルにある教育委員会の会議室は、まるでうなぎの寝床のような狭い空間で・傍聴席はわずか8席しか用意されていません。この日傍聴者は定時制の年徒、父母、教師ら30余名・ドアを閉める事もできないぎゅうぎゅう詰め状態でした。教育委員が座る付近には立ち入り禁止の黄色い線が引かれていて、陳述を終えた生徒が、居場所なくこの線を踏み越えた時、悪気無いにも関わらず、事務方の課長に手で追い払われた姿は気の毒でした。

生徒、父母の切実な訴え

 意兄陳述では、まず、父母代表として港高校卒業生の父親が、2002年度、無謀な3校募集停止により定時制入学希望者があふれた事、その緊急避難措置として戸塚高校定時制合格枠を急邊広げ大きな混乱を招いた事を責任追及しました。特に実質責任者で役人代表の太田教育長を追及、一度決めた計画だからといって、実態把握をきちんと行い、現実に則した計画見直しが行われなければ、教育委員会の存在意義そのものが問われることを指摘しました。

 戸塚高校定時制4年生の生徒代表は、潜在的に多数存在する「引きこもり」の人達の再生の場として、定時制高校が機能している事を指摘。このニーズは増える事はあっても減る事はないと訴えました。そして2005年度以降には募集停止になる戸塚高校定時制を「再編計画」から外すこと、この計画そのものを見直すことを求めました。

何のための教育委員会か

 意見陳述の後、6人の教育委員に対し陳述人への質問の機会がありましたが、誰一人手を挙げることもなく、虚しい沈黙が会議室をおおいました。そのまま請願は継続審議となり、私たちは追い出されるように会議室を後にしました。

継続審議では不採択

 それから2か月後の4月22日、継続審議の請願が審査されるというので追加の1427筆、延べ9291筆の署名を手に会議を傍聴しましたが不採択とされました。昨年の教育委員会一連の不祥事件により、教育長、委員が更迭され6名中3名の首がすげ替わっていました。また今回初めて2倍の広さの会議室になり傍聴席も8席から20席へと、表向き委員会刷新を装う観がありました。しかし、マイクを使わないので教育委員のボソボソ語る声が聞き取れない、事務方の説明は早口で聞き取れない、と傍聴制度そのものがまだまだ機能しておりません。

市民を馬鹿にした茶番劇

 高校の設置義務は県であることを強調した上で、審議が始められました。
◆中3秋の進路希望調査で、希望者が少ないから『いらない』と募集停止しながら、大量の不合格者が出てしまったら、残った学校であたふたと定員増、クラス増などする。
◆誰も責任をとらず、一言の謝罪もないまま単なる数合わせに終始して「この計画は正しかった」と言う。
◆夜間定時制の中退率と、高倍率の三部制高校、または全日制高校の中退率を比較して、夜間定時制には「問題がある」と言う。

 発言権の無い沢山の傍聴者を前に、事務方の書いたこのシナリオで6名の教育委員が茶番を演じる,、
 それが今の横浜市教育委員会です。学校を廃校にするには『入学者が減る』ということが大前提です。小中学校で増え続けるいじめ不登校、全日制高校に馴染めなかった中退者、障害者、若い時に学習の機会を得られなかった方、外国籍の方・・・・・そして続く不況。あらゆる社会の歪みの受け皿として非常に重要な役割を担ってきた夜間定時制高校。希望するか否かに関わらず、定時制高校入学者は全く減っていませんでした。

 横浜市立の5校あった夜間定時制高校、昨年3校、今年1校と既に4校が募集停止され、残った戸塚高校定時制も16年度までしか募集が保証されていません。お隣りの川崎市でも横浜の後追いをして計画進行中です。
 この計画をストップさせる為にどんな手段が有効なのでしょうか?請願の制度など形だけで、全ての決定権は行政が握っています。

今後に向けて

 私たちに山来る事は、どんなに小さな声であっても、諦めず外に向かって『こどもの幸せを願う』思いを発信し続ける事だと思います。私たちが肌で感じた、こどもたちにとって本当に大切な学び場である定時制高校の存続のために、組織や形式に捕らわれず、自由な発想で有効と思われる事はどんどん実行していく、そんな柔軟な父母の会として会員相互に成長していきましょう。

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