2004年7月5日

 石井郁子衆議院議員(日本共産党)が、5月10日に提出した「夜間定時制高校の統廃合に関する質問主意書」(質問第93号)を資料として紹介します。

夜間定時制高校の統廃合に関する質問主意書

提出者  石井 郁子(日本共産党)

 近年、「高校改革」の名のもとに夜間定時制高校の統廃合が全国的かつ大規模に進められている.東京都では都立の定時制高校が97年の103校から2011年度には55校までに減らされようとしている。大阪では府立の定時制高校29校を15校へと半減し2005年度から廃校対象の14校で生徒の募集停止を行おうとしている。神奈川、愛知、京都、長野など全国各地で定時制高校が統廃合され、削減されようとしている。

 定時制高校には、働きながら学ぶ生徒がおり、学びなおそうと通う年配者もいる。いじめや不登校、引きこもりに苦しんだ生徒がいきいきと学んでいる例も多い。化学物質過敏症でこれまで学校に通うことが出来なかった生徒を初めて受け入れ、先生も化粧を落とし整髪料を避けて授業に取り組むなど涙ぐましい努力をしている。
 
 いまや夜間定時制高校は学校や社会の中で傷つき問題を抱えた子どもたちの最後の受け皿となっている。そうした定時制高校を拡充することはあっても廃止・削減することは許されない。

 今年1月30日に採択された「国連子どもの権利委員会」による「子どもの権利委員会の最終所見・・日本」では49頁のeで「定時制高校が柔軟な教育機会をとくに学校から脱落した子どもに提供しているにもかかわらず、東京都においてそれが統廃合されようとしていること」に懸念を表明し、50頁で「本委員会は締約国に以下のことを勧告する」とし、そのcで「定時制高校の統廃合を再考し、従来の(競争主義的なそれ)とは異なる形態の教育を拡大するよう東京都の関係当局に働きかけること」としている。

 以上踏まえ次の事項について質問する。

 国連子どもの権利委員会の勧告は政府に対してなされている。その勧告を受け、政府として東京都の関係当局に働きかけを行ったのか。
すでにおこなっているなら、誰が、いつ、どのような内容で行ったのか明らかにされたい。

 これから行うなら、誰が、いつ、どのような内容で働きかけを行うのか明確にされたい。

 政府として「従来の(競争主義的なそれ)とは異なる形態の教育を拡大するよう」とはどのような内容と受けとめているのか。見解を示されたい。

 政府は、各都道府県定時制高校の統廃合計画をつかんでいるのか。つかんでいるのならその内容を明らかにされたい。つかんでいないのなら調査すべきと考えるがどうか。

 勧告は東京都の関係当局に対して働きかけを求めているが、定時制高校の統廃合は全国的になされようとしている。国連子どもの権利委員会の勧告の趣旨に則り各都道府県に働きかけていくのか、明確にされたい。

 右質問する。

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