2004年11月20日

  11月14日横浜駅西口県民センターにおいて、第4回神奈川県定時制・通信制進学説明会が行われ、スタッフを含め100名を超える参加者が集まりました。
 以下に、参加者の感想、実行委員会委員長のあいさつ、市立定時制高校の在校生と県立定時制高校の卒業生の話を紹介します。


横浜市立港高校と戸塚高校定時制の生徒による、
「見上げてごらん夜の星」と「世界に一つだけの花」の合唱

○定時制に通っている人達のお話はとても聞きやすく良かったです。合唱もとても良い曲えらんでたし、良かったです。・中学3年生女子

○色々な方々との意見や説明が聞けて大変良かったなと思います。この説明を参考に進路について考えて行きたいと思います。ステキな合唱も聞けて良かったです。すばらしいハーモニーでした。・・・・・中学3年生女子

○ありのまま学校の様子が伝わってきて非常に参考になった。・・・・・女性保護者

○定時制卒業生の方や現定時制高校生さんの話とかいろいろと参考になって良かったです。保護者の方のお話も聞けて良かったです。・・・・・女性保護者

○発表される生徒さんへ  もう少し自信を持って大きな声で、何について、どう話したいかを明解にされると良いと思います。特に男性の方。・・・・・男性保護者

○初めて参加しましたが説明会がある事を知らなかった、もっと多くの方へ知らせてほしいと思いました。・・・・・女性保護者

○わかりやすく楽しく聞けたのですごくよかったです。・・・・・中学3年生女子

○生徒さんや卒業生の方々話がとても興味深く参考になりました。定時制についてわからない部分が多く、こういう会を開いて頂きとても有難く思いました。ありがとうございました。・・・・・女性保護者


説明会終了後、定時制の生徒と教員で記念撮影


 

あ い さ つ


 皆さん、冬もそこまで近づいてきた日曜日に「定時制・通信制進学説明会」にご参加していただきまして誠にありがとうございます。
 2002年1月から始めました「進学説明会」も今年で4回目となりますが、これまでに皆様方から沢山のご相談をお聞きしてまいりました。

 中学校の進路指導では「あなたのお子さんは、入れる高校はありません!」と言われて、不安になり「高校資格まではと思いで参加した」と言うお母さん。
 自分は不登校を続けてきたが「定時制や通信制に入れるだろうか?」「定時制や通信制ってどんな学校だろうか?」と期待と不安を抱きながら参加したと言う生徒さん。

 この様に中学校で進路を決める段階になっても生徒も親も先生も、定時制や通信制の事が全く知られていないのが現実です。こうした事から私達が開催している「進学説明会」は大きく意義あるものとなっている訳ですが、しかし近年、神奈川県の公立高校入試状況をみますと夜間定時制高校を統廃合してきたことや、入試制度そのもの変え自己推薦を主とした前期選抜と学力試験を主とした後期選抜という二段階選抜制度になった為に定時制や通信制でも多くの不合格者が出たという厳しい事実があります。

 どうか皆さん!今日はそのような厳しい入試を乗り越えて学んでいる生徒さんや、立派な社会人となっている卒業生さん、わが子と葛藤しながら育てた親御さんの苦労話や定時制・通信制高校の魅力について「生の声」を聞いて「自分がえらんだ学校」、「自分の生き方を認めてくれる学校」をつかんでください。

2004年11月14日

定時制・通信制高校進学説明会実行委員会 委員長



定時制は、人と向き合い一言一言が大切に思える学校

横浜総合高校4年生  Aさん


 横浜総合高校のAです。私も不登校で学校にあまりいっていませんでした。それで、全日制がだめでも定時制があるから、受験しようと考えたのですが、勉強もしていないし、「まあいいや」と思ってたまたま受けてうかってよかったなあとほっとしています。学校は授業はゆるいし、対人関係が心配なんですけど、私自身楽天的でポジティブな考え方なんで、今いる私を学校の友達が必要としてくれるようになったし、学校へ行かなかったのは、今の自分に必要であったのだと思うようにしています。どんなに悪いことだって、自分を認めてくれている人がいる、ただ今までやってきたことは無駄じゃなかったなあと思うようにしています。今いる自分をつくってくれたんだなあと、いい方向にいい方向に考えるようにしています。だからすごく、学校へ行かなかったことを話す時に、ちょっと笑いを含めて話すようにしています。そのことは大事だなあと思います。

 それで、余裕があると友達に「何々さん、どうしたの」と聞き、そうしたらリストカットしている子もいますけど、聞いてあげれば、別にどうってこともなくて、「痛かったねえ」と言うと、女の子なんか泣き出しちゃうこともあります。そういう言葉をかけて欲しいだけで、あとは何も変わりはない。タバコをやっている子に、「タバコはダメだ」というよりも、ほら、ちょっと気をつかって軽く言ってあげれば、友情関係が深まったりするんですよね。私は部活をやっているときに、常に「来てくれてありがとう」と言うようにしています。「ありがとう」という言葉をかけるだけで、その子は救われるんだなあということを何度も経験しました。

 中学では、「逃げちゃダメ」とすごく言われました。「学校から逃げちゃダメだよ」と言われました。だけど、逃げ道なくして、どこへ行くんだよ。そうやって、自殺する子が多いんじゃないの。学校にも居場所がなくて、中学校にも居場所がなくて、外に行ったって補導されて居場所がなくて、じゃあどこへ行くんだ。居場所がなくてすごくつらい思いをしている子はもっといると思います。その意味で、私は逃げることは悪いことだっていうふうには思っていません。逃げて当たり前だと思っています。

 定時制ではそういう対人関係で、もちろん先生と喧嘩をしたりします。下級生ともトイレで喧嘩します。今一年生は怖いですよ。体が触れただけでどなられたりします。腰を低く低く、情けないなあと思いながら、でも、最近ちょっと自分が覚えられているなと感じています。何が何でもよかったんだなあと思えば、人生楽かなあと、楽じゃないでしょうけど。怒られるかもしれませんが、「楽じゃないよ」って。

 人生には、人間関係や学力、頭は必要だと思います。けど、最低限計算できれば食っていける。お金の計算が出来ればなんとかなるなあと思います。後は、人と向き合うことがいかに大切に思えるか。でも、それを思わせてくれるところが定時制の良いところだなあと。きっとそうに違いないと思っています。一言一言が大切に思える学校だなあと。うちの母親に「バカ」といわれて泣いた日もありますが、本当に「生まれてくれてありがとう」「来てくれてありがとう」「友達になってくれてありがとう」「恋人になってくれてありがとう」と一言一言いえる学校ですから、よかったらいらっしてください。
私は、今4年生なので、うちに来てくれたら心の底から「来てくれてありがとう」「友達になってくれてありがとう」と言ってあげます。ありがとうございました。


定時制は、自分と向き合うために時間を与えてくれた場所

県立定時制高校卒業生

 こんにちは。私は今年の3月にK高校の定時制を卒業しました。高校に通っているときは、4年生になるまで卒業式を迎える時には、きっと何も胸に残らずに、あっさりと終わってしまうのだと思っていました。

 入学当初は情けないもので、下ばかり見て過ごしていました。私は中学校を不登校で終わらせてしまったので、学校生活でやり直したいことがたくさんあったはずでした。それなのに、何一つ変わらずにいる自分にイライラしたり、親に反発することもありました。何も言わずにいて、自分の気持ちをわかってほしいだなんて都合の良いことばかり思っていたのだとおもいます。

 高校生活もどう過ごしていけばよいか、わからなくなった時に、当時養護教諭であった先生に泣きながら相談したことを覚えています。体育にもでれず、教室にいることも、たった20分の休み時間も息苦しく感じていました。そんな時、先生から「紙を一枚一枚重ねるように、その日一日一日を積み重ねていけばしっかりとした土台ができるように、丈夫な精神になれるものだから」と教えて頂けたことがとても印象深く残っています。そう言って頂いたことで、とても気が楽になりました。その言葉は、今でも役立っていて、先のことばかり考え過ぎてしまう時に落ち着けるよう、よく思い出します。先生が退職されるまでの2年間、とてもお世話になりました。

 それから、私は本当に口べたで会話をするのが苦手なので、だんだんと人は離れていくのだと思っていました。でも、気にかけて話しかけてくれる人たちに出会えたことで、ずいぶんと救われたと思います。当初は、友達だとかそういう温かいものが私は苦手だったのに、卒業式が近づくにつれ、別れるのが淋しいと感じていました。学校が楽しいだなんて、自分でも正直ビックリしました。

 このような環境の中で、高校生活を送れたことは、こんなにも幸せだったのだと知りました。最初の頃には、息がつまりそうだった教室も、卒業を迎える時には、なごり惜しいと感じました。

 こうした定時制だからこそ、ゆったりとした中で高校生活を最後まで過ごせたのかもしれません。定時制の4年間は、なんら遠回りではなく、自分と向き合うために時間を与えてくれた場所であったと思います。
 

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