2002年2月1日


県内で初めて、「定時制・通信制進学説明会」が開かれ、生徒と保護者が定時制の良さを語る


 
 1月26日横浜市のランドマークタワー13階の会議室において、神奈川県内で初めて保護者、生徒を中心とした「定時制・通信制進学説明会」が開かれました。これを、企画・運営したのは、定時制の保護者、生徒・卒業生、教職員から成る「進学説明会実行委員会」(代表 沢崎三郎)で、昨年の11月末くらいから準備を重ねてきました。
 当日は、9時半の開場とともに子どもを連れた保護者が次々とつめかけ、約130名の人が生徒や親の体験談を聞いた後、各グループに分かれ、教職員から定時制や通信制の説明を受けました。
 参加者からは、「体験談を聞けたことがとても良かったです」「今、親子で悩んでいる気持ちが少し楽になりました」「生の声を聞けて大変参考になりました。このような機会を設けていただけて良かったと思います」という声がたくさん寄せられました。
 以下に、当日初めの全体会における、4人の現役定時制高校生による「定時制についてのフリートーク」を紹介します。



連載 @ 現役の定時制高校生4人によるフリートーク
司会  次は、現役の生徒さん、市立戸塚高校定時制の生徒から、本当に現実はそうなのかしらというところを、グループ討議というかたちで話していただきたいと思います。好きなように、フリートークというかたちでお願いします。

Aさん  あんなに面白い話の後に、ちょっとやりづらいのですが。横浜市立戸塚高校に通っていますAと申します。こちらから、B君、C君、Dさんです。まず、質問形式で僕が質問し、3人に答えてもらいます。じゃー、定時制に入学する前は、どうしていましたか、何をしていましたか。

Bさん  定時制に入る前は、中学校に普通に通っていました。定時制に入った理由は、全日の高校に入学しようと思って、試験を受けたんですけど、落ちちゃったので、定時制に入ってみようかなと思い、最後に試験を受けて入学しました。

Cさん  私も現役なんですけど、定時制に来た理由は、全日制に行こうと思っていたんですけど、試験がいつの間にか終わってたんですよね(笑い)、しゃーないから定時制に行こうかなみたいに。

Dさん  僕は、初めに通っていた高校中退したんですよね。何となく不登校になって中退して、その後6年間、アルバイトをしながら演劇をしていたんですけど、ある時バイト先の人から「うちの近くに、こんな高校があるよ。行ったら」と言われて、何となく行こうかなと思って。間に合わなかったんですよね、その年。その翌年にこういう説明会に出席して、「進学してみようかな」と思って、「高校卒業の資格くらいとっておこうかな」と思って、受けてみたんです。

Aさん  試験は難しかった?

Dさん  作文と面接だけだったんですが、二十歳を超えてるということなんで。作文は苦手だと思っていたんですけどね、意外とスラスラ書けて。


Aさん  それでは入学してですね、定時制の印象というと、なんかくらーいイメージとか、「不良」ばっかしというイメージがあるんですけど、まあそういうイメージがあったかどうかはわかりませんけど。入学する前と、入った後とでちがいなんか、どういうちがいがありましたか。じゃー、入学する前のイメージと後のイメージをお願いします。

Bさん  入学する前のイメージは、僕んちの前が定時制の学校なんですけど、「不良」とかがいつも家の前にたまったりして、ガラの悪い学校なんだな思っていました、ずっと。それで、やむを得なく入った定時制なんですけど、入ってみて「不良」とよばれる人たちと会話ができて、こういう人たちはただ暴れたり、そういうことをするだけの人ではないということがわかって、別に今まで持っていた定時制の悪い印象はなくなりました。

Aさん  両方、やっぱりいるんですよね。いないとはいえないんですよ。やっぱりそういう生徒はけっこうクラスの中に何人もいるんですけど、でもそう言ったら、全日制にも「不良」の一人や二人はいるじゃないかと。(笑い)
 でも、そういう「不良」と話をしてみて、わけもなくただ暴れるだけっていうやつはあんまりいないですよ。そういうやつも、ちょっとなんか傷を持っていたりとか、全日制でいろんな傷を負わされて、仕方なく来てみたりとか。
 学科試験を受けても、倍率が1倍を超えない限りは、試験が零点でも極端な話、受かっちゃうんですよ。それで、面接で問題なく入れて、そういう「不良」と言われる生徒も、けっこう勉強には真面目に参加してたりとか、して立派に卒業していくことも結構あるんですよ。
 じゃー、Cさん、入学前の話。

Bさん  入学前やっぱり、定時制っていうと「不良」が多いじゃないのかなーみたいな、と思っていたんですけど、入学してみると、やっぱり結構いるんですよね、(笑い)結構いるんです、でも、それと全く逆に位置する人間も半分いるんです。まあ、なんかこう、真面目みたいな、私みたいなんですがね。(笑い)
 そういう人間とつきあっていくと、「不良」ぽい人たちとは、なんか遠縁になっていくんですけど。

Aさん  入ってみて、何かちがうこと、あー入って、こんな生徒だったんだとか、こんな学校だったとか、ある?

Bさん  いやー、これ、2年生の宿泊旅行であったんですけど、クラスの窓際のほーに座っている人たちと、初めて話をしたんですけど、すごく意外にいい人方だな、いやーまだまだ捨てたもんじゃないなあーって、思っちゃいましたね。 
 
Aさん  じゃー、Dさんお願いします。

Dさん  そうですね、僕は、定時制、「不良」とか「ヤンキー」が多いとか別に思っていなかったですね。働いている人が来る学校と思っていたんですよ、入ってみたら、けっこう現役の世代が実は一番多いんですよ。それで、なんか、あるタイプが多いんですね。うーん、なんだろうね。

Aさん  もともとは、勤労学生とかがいっぱい行っているというイメージがあったんですか。それとも、「不良」とか。

Dさん  勤労学生のイメージがあったんすね。私には。


Aさん  でも、入ってみて現役の生徒もたくさんいるんだな、むしろ現役の生徒が多いんだなという?

Dさん  現役の世代は、たぶん全然いないんじゃないかと思っていたんですね。で、僕26(歳)で、23で高校に入ったんですけど、同じ年か、ちょっと下くらい、1、2歳下くらいかなと思っていたら・・・。

Aさん  けっこう16、7、8と現役の生徒。

Dさん  すごーいはなれているんで。

Aさん  ジェネレイションギャップありました?

Dさん  まあーでも、平気だった。なんでなんだろう。なんで、平気なんだろう。おれ、おっさんだと思っていない?(笑い)

Aさん  うーん(笑い)、じゃー、とりあえず参考までに、お歳はおいくつなんです?

Dさん  だから、今26歳で、3年生なんです。入学時は23歳でした。

Aさん  えーと、まあーDさんのキャラクラターもあるんですけど、いろーんな歳の人がきて、でもなんですかね、20代、まあ成人の人と未成年の人の会話ではなくて、同じ生徒としての会話になるんですよね。ギャグを飛ばし合ったりとか、笑い合ったりとか。だから、Dさんに対して、敬語もあまり使わないんですよ。実は、プライベートでは。それで壁もなくて。いろんな世代の人と、極端な話、50歳、60歳の生徒もいて、いろんな経験を、「息子がどうしたんだよ」と言われても、息子とかは自分にはいないので(笑い)ちょっとわからないんですけど、そういう話を聞いたりして、経験になったりしてますね。

 それでは、定時制の高校の良さは、どういうところにあると思いますか。まあー、悪さということもあるんですよね、それは良さもあれば悪さも。良さは、どんなところにあるのかなーと思って。じゃー、B君からお願いします。


Bさん   定時制の良さは、いろんな悩みを持った人が、こう自分とはちがう悩みを持った人が、たくさんいることです。自分の悩みを言って、向こうが考えてもらって答えてもらい、向こうが悩んでいることを自分が考えてあげて、また答えてあげると、自分の考えがいろいろ変わったりとか、一つにまとまったりとかして、人を見る目が変わったりすることが、定時制の魅力だと思います。

Cさん  いやー、私今日ぶっちゃけ、いきなりここに連れてこられたわけなんですけど(笑い)。なんか、こう今、いいところを考えていたんですけど。いろいろあるんですけど、今この場では思い浮かばないつうか。

Aさん  ふだん何気なく思っていたりすることも、ちょっと考えてみると、浮かんできたりすることはない?

Dさん  中学にはさ行けなかったのに、高校には毎日通っているわけでしょ。その差っていうか、ちがいってわかんない?

Bさん  (うーん)

Dさん  ぱっと思い浮かばないらしいです。
 
Aさん  じゃー、Dさん。

Dさん  うん、何だろうね。(笑い)良さというのは、定時制高校の良さというのは、いろんな人が、たとえば病気だったり、いじめだったり、不登校だったりして、何となく中学に通わなかったり、高校をやめちゃったり、最初に通った高校をやめちゃったりした生徒が、実は大半なんですよ。それで、何だろう、いろいろたとえば、同じクラスの人に高校に入ってくる前に何していたと聞くと、だいたい自分と同じような体験をしていて。

Aさん  自分と同じような体験とは、どういう体験なんなの?

Dさん  具体的例を挙げるの?(笑い)具体的に自分と同じ人は見たことはないな。(笑い)

Aさん  あーそうですね。(笑い)いや、いや、いや。(笑い)

Dさん  うーん、なんだろうな。でもみんななんかしら傷ついて、なんかしら仲間を求めて、定時制高校に、戸塚高校の場合はですね、定時制高校に来ているのかもしれないですね。その、たとえば全日の高校とか、普通の中学校に行けなかったり、行くことができなかった人も、定時制高校なら来れるのは、毎日来ている人、本当に多くいますけど、どうして来れるのかというと、やっぱり同じような人がいるからかなーと思うわけです。

Aさん  ありがとうございます。えーとですね、僕自身、定時制の良さは、本当にたくさんあるんですけど、僕自身の一例を挙げれば、僕は中学校の時に不登校して、学校にあんまり行っていませんでした。学校というものがすごく嫌いで、先生も嫌いだし、授業も嫌いだし、本当に学校の存在そのものがイヤだったんですね。でー、学校に行けーという親もあんまり好きではなかったし、その不登校のあいだは本当に家に閉じこもりきりだったんですけど、中学校を卒業して、それでも卒業証書をくれたんですけど、卒業してバイトをしていろんな人と話をしたんですね。したら、高校は行っといたほうがいいよとか、そういう世間体のことを言われて、高校卒業くらいの資格は取っておくかと、本当に何となくなんですけど、行くかーと思って行ったんですよ。

 今、中学をほとんど行ってなくて、学力もなかったのに、希望すれば入れたんですね。はっきり言ってテストなんかも、全然わからなくて、ほとんど白紙に近い状態で出したんですけど、それでも受かっちゃって、あー受かっちゃった、じゃ頑張るかーという気で入っちゃったんですけど、エーと本当に1年間くらい学校に実際に行ってみて、本当に印象が変わりました。
 あーこんな学校もあったんだ。この良さは、生徒にあると思います、生徒。定時制の良さは、生徒そのものだと思います。てー言うのは、いろんな傷を持った生徒、そういう生徒たちと話し合って、いろんなことを話し合っていくなかで、自分が受けていた傷がすごく自然に癒えていたりとか、あとはもう先生も何と言うか親しみを込めて、上からものを言わないんですよ、対等の立場として扱ってくれたりして、すごくなんかフランクな感じなんですよ、本当に。ねー。(笑い)

Dさん  うん。

Aさん  そういう生徒であったり、教師、まあ先生方が、定時制の魅力なんだと僕は思います。
その他にも授業料が安いだとか、そういうことも定時制の魅力だったりするわけです。学校へ行ってない人が学校へ行こうとすると、けっこう全日制は高かったりとか、私学に行くにしても私立はすごくお金がかかるじゃないですか。でも、定時制はすごーく安くて、そういうところも定時制の魅力の一つだと思います。
 あとは、あります?
 まあー、いちばん核となる良さは、そこに通っている生徒であったり、教師であるんだと思います。以上です。

司会  ありがとうございました。元気のいい生徒さんたちで、ほっとしました。


2002年2月22日


連載A  「不登校であったが、人に優しく、温かい定時制で学校が楽しくなる」と卒業生が語る

司会   つづきまして、横浜商業高校定時制卒業生のHさん、Y定ですね、卒業生のHさん、よろしくお願いいたします。 

Hさん  皆さん、おはようございます。
 横浜商業高校定時制、卒業生のHです。私は、昨年の春に横浜商業高校定時制を卒業しまして、今は横浜国立大学夜間修の1年に在籍しています。

  私が、Y校の定時制に入学した動機なんですが、私も中学時代不登校をしておりまして、ですから中学を卒業する際もまったく進学を考えず、フリーターをしていました。ただ、そのフリーターを始めて、ちょうど1年ぐらいたった時に両親の方から、もう一度学校に行く気はないかと言われて、その頃にはちょうど、学校に対する嫌悪感、恐怖感というのが多少薄らいでいたので、高校卒業の資格くらいは取ろうかなという、ただそれだけの理由なんですが、入学試験を受けて、合格することができて、入学しました。

  入った当初、私は学校に何の期待もしていませんでした。やっぱり過去のことがあったので、どうしても学校苦手だという意識がすごく強くて、あと(学校は)冷たいという印象が自分の中にあったので、もうただ資格だけ取ろうと思って入学しました。

 でも、入ってすぐに学校楽しいなと思うようになったんです。それはなぜかと言うと、やっぱり友達ができたことが一番の理由だと思います。あの、現役の方もいるんですけど、やっぱり自分より年上の人、同い年の人、上になりますと、本当にお母さんくらいの人がいたとかして、みんなそれぞれ理由を持って来てるので、たとえば私が不登校だったとしても、何の偏見も持たずに見てくれた、それに身体も本当に弱かったので満足に毎日学校に通うことができなかったんですけど、それに対しても温かい目で、友達が見てくれたんです。

  中学の時っていうのは、すぐ休むと何で来ないのという感じだったんですね。理由を知っているのもごく一部の人ですけど、友達にすら「何で休むの」というようなことをよく言われて、それが自分にとって、やっぱつらかったんですね。

 でも、高校ではそういうことはなくて、たとえば何日間か休んでしまってから行っても、「大丈夫?」って言ってくれるんです。みんなそれぞれいろんな痛みをかかえて来ているからこそ、人に対してもすごく優しくて、すごく温かいなと思いました。

 さきほど、大学にいると言ったんですけど、(定時制に)入ったときにはまったく進学は考えていなかったんです。ただ、学校生活がすごく楽しくなって、自然と授業にもやる気が出てきて、そうなったときにたまたま推薦の制度があるということを先生から聞きましてそれで、じゃちょっと頑張ってみようかなと思ったのがきっかけです。

 先ほどのNさんとちょっとかぶるんですけど、私は今学校の先生をめざしています。すごく、先生方も友達も温かいので、やる気さえあればいろんなことにチャレンジできる場所だと、私は定時制高校を考えています。
 いろんな今悩みとか、不安とかを抱えているかと思いますが、すべては自分次第だというふうに思いますので、ぜひ定時制高校に入って、その中で何かを見つけていただいて、それに頑張ることができたら、すごく学校生活が楽しくなるんじゃないかなと思います。以上です。

(大きな拍手)

司会  司会者は、コメントしてはいけないんですが、ぜひ頑張ってください。


2002年3月2日


連載 B 「仕事と勉強の両立は大変だけど、毎日が充実し、いい思い出ができる」と在校生が語る

司会  頑張り屋の卒業生の声が続きましたので、次は現役の生徒さんの声を聞いていただきたいと思います。県立希望ヶ丘高校定時制、今2年生でございます。N君お願いいたします。

Nさん  こんにちは。皆さん、やっぱりね肩に力が入っているので、大丈夫ですか、皆さん。ちょっと掛け声でも入れますか、掛け声でも。じゃ、いきますよ(笑い)。
 セブンイレブン(笑い)。
 言わないとほら、言わないと始まらないよ、話(笑い)。
 セブンイレブン?

会場  セブンイレブン

Nさん いい気分だよ(笑い)。テレビ見ないのかよ(笑い)。
    セブンイレブン?

会場  いい気分

Nさん あー、いいですね。笑って?(笑い)

会場  いいとも

Nさん 小柳?

会場  ユキ? ルミコ?

Nさん ユキですよ、ここは。ルミコなんて言っちゃだめですよ。歳ばれちゃいますよ、本当に(笑い)。
定時制高校、希望ヶ丘高校2年のNです。よろしくお願いいたします。

 定時制高校、僕も通わせていただいているんですけど、僕も今年で26になるんですけど、ですから、去年25歳の時に入ったんですけど。中学校を卒業して、高校に行ったんですけど、先生の前で言うのも何なんですが、その時の学校の先生に「N君、君学校やめて働いたほうがいいんちゃうか」と言われまして、その先生の言うとおり、働いていたんですが(笑い)、二十歳超えたあたりで、何かやっぱり高校行ってたのがよかったなあと考え出しまして、24の時にちょっときっかけがありまして、高校に来させてもらって、合格させていただいたんですけど。

 入ってみると、やっぱり僕の定時制のイメージっていうのは、ちょっと年輩の方とか僕と同じ歳、もしくはちょっと下くらいの方が多いのかと思っていたのですが、実際そうではなくて、若い子が多いんですよね、16、7、8、その高校適齢期と言うんですか、何かよく分からないんですけど、そういう若い子が多くて、なじめるのかなと思って。

 当時、僕が高校に入った時、ちょうどテレビでニュースを騒がしていた、こんなこと言っていいか、悪いか分からないですが、キレる子みたいのが(いるんじゃないかと)、ドキドキしながら通っていたんですけど。まあ、そんな怖いイメージもなく、みんないい子で、仲良くさせてもらって、今でも仲良く吹き矢の同好会などをいっしょにつくって、遊ばせてもらっているわけですけど。

 そうやって、友だちと仲良く楽しんで学校へ行けるのも、これまたいい先生がいるからと私思います。これ、完全に言わされているんですけどね(笑い)。そう、そうです、いい先生ですよ、本当に。僕の学校は、いい先生だと思います、本当に(笑い)。生徒と同じ目線になって話を聞いてくれますし、いろいろなこと相談してもすぐ乗ってくれますし。本当にです。

 僕も1年の時、留年しそうだったんですが、出席日数が足りなくて。すっごく先生が頑張ってくれまして、先生が上げてくれたみたいなところがあるんですよね。

 で、やっぱりあれなんですよ。学校行事けっこうあるんですよ。遠足みたいのがけっこうありまして、去年でいうと近所ですと、神奈川県警に行って来たんですよ、神奈川県警。すっごい楽しかったですよ、中は。気軽に警察に入れるんなんて、そんなことないんじゃないですか、ね(笑い)。気軽に入れるのは、石田壱成か田代まさしぐらいなもんですよ(笑い)。そのくらい警察にも入って、いろいろ勉強させていたただいたんです。

 鎌倉に行って、大仏の中に入ったり、そこでわいわいやって、本当に楽しいですね。本当に楽しいなんて、勧誘みたいですけど(笑い)。本当にいいですよ、気楽に勉強できて、本当に。あらためて、勉強し直すのも僕にとってはいい、完全に紙読んでいるんですけど(笑い)。

 それに加えて、いろんな行事もあって、文化祭もあって。今年は、僕のクラスは、お茶屋さんをやったんですけど、ちゃんと屋台組み立ててね、みんなで役割分担やって、これ楽しですよ。当日行けなかったんで、すごく悔しかったんですけど。けっこう、こっちの方も儲かったみたいで、嫌らしい話なんですけど。

 定時制の、やっぱり昼間仕事して、夜勉強するじゃないですか、その両立というのは、まあちょっとはしんどいとは思うんですが、毎日充実して、けっこういい、楽しい思い出ができ、いい人生が送れるんじゃないでしょうか。
 頑張っていきましょう。ありがとうございました。

司会  ありがとうございました。本当に元気な生徒さんで、お若い生徒さんでほっとしました。


2002年3月28日


連載 C  私も子どもも、定時制があって本当に良かったなと思っています 

司会  つづきまして、父母の立場ということで、現役のお子さんを今港高校に通わせていただいているTさん、よろしくお願いします。

Tさん おはようございます。今日は朝から寒い中をたくさんの方に来ていただきまして、ありがとうございます。

 私の息子は、港高校の今定時制の1年生に入っています。小学校の5年の3学期から、いろんなことがありまして不登校になってしまいまして、小学校の6年の時に転校して、たまたま転校した先に、北部小学校というところだったんですけど、相談小学級がありまして、半年間家(うち)にこもっていたんですけど、相談小学級というのなら行けるんじゃないかと、まず親がふみきって、その後子どももここなら先生も優しいし、行けるんじゃないのと言って、やっとその気にだんだんなっていってそこに行けるようになり、中学も入学式にはやっとの思いで行ったんですけど、やっぱりそこもだめで、中学も希望ヶ丘の相談小学級に行かせていただきました。

 そちらのほうにはどういうわけか、毎日元気に行くんですね。なぜ、行けるか本人もはっきり言わないのでわかりませんけれども、でも全日にはない、何かがあるんでそこに毎日行かれるんだと思いました。おかげさまで卒業のほうには、ほとんど休むことなく通いましたので出席日数は足りているんですね、でも定期、期末試験とか中間試験をいっさい受けておりませんので、通知票はオール1でございます。

 本人も普通に授業を受けておりませんので、普通の中学3年生の学力はございません。でも親としては、いつまでも生きているわけではありませんし、子どもにちゃんと自立して自分で働いて生きていくんだよというのを、親としてはそこが一番の願いであり、それで幸せになってくれるのが願いですので、そのことを話していて、いつまでも親に甘えていたいけれでも、背は私よりも高くなっちゃうし、自分もちゃんと考えなくちゃいけないんだなと、それなりに考えてくれたんだと思います。

 それで、「自分は働くために、高校は卒業したい」と。でも、「自分のいける全日制高校は、成績で(入れるところ)はない」し、中学で紹介してくれたサポート校はあまりにも高すぎて、ちょっと大学に行けちゃうほどの授業料でありましたので、それではちょっと親のほうも余裕があれば出してやりたいですけど、そこまでの経済力もないし、そしたら定時制しかないなということで、港高校を受けまして、定時制は望めば誰でも受け入れてくれる、いつでも受け入れてくれるという定時制でございまして。

 おかげさまで定時制のほうも、毎日休まずいっております。最初のうちは、授業がうるさくてとか言いながらも、友達誰も話す人がまだいないとまだ言ってますけど、それでも行っています。

 そこには、やっぱり何かがあるんだと思います。先生の励ましだったり、あとやっぱり自分がいつかは働かなくちゃいけないという思いが(あるようです)。何かやっぱり子どものほうが強いですよね。子どもほうが将来のことを考えているんです。だから考えを切り替えなくちゃいけないのは、親の私たちのほうで。なんか見方を変えると、子どものほうが強いなって思いました。

 港に入って、子どもがなんでうるさいって言っているのかというと、親に言われて来たりとか、他に行くとこなくて来たりとか、それで騒いじゃったりして、外でたむろしたりするとかする子もいたりするみたいですけど、その子たちも心に傷を負っていて、そうなってしまうんですね。でも、そういう子も定時制は受け入れてくれるんです。だから、そこでまたその子たちがいろんなことに気づいて、また自分の生きていく道を見つけてくれればいいなと思っています。

 はい、そんな感じですけども、私も子どもも定時制があって本当に良かったなと思っています。すいません、何かめちゃくちゃになりましたけどありがとうございました。


司会 ありがとうございました。

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