2006年12月28日

今、定時制高校では J     第6回定時制・通信制高校進学説明会 紙上報告より


今は誇りをもって生きられる

                         

県立高校定時制4年生

 今、私は高校4年生だ。たいていの人には、「え、4年生?留年?聞いちやまずかったかなあ」と思われたりする。私は定時制高校に通っていて、定時制は4年制なのだといきさつをきちんと説明しないと相手になかなか理解してもらえることが出来ない。説明しても相手はどういう風に捉えているのかは知らない。冷たい目で見られているかもしれない。

 私は、朝起きるのが大の苦手だ。今は何とか起れる様になった方だが、中学時代はひどかった。目覚ましを3つつけても反応できず、あまりのうるささに、家族が目覚ましを止めに来るくらいだった。他にも血行を良くする為だといって、足の裏をバシバシ叩かれるのに全く痛いという感覚がなく、気にせずに寝続けていたこともあった。この時はさすがに自分でも気味が悪いと思つたほど怖かった。午後になると喋りだし、活動が活発になるので、家族からは、ハムスターみたいだの、「いまどき泥棒でも夜に活動していないぞ」と散々言われた。

 そんな理由もあって、夜行性の自分には合っていた。けれど同時代の友達はみんな全日制に通っていたので、学校の話を聞く度に劣等感をいだく自分がいるときがある。

 そんな感情をいだきつつも、バイトをしたり、友達と遊んだり、遠出をしたりと自分の好きなことを思いっきり楽しんだ。時には自分の目の前が真っ暗になり、先が見えない将来に怯えたりした。泣くほど苦しい思いも、悔しい思いもたくさんした。今思えばなぜこんな事で泣いていたのだろうという問題ばかりで、恥ずかしく日記も読み返せないくらいだ。

 定時制は、私に勉強以外の事も教えてくれた。人間関係の楽しさ、厳しさ、生きることの喜び、生きがいを。確かに世間から見れば落ちこぼれにしか見えないかもしれない。だけど今は誇りをもって生きられる。頼りない私でも生徒会で副会長を務めている。先輩と呼んでくれる可愛い後輩がいる。本当にこの学校に来て良かった。

 この学校で出会った人も、お世話になった先生方もみんな大好き。
             

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