2003年10月3日

今、定時制高校では I     県立定時制高校 4年生の作文から


過去と現在(いま)の私

             
 私は学校が嫌いでした。と言うより、学校にいる一部の先生や生徒が嫌いだったのです。
 今でも忘れられない・・・・、小学校五年生の時の担任の言葉。私は昔から勉強が苦手で、テストの点は低かったし、授業中あてられても答えることすら出来ませんでした。

 そんなある日、とある教科の小テストで私は、またも低い点を取ってしまいました。
 いま思うと、自分でもビックリするくらい出来が悪い。でも、その頃の私はそれなりに必死だった。そんな私を見た担任はいっものようにテスト返しをしている時、私に「どうしてこんな簡単な問題ができないんだ!!バカじゃないのか!!」と言ったのです。

 担任からしてみれば簡単な間題だが、私にとってはかなりむずかしい問題でした。
 その頃から無口だった私はさらに無口になり、自信を無くしてしまったのです。

 時は流れ、私は定時制高校に入学したが、あの頃言われた担任の言葉は忘れられませんでした。それでも高校に入学してからは前より人と話すようになったし、明るくなりました。
 その原因は、同じ学校に通うクラスメイト達でした。
 一人でいる私に声をかけてくれたり、一緒に給食食べようと誘ってくれたり・・・・、そんなクラスメイト達に私は感謝しています。

 今、私は幼稚園教員になるために高校を卒業したら、通信制の四年制大学に進もうと考えています。
 なぜ、教員になろうと思ったのか・・・・。それは私の大嫌いな先生に一言、「おまえもやればできるじゃないか。」と言ってほしいから。「先生」っていう職に就けば、少しはその先生の事を理解できるかもしれないから。だから私は教員になりたい。

 今の私がいるのは、優しいクラスメイトとあの教員のおかげなのかもしれません。


無  題

 眠い、疲れた、眠い。毎日がこんな感じだ。

 午前5時起床、俺の1日が始まる。
 顔を洗い、コンタクトを眼にはめて、嫁が作ってくれた弁当を持って職場へ向かう。眠い目をこすりながら、車で山を越え川を越え、谷?を越え、約20分で職場に到着、M市にある物流センターに着く。俺の戦場だ。

 最近俺は、倉庫内の仕事の他に、別の仕事を預けられた。総菜とパンの配達だ。作りたての物をできるだけ早く届なければならないため、時間との勝負だ。時間を気にしながらも、総菜が車の揺れで崩れないか、雨が降ればパンが濡れないかなど、肉体的な疲れよりも精神的な疲れの方が大きい。

 朝、この配達が終わると、次は倉庫内の作業だ。物流の倉庫というのは、さまざまな業者が、いろいろな商品を納品しに来る、その商品の数を伝票と合っているか確認して、棚にしまう。とにかく飲料の納品が多いため、肉体的にかなり疲れる。午前中はこんな感じで、精神的にも肉体的にもかなり疲れてしまう。

 午後は、各店ごとに配達する商品の仕分け作業をするわけだが、朝が早いせいか午後三時を過ぎると、ものすごく眠くなってくる(夜早く寝たいが定時制の高校に通っているので早く寝れない)。眠いけど、4時半までに仕事を終わらせなければ、終わるまでやらなければならない。それでは、定時制に間に合わない。必死でやるのだが、ほとんど定時では終わらない。

 そんなわけで、学校は遅刻するし、寝てしまうこともある。
 午後8時45分、授業も終わり、眠い、疲れた、眠いの、俺の1日の戦争が終わる。

(俺は結婚と同時に定時制に入学しました。理解してくれる嫁と、いま通っている定時制がなかったら俺の人生も変わっていたでしょう。俺のように定時制を支えにしている人はたくさんいます。定時制をなくさないで下さい。)

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