2003年9月19日
8月26日に行われた、川崎市教育委員会会議において、「定時制高校を守る市民の会かわさき」が提出した請願書(「生徒・保護者・卒業生・先生を定時制課程検討委員会のメンバーに加えて」)に対して、「何人参加させたいのかわかりにくいので、文書で明らかに」という指摘がありました。そこで、「市民の会かわさき」は、「定時制の学習経験者(在校生・最近の卒業生)から1人、保護者から1人」と直した請願を出し直しました。
そこで、この提出しなおした請願書を以下に資料として紹介します。
2003(平成15)年9月12日
川崎市教育委員会
教育委員長 黒田 俊夫 様
定時制高校を守る市民の会かわさき
代表 浅野 栄子
請 願 書
請願の要旨
「定時制課程検討委員会」の委員に、定時制高校の学習経験者(在校生か最近の卒業生)から1名、保護者から1名の計2名を正式なメンバーとして加えてください。
請願の趣旨
前回の審議では、教育委員の皆様より「定時制に無縁な人ではなく、深く理解している人を委員に加えて欲しいという趣旨だと思う」・「利用者(生徒)を入れない委員会がこれから通るのかと思う」など、多くのご意見を頂きました。また、教育委員会事務局より「定時制課程検討委員会」の細かな説明を聞くことができました。
事務局の説明によると、検討委員会の構成員のうち学校教育関係者4名と行政関係者4名はそれぞれの部署を代表する方が委員になるようです。その一方で生徒や保護者・卒業生には枠が与えられておらず、せいぜい他の枠で委員となられた方が、偶然そのような立場を兼ねることができるかどうかでしかありません。
どのような理由で定時制へ通いだしたか、どのように学習し学校での生活をしているのか、保護者はどのような気持ちで子どもを見守っているのか、などの点を踏まえた議論を行うためには、何よりも実情をよく知る人が検討委員にならなければと思いますが、今のところ実現は困難です。
また、私たちは川崎市議会へも同趣旨の陳情を出していますが、8月29日の総務委員会で議員の皆様にご審議いただきました。その際に議員の方々より、
@定時制高校の実状を知る人がメンバーに入ることは大切。いるかいないかで検討内容はは大きく変わってしまう。
A定時制の保護者が委員になることは重要。
Bそもそも、今日、利用者(この場合は生徒)を含めないような形の検討というものが(社会的に)通用するのか?川崎では「子ども夢パーク」など、子どもを主体にすえた会議の実績があるのに、今回は、なぜ、それができないのか。
CPTA代表(全日制の保護者)や地域教育会議から選出される方々が、定時制教育に関心をもってくれているのか、疑問がある。また、こういう方々は、役員の任期が終わった時点でメンバーが替わる、といったことにならないか。
D市民公募委員1名はどのように選ぶのか?応募の際に提出してもらった論文をみて、その「考え方」で選ぶとなると、恣意的な選出にならないか?(公正を期すためには)その論文を公表してはどうか。
E(生徒や保護者を正式な委員としてではなく、「臨時委員」という形なら含めたい、とするなど)市教委事務局が「13名」にこだわるのはなぜか?全体の人数を増やしてもよいのではないか?市民公募に4名の応募があったのなら、4名とも加えてもよいのではないか?
F市教委の既に決定した方針をあとづけるためだけの委員会ではないか、という疑問がある。
G行政関係枠の筆頭に「行財政改革推進本部」が入っている。行革の色合いがあるのかどうか?学ぶ人にとってどうなのか、という純粋に教育的な改革ではなかったのか?
かながわ定時制通信制教育を考える会などの質問や意見が出されました。
これら議員の方々の質問・意見に対し事務局は、回答を示さないものもありましたが、たとえば、生徒や保護者・卒業生・市民の声は「臨時委員」や「懇談会」・「○○の声を聞く会」などの方法で意見を広く募るので、検討委員会に入っていなくても大丈夫であるなど、原案で十分であるとの見解でした。
しかし「臨時委員」といっても、審議の流れの中にどう位置付くのかは不明で検討委員会が臨時委員を必要としなければ何ら実効性をもちませんし、そもそも「参考意見」と「正規の委員の発言」とではその意味あいは根本的に異なります。また、「懇談会」や「○○の声を聞く会」にしても、昨年度開かれた「振興計画(案)」の「市民説明会」や「生徒の声を聞く会」での意見が、どれほどいまの「振興計画」に盛り込まれているのでしょうか。
これからの市立高校定時制課程のあり方を協議するのですから、その場で学んでいる生徒や最近の卒業生、支えている保護者が委員に入ることが充実した話し合いを行うことにつながるのだと思います。私たちはいまある定時制高校の通いやすさを失うことなく、定時制教育がより充実したものになることを願う立場請願させていただいています。
つきましては、将来の定時制を必要とするすべての人に夢の持てる振興計画を実現するため、再度ご検討いただけますようお願いいたします。
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