2003年2月14日


横浜市教育委員会会議において、定時制生徒、保護者が意見陳述

 2月12日午前10時過ぎに、横浜市教育委員会会議において「よこはま定時制父母の会」から提出されていた請願(横浜市立定時制高校の募集停止の見直し)についての審議が開始されました。定時制の生徒、卒業生、保護者、教職員など27名が傍聴に駆けつけました。

 当日は、初めに横浜港高校の卒業生の父親が定時制生徒の保護者の立場から、意見陳述を行いました。今の夜間定時制には不登校の子や全日制を中退した子、障害を持っている人、様々な事情で全日制にいけなかった人など、ほぼ募集人員に近い人数が応募し、通学している実情が話され、これを三部制の横浜総合高校一つにしてしまうことが如何に乱暴な計画であるか、そして昨年の定時制三校の募集停止が「人権侵害であり、再度検討し直すように」という横浜弁護士会の「勧告」を踏まえて、市教委が計画を根本的に見直し、戸塚高校の存続と募集停止された定時制の募集再開を求める請願の採択を求めました。

 次に戸塚高校定時制の4年生が、生徒の立場から戸塚高校を募集停止することをぜひやめてくださいと訴えました。以下に、生徒の意見陳述の要旨を資料として紹介します。

 なお、教育委員会会議は二人の陳述に対し、委員の誰一人質問することなく、事務局から1月に行われた推薦入試と全日制の応募状況の説明を聞いた後、すぐにこの請願を継続審議扱いとしました。

 戸塚高校定時制の募集停止計画の見直し、撤回を求める請願をします。

 状況は流動的に変化していくと思いますが、世の中に潜在的にいる引きこもりの人たちの中には、中卒の人もたくさんいます。その人たちの行くべき道を奪わないでほしいです。
 「こんな代わりの案があるから」夜間定時制をなくしますというのは、すべてダメです。たとえば、通信制があるから、フリースクールがあるからといいうのは全部理由になりません。通信制には、大卒のカウンセラーの人が一人いるようですが、この人がいるからといって引きこもりや不登校の子が成長していけるわけではありません。フリースクールは、お金が高すぎて通えない人がたくさんいます。

 中卒者にとって、全日制以外では一番ニーズが高いのは普通科の定時制です。普通科の定時制で、今残っている戸塚高校の存続を、ぜひ決定してください。

 教育委員の皆さんに話し合ってもらいたいのは、
@過年度生に一番人気のある定時制高校が、なぜ一番最初になくなってしまうのでしょうか。
A一校にカウンセラーを一人置けば、それでよしとする考え方は間違っています。定時制の生徒にとって、やはり目上の人より、年の近い、同級生などと触れあい、学校生活をおくることが望ましいと思います。引きこもりの人や不登校の子は、人見知りの人が多く、大卒の心理学を専攻したカウンセラーなどではなく、夜間定時制のように同じ立場の仲間と出会い、話すことで人間的成長がもたらされるケースが多いと思います。

B戸塚高校は今年度急にクラスが増えて、1学年6クラスとなり、生徒の層も大きく変わって、学校内はムードがとても悪くなりました。休みの時間もタイムスケジュールも変わって不便で、上級生は困っています。生徒数が増えたことによって、定時制の良さが失われていくように思います。

 こうした状況を踏まえて、第一に2年後に予定されている戸塚高校の募集停止を見直し、存続を決定してください。
 第二に、この間募集停止とされた4校の募集停止を見直し、募集再開を検討してください。よろしくお願い致します。 

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