2002年10月12日
よこはま定時制父母の会は10月7日、横浜市教育委員会と教育長に対し、横浜市立戸塚高校定時制の募集停止見直しと港高校および横浜商業高校定時制の募集再開を求める請願を行いました。以下に、その請願書を資料として紹介します。
平成14年10月7目
横浜市教育委員会
教育長様
よこはま定時制父母の会
よこほま定時制生徒の会
代表 沢田元之定時制統廃合の見直しを求める請願書
今春の混乱を二度と繰り返さないために、「横浜市教育委員会会議規則」に基づき、次の通り請願致します。なお、これは募集に関わる内容である事を考慮し募集定員発表前の委員会で審査して下さい。また、この請願項目の@は生徒、Aは父母にてそれぞれ意見陳述を申し立てます。
[請願項目]
@戸塚高校定時制の募集停止を白紙に戻して下さい。
A港高校、横浜商業高校の募集を再開して下さい。
[請願の理由]
貴職が市民の強い要望に誠実に尽力された結果、定時制を含む横浜市立高校13校全てが、横浜市内、近郊の受検生たちに、広く門戸を開け、伝統と実績を積み上げて来られた事に感謝致します。
しかし、98牢12月に出された横浜市立高校再編整備計画は定時制5校を全て廃校にするものであり、その理由は「当初から定時制を希望する生徒は非常に少なく、全体として入学者が入学定員を下回っている事や、入学後の中途退学率も大変高くなっている事などから、生従の学習二一ズに対応した魅カある学校づくりが求められている。」からというものでした。
市民、現場はこの計画はあまりにも乱暴であると不安の声を上げ続けましたが、その全てを無視して強行された今春の定時制入試に於ける混乱は悲惨なものでした。
この混乱の分析を県教育委員会は『県立の全日制定員枠を減らした事と横浜市立の定時制3校の募集停止のため』とし、『この混乱を二度と繰り返してはならない事は県市の共通認識であり来年度については定時制定員も県市で協議して決める』という回答を頂いています。
この見解は当会の認識とほぼ一致するものであり、市立の再編計画が『生徒の二一ズ』を尊重して作られたものであるなら、誤り(混乱)は是正されるべきです。
貴職のデータからの予想は大きく外れ、今春大勢の生徒に非情な犠牲を強いた結果に、設置責任者として陳謝の意をもって、来年度については誠実に対応して頂けるものと期持しておりました。
しかし9月20目に行われた大学教育委員会の『その他』で出された質問『高校の募集定員についてはどうなっているのか?』に対し、太田教育長は『それは県がやる事だ。』と答弁しています。
貴職が川崎市教育委員会、横須賀市教育委員会と足並みを揃えて県教育委員会へ要望書を提出している事も伺っていますし、県市の間で協議、調整は十分にして頂きたいものですが、横浜市議会に於いて、議員(市民〉の質問に対し、『それは県の責任だ』という言葉は設置責任者である教育長のおっしゃる答弁とは思えません。県に要望書を出し責任を転嫁する事が太田教育長の責任の果たし方なのでしょうか?
最早、本来の設置義務がどこにあるかという問題ではありません。市立高校の設置経緯、また、貴職と市民によって大切に育まれて来た横浜の財産である学校を、『生徒の二一ズ』という曖昧な一言で統廃合し、混乱が起きたら『本来市に設置義務はない』では筋が通らないではありませんか。
私たちは単なるノスタルジックな思いで『定時制の存続』を叫んでいる訳ではありません。一見、不経済、非効率に見えるこの定時制高校は今の時代にこそ、無くしてはならないもの、狭い意味での教科学習に止まらず、生徒も親も教師もそこに関わる者たち皆がそこから掛け替えの無いものを学べる場、まさに教育の原点があるからです。
そんなお金に代えられない大切な学校を設置して来たことにまず、気付いて頂きたいし、またこれ程大切な財産を、ほんの目先の損得勘定だけで捨ててしまって良いのか?という事を考えて頂きたいのです。
前回の請願審査の中で『戸塚の募集停止は決定ではない。』という事が何度も言われましたが、そうであるならまず戸塚定時制を計画から外し『15の春を泣かさない。』事を念頭に再考して下さい。
そして、定時制が今年のように志願倍率が1倍を越えるような時、『県の責任だ』ではなく、定時制の良さを損なわない適正規模、適正配置で受け入れるために、港高校、横浜商業高校定時制を再募集できるようにして備えて下さい。
ここに4249筆の全国からの署名を添えて請願致します。