2008年3月26日


2008年3月21日

神奈川県知事    松沢成文 様
教育委員会委員長 平出彦仁 様

県立横浜修悠館高校に関する緊急要請と問題解明要求書


かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会

                             

横浜市立定時制高校の灯を消さない会
        代表  高坂 賢一

よこはま定時制父母の会
        代表  沢崎 三郎

かながわ定時制教育を考える会
        代表  中陣 唯夫

定時制高校を守る市民の会かわさき
        代表  浅野 栄子

不登校の親の会(こだまの会)
        代表  馬場 千鶴

フリースペース・すずらん
        代表  大森 雅子

教育委員会を傍聴する会
        代表  土志田栄子

県民要求を実現し、県政の革新を推進
する連絡会 事務局長 加瀬 文隆 

新日本婦人の会神奈川県本部
会長  高浦 福子

神奈川県教育運動連絡センタ−
  事務局長 加藤  誠

 貴職の教育の充実と発展のためのご努力に敬意を表します。
私たちは、子どもたちが安心して高校進学できる環境条件の整備をもとめて、くりかえし要請してまいりました。前期選抜においては、私どもも申し入れておりましたように、通信制高校志願・受験者すべてに学びの場を保障していただきましたことに感謝申し上げます。
 一方、県立横浜修悠館高校につきましては懸念される重大な問題が多々ございます。県立横浜修悠館高校の08年度入試に関わる事項に限って、ここに緊急要請と問題解明要求を以下のとおり提出します。速やかに措置していただくとともに、文書でご回答くださるようお願いします。


1、 県立横浜修悠館高校の後期選抜と転編入試験、秋の募集について

1. これまで通信制高校がはたしてきた役割、全日制高校に入れない子にとっての最後の学びの砦としての役割や、これまでの入試との公平性からも、08年度後期選抜でも受験したすべての人に学びの場を保障してください。

2. 新入生で募集人員がいっぱいになっても、最後の学びの砦としてこれまで通信制高校がはたしてきた役割を考慮して、高校の進級会議後も手続きがとれるように、4月に転編入試験を実施し、絞り込まずに希望者を従前どおり受け入れてください。

 すでに理由が明らかにされないまま、転入書類ではねられて行き場に困っている生徒がでています。これについての県教委の考え方を明らかにしてください。

3. 計画でいわれていた「秋の募集」は、特に不登校の子などにとっては、いろいろ迷いながら自分を回復して立ち上がるのに大切な意味があります。是非、実施してください。

4. 08年度入試の厳しさから、個別支援学級にいると内申点がつかないので通信制にもいけないと、普通学級にいくようにすすめる中学校もでています。これについての県教委の考えを明らかにしてください。


2、県立横浜修悠館高校の超大規模校化による予想される混乱と条件整備について

1. 08年度入学生、転編入学生だけでも1,500〜2,000人という超大規模校化による混乱が予想されます。県教委のホームページにもある「毎日登校し、きめ細かな学習指導を受けることができます」に期待がふくらんでおります。

 その中には、不登校、引きこもり、精神疾患、学力の遅れ、家庭事情、非行経験者、暴力行為経験者など、複雑な事情を抱えている子どもたちもおり、全県から1校に集中する形になります。子どもたちの中にも「こわい系が多いんではないか」「自分はやっていけるだろうか」と不安が広がっています。

  これまでの成人を中心としたスクーリングなどとは異なった生徒指導問題も心配されます。子どもたちが安心して学べる環境を整えるために、十分な教職員数を配置してください。

 なお、現在予定されている教職員の職種別、正規・非常勤の別、「毎日登校」指導とIT講座指導、従来型のスクーリング指導、その他の別がわかるように、それぞれの人数を明らかにするとともに、生徒指導等に関わる対応策を明らかにしてください。

2. 希望が平日登校型に集中していることは明らかです。子どもたちの希望を優先して決めてください。事前に定員等が示されていませんので、子どもたちは希望通りに学べると考えています。

3. それに応えられる教職員数、教室数のほかに、空時間などに利用する学習室、食事室、休憩室、保健室などを十分に確保・整備してください。

4. 08年度は工事中のため、学習室、図書室など使えない施設があるとききますが、子どもたちの校内での過ごし方に不安があります。08年度使用できない施設及び校内で利用できる自習、食事、談話などのスペースとそこでの指導員配置を明らかにしてください。

5. 以前、定時制で子どもの“拉致事件”が起きているとききます。担任制があるとのことですが、個々の子どもの顔を覚えるにも大変な人数と思える状況下で、校内、登校・下校時の子どもたちの安全に不安を感じます。学校の責任体制は大丈夫でしょうか。その対応策、及び人的配置などを明らかにしてください。

6. 大宮中央高校の例からも、死角の多い校舎の構造や、地域でのトラブルなど、先生方の眼の届かないところでの“いじめ”や“暴力”などが心配です。子どもたちの生活指導に地域ボランティアの協力をえるとのお話も聞いておりますが、どのような方々がどのような体制で当たられるのかお聞かせください。


3、超大規模校化、全県一校集約解消などの問題について

1. 横浜修悠館高校に希望者が殺到した問題のおおもとには、07年度までは定時制高校の混乱としてあらわれていた全日制高校の定員不足があります。本来想定している“新タイプの通信制高校”を必要としている子どもたちは大勢います。

 そのよさが全日制高校の定員不足によって壊されようとしています。全日制高校を希望する子どもたちが全日制に学べるように、全日制高校の定員拡大と私学を希望できるだけの学費補助の大幅増額が緊急の課題と考えます。この点の県教委の考え方をお示しください。

2. 前述したようないろいろな問題をかかえている子どもたちにこそ、小規模校、少人数学級できめ細かな指導がもとめられています。また、通信制高校にはこれまでと同様のタイプの学校も必要です。

 そのためには、まだ施設のある横浜平沼高校、湘南高校の通信制をそのまま、不可能ならば分校としてでも残すとともに、新タイプの高校を横浜修悠館高校の分校または分教室として地域性を考慮して数箇所新設してください。
 「当面、横浜平沼高校と湘南高校のサービスは残す」と明言していた約束は守ってください。

3. 自衛隊少年工科学校の通信制だけが、学習場所、教職員、学習スタイルなど特別扱いにされているのはなぜですか。その学習場所、教職員、学習スタイル、授業料などと理由をお聞かせください。

4. 1講座の授業料が、毎日登校型は700円、IT型は350円とお聞きしますが、これまでも工業、商業などの高校と普通高校は同じ授業料でしたので、350円に同一としてください。

5. 通学定期券を発行してください。「毎日登校」の希望者には必要です。一度帰宅して、再登校するなどもあります。各自の条件で選択できるようにしてください。

以上

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