2001年3月6日
横浜市立港高校の保護者有志が、定時制の存続を訴える
3月1日付の読売新聞によると、横浜市立港高校(夜間の定時制独立校。全日制の港商業高校が併設されている)の保護者有志が、2002年度からの募集停止が予定されていることに反対し、存続を望む2776名の署名を添えた要望書を高秀秀信市長に提出した。
港高校は、在籍生徒数が約500名ほどで全国最大級の夜間定時制である。ここ最近も入学生徒が減少する傾向はなく、不登校をはじめとする生徒がこの定時制を頼りとして通学してきている。
横浜市は、現在市内にある定時制5校(港高校の他に、横浜商業、横浜工業、鶴見工業、戸塚高校)を、2009年度までに統廃合して、午前・午後・夜間の3部制総合学科高校に統合する計画を進めている。港高校は、横浜商業と横浜工業とともに2002年度に募集停止される対象校であるが、最後の新入生を迎えるこの春、計画の見直しを求める声が保護者、生徒、教職員の間で高まりを見せている。
新聞によると、港高校の保護者は「少子化にも関わらず、不登校の児童・生徒、高校中退者は実数として増えている。3部制は、受け皿として定時制に変わるものとは思えない」「少人数のゆったりとした中で自信を取り戻す子もたくさんいる」と述べている。
また、長男が1年生に在籍している母親の「小6から中3まで学校に通えなかったが、管理と強制のない定時制に居場所を見つけることができた」という声を紹介している。
さらに、横浜市立高校教職員組合が実施した定時制生徒の意識調査によると、午前部・午後部という昼間コースの定時制を望む割合は3分の1強にとどまり、大半の生徒は夜間コースの拡充を求めていることが明らかになった(2月20日付け神奈川新聞)。
調査は、2000年3月から4月にかけて、市内5校の定時制新入生544人を対象に実施、514人(94.5%)から回答を得た。
分析に当たった教員によると、「できれば昼間部で3年で卒業したいという子もいる。しかし、中退者や不登校生徒、社会人を含めた全体では昼間部より夜間部を強く望んでいることがデータから裏付けられた」と述べ、1校への統合については「定時制の良いところは、異年齢の多様な人々の受け皿となり、お互いに刺激を受け、学び合う中で自分を取り戻す点だ。移行措置での募集停止は延期してほしい」と話している。
・横浜市立高校定時制の統廃合問題については、以下の報告を参照して下さい。
浜高教主催シンポジウム「これからの定時制を考える」に出席して
定時制は募集停止ではなく、今求められている
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