2004年3月25日

 3月24日、県内教育関係4団体が「定時制二次入試における大量の『不合格者』に関する緊急措置の要請書」を県知事と県教育委員会委員長に提出するとともに、県教育委員会事務局と交渉をもちました。「かながわ定時制教育を考える会」会員もその交渉に参加しました。
 以下に、その「要請書」を資料として紹介します。


2004年3月24日


神奈川県知事 松沢成文 様
教育委員会委員長 平出彦仁 様

04年度定時制高校二次試験での大量「不合格者」に
関する緊急措置の要請書



新日本新婦人の会神奈川県本部

会長 柳下靖子

神奈川県教育運動連絡センター

事務局長 加藤.誠

子どもと教育・くらしを守る神奈川県教職員連絡協議会

議長 福田 やよい

横浜市立定時制高校の灯を消さない会

代表 高坂 賢一



 貴職におかれましては、神奈川の教育の充実と発展のために、日ごろからご努カされていることに敬意を表します。

 私たちは、先の要請でも、貴職が今年の公立高校の定員を大幅に削滅したことによって、大量の「不合格者」が生じ、多くの子どもたちを高校進学断念に追いやる危険性があると具体的資料を付して指摘し、定員の拡大、合格枠の拡大など、その緊急措置を求めてまいりました。

 その結果、貴職は定員枠を115人だけ拡大する緊急措置を発表しました。しかし、その措置はまだまだ不十分で、受検者数からみると定員オーバーの合計は144人に上ります。 今年度定員を994人削減して、私学への誘導をはかった結果、経済不況で家計が厳しくても、後期選抜不合格者の中で、前年度より数百人多くの人が私学の併願校に手続きをとったと推計されます。
 
 しかし、それが適わない144人の子どもたちから高校進学の機会を奪うという事態をまねいでいるわけです。
 特に、横浜地区の定員オーバーが72人に達しています。この裏には、前期、後期、あるいは全日制二次の選抜試験で不合格となって、投げ出している子どもたちが大勢いることも考えなければなりません。二度三度「不合格」になっても、進学をあきらめずに受検しているこの子たちの希望をかなえてやるのが行政の責任です。

 02年度の事態について「同じような事態を招くことのないように努める」と議会答弁なさいましたが、再びこうした事態を招いている貴職の責任は重大です。
 子どもたちにとっては、一生に一度の高校受検です。学習の場が保障されるように、以下のような緊急措置等をとっていただくよう要請いたします。

1.貴職は、定時制の倍率は1.1倍以内におさえるといいました。それは、これまで通り、全日制で不合格がでたとしても、高校進学希望者が定時制で学習する機会は保障するとの意のはずです。

 しかし、定時制の地域性から、県西部の50人の空きは定員には含むことはできません。特に横浜、三浦、湘南、県北は、普通科、工業、商業を合わせても定員の絶対数が足りません。川崎も、工業に空きがあっても、工業の特殊性から考えると、実質的には定員の絶対数が足りません。
 これは、貴職の方針にも反する重大な計画判断ミスです。その責任をどうとるおつもりですか。

2.全定含めては、受検するするすべての子どもたちの進学を保障するとの県の方針を守るために「合格枠」を拡大するか、新たに3次募集をするなどして、あらゆる手を尽くすこと。

3.緊急措置をとった学校に対しては、人事配置や施設設備面での十分な条件整備をはかること。

なお、来年度以降のこと、今年度の全般的問題については、改めて申し入れを行います。

以上

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