1999年1月12日
定時制高校の支えである
夜間給食補助費の削減は断じて許されない
県教育長指導部学校保健課は先月、給食補助費の支出が11月時点で前年より「大きく上回っている」として、各校への総喫食数の「削減目標」(日数としては6,4日程度)を通知、事実上の「指示」を行っている。当局は、削減理由に「喫食率のアップなどが当初の見込みを大きく上回っているため」としている。しかし、これはおかしい。
当局自身が「生徒の健康保持増進および就学奨励をはかる」立場と、業者委託方式による業者確保の必要性から、現場関係者に喫食率アップを要請してきている経験からすれば、当初予算額が昨年度実績の1.3%、約110万円程度の増額では不足額が生ずるのは十分予想されたところである。
不足額とされる約200万円は、『夜間高等学校における学校給食に関する法律』 『神奈川県高校定時制給食実施要綱』を順守する姿勢があるなら、「削減」せず、「補正予算」をくんで解決すべきものである。ところが当局は「財政危機」を理由に、さらに来年度の「14日間程度の給食なし日」を提示して、各校に押しつけようとしている。
不十分な予算を組み、「不足した」と騒ぎ、次に「財政危機」をふりかざして夜間定時制の給食制度を破壊する。これでは予め「合理化」をねらった「予算破綻劇」であり、生徒の健康破壊や、生徒指導の困難、学校行事の削減や教育編成への介入など、教育現場を混乱させ、支配する教育行政である。私たちは、いささかも容認するわけにはいかない。この点では、学校管理職への説明会でも当局の非常識さに、「給食なしの日は休校にしてもいいのか」などの強い批判が出たという。
夜間定時制の高校教育を支えている法律に反してでも義務的予算を切りつめ、それを公共事業など大型プロジェクトの投資的予算にまわす ― 岡崎県政の反教育的な本質がはっきりと露呈した今回の問題である。
神奈川高教組の取り組みは、事の重大さに比例しているとはいえない。「削減」を認めない立場で、緊急に当局との団体交渉をもつべきである。直接の被害者である生徒自身が、その権利を守って取り組む場を持たないという現実にてらしても、特に教職員組合と現場の強い取り組みが要請されている。
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