1998年7月7日

6.27教育シンポに参加して


「保護者と教職員との共同」を神奈川でも

                                                       

  6月27日希望ヶ丘高校において、「子どもたちを支え、育てるには」と題して、愛知県の「公立高校父母連絡会」の経験を聞くシンポジウムが開かれました。当日は、30度を超す猛暑のなか、6名の保護者の方と教職員(全、定、通の各課程)など、総勢27名が参加しました。

  パネリストは、「あいち公立高校父母連絡会」の事務局を担当している愛知県立岩津高校の山田信克さん、「あいち定通父母の会」の会長である馬場末春さん、そして横浜工業高校の保護者である重野洋子さんの三人でした。シンポジウムのなかで、「三崎高校定時制を守る会」の運動の現状報告と募集停止を許さないために、全県で支援していこうという訴えが行われました。 以下、山田信克さんと馬場末春さんの報告を簡単に紹介します。


   教職員だけの運営から、父母・子どもが参加していける学校へ

  今、いろいろなところで「教育改革」が唱えられている。しかし、何をどのように変えていったらよいのか。学校を変えていくポイントは、教職員だけで運営してきたこれまでの学校を、父母・子どもが参加していける学校に変えていくことである。誰が、学校のあり方を決めていくのか。憲法に明記されているように、主権者は国民である。その意味で、文部省や教育委員会が決めるのではないのはもちろんのことである。しかし、教職員ですべて決めてしまい、困ったときにだけ親にお願いするようなこれまでのやり方も、見直しが求められているのではないか。

  では、父母の参加をどのようにすすめたらよいのか。PTAを豊かにしていくとともに、PTAの限界も踏まえ、自主的・継続的な保護者の組織をもつことが重要である。それぞれが切り離され、バラバラにされている親には、自分の悩みを聞いてもらえる場、語り合い、成長していける場が必要である。

  また、「父母連絡会」は教職員が地域に出向き、報告をして、それをもとに語り合う教育懇談会とも異なり、常にいっしょに悩み、考え合う場でもある。そして、「父母連絡会」は、在学中の親だけでなく、子どもが卒業した親も地域の人も参加できる組織である。この組織をもとに、愛知では高校に暖房器具を設置させたり、大学別に進学者名を公表してきたことをやめさせたりしてきている。


   「定通父母の会」とその運動は、神奈川でも求められている

 自分の子どもが登校拒否となり、何度も学校に呼び出されるなかで、学校の閉鎖性に疑問を感じたことが今の運動につながっている。モーレツ社員であった私の教育観も、この運動の中で変わった。

  「定通父母の会」は4年前に、定時制を訪ね、訪問記を出したことから始まる。定時制の授業が、わかりやすく、またゆったりとしていることに感激、このことをもっと知らせるべきと、1993年最初の定通進学説明会を開催した。60人くらい来てくれればいいと思っていたら、300人以上集まり、今の教育のなかで、いじめや不登校で苦しみ、助けを求めている子どもや親が多いことにびっくりした。それ以後、毎年2月に説明会を開催、今は2会場で、また秋にも実施している。説明会は、すべて親が企画、運営、定通に在学している生徒と生徒の親が、定通を選んだ理由とそこで自分が成長し、「本当に良かった」と思っていることなどを語り、定通制を紹介している。

  この説明会の模様は、ビデオで上映されました。ある年には、説明会で保護者を中心に創作劇や朗読劇を演じたりしているのには、驚きました。 神奈川でも、こうした「定通父母の会」がつくられ、説明会などの運動が行われることが今求められているのではないかと、強く感じました。

                                    
        

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