1997年11月14日
城東と箱根分校の募集停止と重点校指定に抗議する
県は10月31日、98年度の入学定員と定時制の「教育改善重点校」を発表した。それによると、小田原城東(商業科)と小田原城内箱根分校(普通科)がともに募集停止とされ、小田原城北工業高校の機械科と電気科が一括募集となり1学級減とされた。小田原地区で、一挙に定時制2校と1学級が消された。
これは、今年の2月に出された「定時制再編通知」の「原則として、第1学年の入学者数が2年間継続して15人以下になった場合募集停止を行うこととする」という項を、全く機械的・一方的に適用したものである。これによって、箱根で定時制に通いたいという声や小田原で働きながら商業科の定時制に通学したいという望みが切り捨てられた。
われわれは、県がこれまで曲がりなりにも表明してきた「就学保障」の立場を今回の発表によって完全に投げ捨ててしまったことに、強く抗議する。また、これまで夜間定時制高校を重点校と非重点校に分け、差別し、教育の均等性を侵すものとして様々な方面から批判されてきた「重点校指定」を今回強行したことに断固抗議するものである。
1997年9月8日
県教委 箱根分校の廃校と城東の募集停止を検討
就学保障を否定する廃校・募集停止は許されない
現在、県教委内において来年度(98年度)の生徒募集が策定されつつあります。そのなかで、県立の定時制については、
@城内高校箱根分校は募集停止とし、在籍生は来年4月より小田原の本校に通う、つまり3月で廃校とする、
A城東高校(商業科のみの単学級校)は募集停止とする(4年後には廃課程とする)、
B城北工業の機械科と電気科を一括募集として、1学級減とする、
などが検討されていることが明らかになりました。
商業を学びたいのに学べない。働きながら学びたいのに学べない。
小田原市内には、現在3校の夜間定時制があります。城東(商業科)、城北工業(機械科と電気科)、そして城内(普通科)です。3校がそれぞれ商業、工業、普通科というかたちで分担して、定時制で学びたいという、小田原市民をはじめとする県民の声に応え、就学を保障してきました。
今回、城北工業は一括募集ということなので、電気科が残ることとなり、電気に関する知識や技術を学びたいという要望には応えることができます。しかし、城東を募集停止にしてしまうと、商業を学びたいという要求には応えることができません。
県教委は、遠くなるが平塚商業に通えばよいというのかもしれません。しかし、平塚商業に通うとなると、今より50分ほど通学時間がかかることとなり、働きながら学ぶことができなくなります。
基準の機械的・一方的な適用ではなく、就学保障を
2月に出された「定時制再編計画」では、全国的にみても極めて厳しく、機械的な基準(2年連続入学者が15人以下の学科は募集停止とする)が提起されました。しかし、工業に関する学科の募集停止については、「個別に検討する」という特例が設けられています。商業科についても、工業科に準じてこの特例を適用し、募集停止をせず、就学を保障することを強く要求するものです。
「卒業するまで分校に通わせて」
箱根分校生徒の父母 分校の存続を求める署名活動へ
この夏、県教委が城内箱根分校の廃校を検討していることが明らかになるなかで、分校の生徒の父母から「今いる生徒が卒業するまで、この分校に通わせてほしい」という声が挙がっています。
9月3日、10人の父母が集まり、来年の4月から本校に統合されてしまうと、半分くらいの生徒が通えなくなる、
@仕事をしている生徒は、本校の始業時刻までは間に合わなくなる
A健康上の理由で小田原市内の学校ではなく、近くの分校に通っている生徒は本校には通えない
B全日制を退学してきた生徒の中には、分校のような小規模な学校でないと通えない子もいる、
等々の理由で「分校をなくさないで」「卒業するまで分校に通わせて」と署名活動を開始しようということになりました。