2006年7月30日
大規模化、過密化の中で苦しむ定時制生徒たち!定時制教育の良さを見直そう
少人数、座席にゆとりのある教室だからこそ、さまざまなタイプの生徒たちが共存できる。
定年後奮起し、黒板を見上げる喜びをかみしめているお父さんが中央に座り、中学時代は不登校だった子は窓際に控えめ座り、現場から直接登校しペンキだらけの作業着の青年が廊下側で疲れて足を投げ出しながらも聞いている。
バイクに乗って少し遅れてきたツッパリ君も後ろのほうに陣取っている。みんなそれぞれに微妙な距離を置いて勉強することができた。
先生も生徒一人一人に十分な対応ができた。そんな定時制の生命線とも言える長所を台無しにしている40人学級の押し付けが行われて、3年になる。2006年1学期を終え、各定時制高校の情況はどうなっているのだろう、現場の声を聞き集めてみた。
教室が足りない、机が入りきらない
・1年4クラスすべて留年生も含め44人でスタートし、教室に机が並びきれない状態だ。
一人権無視した劣悪な教育環境-
・1年生が200人近いという異常事態が2年続き、クラス数も過去最大になり、教室の配置に無理が出たり、展開授業の教室が不足してしまった。
・クラス数の急増に専任教員が不足し、転勤者や臨時任用の先生までもが担任を持たされている。
・学級増や生活指導が困難な中で専任が一人講師に砕かれてしまい、大きく戦力ダウンした。
・全日制の定員減によりはじき出され、昼間の時間を持て余した生徒たちが早くから登校してしまう。教室には入れないので全日制の部活動スペースの隙間を探してスポーツする、また会議室や廊下で待機させられているような情況である。
・駅や近隣からの苦情が下校時たけでなく、登校時やさらに早い時間帯からも入るようになった。
・登校はするが授業には出ず、廊下やコンビニや公園でたむろする生徒たちが増えている。
・学習にまじめに取り組む生徒とそうでない生徒との二極化がいっそう進んできている。
・臨時任用・再任用・非常勤がすべて常勤職員に置き換わり、担任不足の緊急事態は何とか回避されたが、それを担保に募集定員をもっと増やされそうで怖い。
・入学当初は、外部の生徒の出入りが多くその対応に苦慮した。
全日制枠を拡大し、35人定員に直ちに戻せ
年度当初の定時制は生活指導で混乱する。それを1年かけて落ち着かせていく。その中で進路変更も含め退学していくものも出てくる。
しかし、「いくら詰め込んでおいても大量の退学者が出て最後は何とかなるだろう」という、人権を無視した当局の姿勢は許されない。劣悪な環境に耐えかね、再出発の場を追い出されていく生徒をこれ以上出してはならない。
直ちに35人定数に戻し、全日制枠を拡大すべきである。
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